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日経平均指数取引・先物取引における中級者の罠とバイアス克服法

こんにちは、ひょっとすると7月に押し目到来と予測していたのですが
あれよあれよという間に日経平均はザラ場高値更新、ついに42000円を照準に捉えてきました、しっかり曲げてんじゃねェのwというお叱りのお言葉を真摯に受け止めつつ今回はシーズナルパターン、その他多角的分析から陥り易い中級者の罠について考えていきたいと思います。

複数指標の解釈と予想外の市場動向

2024年7月の市場状況:予想と現実の乖離

2024年7月、多くの投資家が様々な要因に基づいて弱気相場を予想していました。主な要因は以下の通りです:

  1. 季節性: 統計的に7月は株価が弱含む傾向がありました。

  2. ヒンデンブルグオーメン

  3. 高SKEW: オプション市場におけるこの指標は、投資家の間で極端なリスクへの懸念が高まっていることを示していました。

  4. FEDの政策と雇用統計の悪化: これらの経済指標は、リセッション(景気後退)入りの可能性を示唆していました。

これらの要因は、通常であれば市場の下落を予測
させるものです。しかし、予想に反して市場は高値を更新しました。


なぜ予想が外れたのか

  1. 市場の非効率性: 市場は常に効率的とは限らず、時に「不合理」な動きをすることがあります。

  2. 予想の織り込み: 悪材料が既に市場に織り込まれていた可能性があります。

  3. 他の好材料: 予想されていなかった好材料(例:予想以上の企業業績、政策発表など)が影響した可能性があります。

  4. 市場心理: 投資家の心理が予想外に楽観的だった可能性があります。

  5. 複雑系としての市場: 市場は多数の要因が複雑に絡み合う系であり、単純な因果関係では説明できないことがあります。

中級者が陥りやすい罠

  1. 過度の確信: 複数の指標が同じ方向を示していても、市場は予想外の動きをすることがあります。

  2. 指標の相互作用の無視: 各指標を個別に見るのではなく、それらの相互作用を考慮することが重要です。

  3. コンセンサスへの追従: 多くの人が同じ予想をしているときこそ、逆の可能性を考える必要があります。

  4. 柔軟性の欠如: 予想が外れたときに迅速に戦略を修正できないこと。

対策と教訓

  1. 多角的分析: 技術的指標、ファンダメンタルズ、市場心理など、多角的な視点から分析を行う。

  2. シナリオプランニング: メインシナリオだけでなく、複数の可能性を想定し、各ケースの対応策を準備する。

  3. リスク管理の徹底: 予想外の展開に備え、適切なポジションサイズとストップロスを設定する。

  4. 謙虚さと学習姿勢: 市場は常に新しい教訓を与えてくれることを認識し、継続的に学習する姿勢を持つ。

  5. 反対意見の尊重: 自分の見方と反対の意見にも耳を傾け、バランスの取れた判断を心がける。

対策:シンプルな戦略の威力とバイアス回避


シンプルな戦略の有効性

2024年7月の市場動向は、複雑な分析や過度の警戒が必ずしも最良の結果をもたらさないことを示しました。実際、以下のようなシンプルな戦略が効果的でした:


  1. 5-20日移動平均線の交差: この基本的な技術指標は、市場のトレンドを捉えるのに有効でした。上の図はHMA20-100の交差を買いシグナルとしていますが6月下旬のシグナル通りに動けば爆益です。 仮に7月中頃~8月にかけて下落局面が訪れるとしても高値の値頃感からショートポジションを持つのではなく、このルールでエントリーで損失を回避する事ができます

  2. MACD(Moving Average Convergence Divergence): このモメンタム指標も、市場の方向性を示す良い指標となりました。

これらの指標に基づいて買いポジションを取り、保持し続けることで、以下の利点がありました:

  • FOMO(Fear Of Missing Out:取り残される恐怖)の回避

  • 過度の警戒心による機会損失の防止

  • 市場の上昇トレンドへの追随

バイアスとその回避方法

中級者は Often 様々なバイアスに影響されやすくなります。以下に主なバイアスとその回避方法をまとめます:

  1. 確証バイアス

    • 症状:自分の予想や信念を支持する情報のみに注目する

    • 回避法:意識的に反対の見方を探し、両面から分析する

  2. 損失回避バイアス

    • 症状:損失を過度に恐れ、好機を逃す

    • 回避法:リスク管理を徹底し、小さな損失を許容する姿勢を持つ

  3. アンカリング効果

    • 症状:特定の価格や指標に固執する

    • 回避法:定期的に自分の分析をリセットし、新しい視点で市場を見直す

  4. 群衆心理バイアス

    • 症状:多数の意見に流される

    • 回避法:独自の分析を重視し、逆張り的な視点も持つ

  5. 過信バイアス

    • 症状:自分の分析や能力を過大評価する

    • 回避法:過去の失敗から学び、常に謙虚な姿勢を保つ

実践的なバイアス回避戦略

  1. 分析は多角的にトレードルールは極力シンプルに

    • 感情に左右されない、ルールベースの取引システムを構築する

    • 例:5-20日移動平均線の交差とMACDを組み合わせた戦略

  2. 多角的な情報収集

    • 技術分析、ファンダメンタル分析、市場心理など、複数の観点から情報を集める

    • 自分の見方と反対の意見も積極的に取り入れる

  3. 定期的な自己評価

    • 取引日誌をつけ、定期的に自分の判断プロセスを振り返る

    • 成功だけでなく、失敗からも学ぶ姿勢を持つ

  4. 柔軟性の維持

    • 市場環境の変化に応じて、戦略を適応させる準備を常に整えておく

    • 「この戦略は常に有効」という思い込みを避ける

  5. あえて何もしない、ロングオンリー戦略(リスク管理の徹底)

    • ポジションサイズの管理とストップロスの設定を厳格に行う

    • 単一の取引や戦略に過度に依存しない

    • お釈迦様の言葉に「悪いことをするよりは、何もしないほうがよい。悪いことをすれば、あとで悔いる。」とあります。無駄なトレードを増やすより粛々と買いの機会を待つのも良いでしょう。

まとめ

2024年7月の市場動向が示すように、時にはシンプルな戦略が複雑な分析よりも効果的な場合があります。しかし、これは単にシンプルな戦略に盲目的に従うべきだということではありません。重要なのは、自身のバイアスを認識し、それを克服するための戦略を持つことです。

5-20日移動平均線の交差やMACDなどのシンプルな指標を基本としつつ、常に市場の変化に注意を払い、自身の判断プロセスを客観的に評価する姿勢が、長期的な成功につながります。バイアスを完全に排除することは難しいですが、それを認識し、管理することで、より一貫性のある、感情に左右されない取引が可能になるでしょう。

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