Make Volatility Great Again?
日経平均とS&P 500のボラティリティマップ比較
最近の市場動向を理解するために、日経225とS&P 500のボラティリティマップを作成しました。これらのマップは、各指数の価格とボラティリティ指数(VIおよびVIX)の関係を示しており、以下に、それぞれのマップについて詳しく解析します。
日経225のボラティリティマップ
nikkei225のボラティリティマップは、過去3ヶ月間のデータに基づいています。縦軸はニッケイVI(ボラティリティ指数)、横軸はnikkei225の価格を示しています。5日移動平均を使用して、価格とボラティリティの関係をより滑らかに表示しています。
赤色の部分(2024年4月4日から2024年4月22日)は、価格が下落するにつれてボラティリティが上昇していることを示しています。特に4月22日に顕著なピークが見られます。
青色の部分は、ボラティリティが低下しながら価格が変動している様子を示しています。特に6月14日には、価格が比較的安定している一方で、ボラティリティが最低値に達しています。
S&P 500のボラティリティマップ
S&P 500のボラティリティマップも同様に、過去3ヶ月間のデータに基づいています。縦軸はVIX(恐怖指数)、横軸はS&P 500の価格です。こちらも5日移動平均を使用しています。
赤色の部分(2024年4月4日から2024年4月19日)は、価格が下落するにつれてVIXが上昇していることを示しています。特に4月19日にピークが見られます。
青色の部分は、価格が上昇しながらVIXが低下する様子を示しています。特に6月14日には、価格が上昇し続ける中でVIXが最低値に達しています。
6月14日の状態とその意味
6月14日現在、nikkei225とS&P 500の両方が低ボラティリティ圏内にあります。ただし、nikkei225は右方向への伸びが見られず、とぐろを巻くような状態になっています。これは、市場の安定性が一時的なものであり、さらなる動きが控えている可能性を示唆しています。
多くの専門家が指摘するように、4月の調整が再来する場合、ボラティリティが上昇しながら価格が下がっていく状態となり、左上方向を目指す展開になることが予想されます。
VIXSKEWマップ検証
ボラティリティマップの解析に加えて、VIX(恐怖指数)とSKEWの関係を示すグラフも非常に重要です。このグラフは、投資家が市場のリスクをどのように評価しているかを理解するのに役立ちます。以下は、VIXとSKEWの関係についての詳細な解析です。
グラフの解説
このグラフは、過去3ヶ月間のVIXとSKEWの5日移動平均の関係を示しています。
縦軸:SKEWの5日移動平均。
横軸:VIXの5日移動平均。
データポイント:毎日のデータをプロットし、5日移動平均を表示しています。
赤色部分:RSIが35以下になった場合の期間を赤色で描画し、市場の警戒ムードを表しています。
具体的な観察ポイント
青色の部分(2024年4月から6月):
4月から6月にかけて、VIXとSKEWの関係は非常に変動しています。特に4月のピーク時には、VIXが高く、SKEWも急上昇していることが確認できます。
6月14日に注目すると、VIXとSKEWの関係が比較的安定していることがわかります。この日は、両指標ともに低い値を示しており、市場のリスクが低いことを示唆しています。
赤色の部分(2024年4月22日):
4月22日は、RSIが35以下になった期間を示しており、市場の警戒ムードが高まったことを表しています。この期間中、VIXとSKEWの両方が高い値を示しており、市場の不安定さが顕著です。
まとめと今後の展開
VIXとSKEWの関係:
VIXとSKEWの関係は、市場のリスク評価に重要な手がかりを提供します。特に、VIXが高く、SKEWも高い場合、市場の不安定さが増していることを示します。
市場の安定性:
6月に入ると、VIXとSKEWの関係が比較的安定し、リスクが低い状態にあります。しかし、過去のデータを見ると、再度のリスク上昇の可能性も否定できません。
警戒ゾーンの識別:
RSIが35以下になった期間(赤色部分)に注目することで、市場の警戒シグナルを早期に察知できます。特に、VIXとSKEWの両方が高い値を示す場合は注意が必要です。
今後の展開
今後の市場動向を予測する上で、以下の点に注目する必要があります:
再度の調整の可能性:
4月のような調整が再び起こる可能性があります。この場合、VIXとSKEWの両方が上昇し、市場のリスクが高まることが予想されます。
市場のリスク評価:
VIXとSKEWの関係を定期的にチェックすることで、市場のリスク評価を行い、適切な投資判断を下すことが重要です。
市場の警戒シグナル:
RSIが35以下になった期間に注目し、市場の警戒シグナルを見逃さないようにすることが求められます。
NikkeiVI上昇が株価にもたらす影響の検証
暴落論を煽る記事が増えてきたので客観的な分析を仮に6月後半~7月にかけて大きく調整した場合の話です。
直近数年のデータを基に、nikkeiVIの上昇が株価に及ぼす影響を調査しました。このヒストグラムは、nikkeiVIが上昇した後の株価変動を示しています。平均値は4.09%であり、分布を見ると、株価の下落幅が最大で約6%に達することがわかります。
具体的な予測値
現在のニッケイ225の中央値を38,500と仮定し、VI上昇による下落予想値を算出すると、以下の通りです:
下落予測値:
37,224(-4.06%)
36,472(-6%)
大きな調整や暴落という言葉に惑わされる事なく客観的にあくまでフラットにトレードする事は重要な事です。 これらの予測値は、過去の統計に基づいたものであり、将来の動向を完全に予測するものではありませんが、投資戦略の参考となれば幸いです。