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Marixリバーサル100Dは実は「普通のフイルム」だからこそオススメ カラーサンプルを撮ってフイルム6種を比較する

ほったらかしてたネタをいい加減投下。主観的な結論はタイトルのとおり。

以下のフイルムで日中、屋外、AEでKodakカラーチャートを撮って撮り比べ。
カメラ、レンズはOM-2N、OM28/2.8、絞りはたしかF8かF16
撮影は2024年4月29日上野公園
参考価格は36枚撮り1本のヨドバシでの価格(2024年7月7日現在)
露出補正-2、-1、0、+1、+2で撮影


〇カラーリバーサル
(Kodak E-6現像、2段増感、Fuji StorageDVDでデジタイズ)
 いずれも2段増感でISO100→400にして撮影、現像(ごめんなさい。増感なしのものはありません)
・MARIX reversal100D(kodak5294) 2800円
 シネマフイルム詰め替えではありますが、元々スチルリバーサルとおなじE-6プロセスのフイルムなので変な色になる理由がありません。中身はkodak5294とのこと。
・Fuji Provia100F 3960円
・kodak エクタクロームE100 6530円
 後者ふたつは「普通のリバーサルフイルム」枠として私が普段使いするものから採用。


〇カラーネガフイルム
(Kodak C-41現像、Kodak PhotoDVDでデジタイズ)
・MARIX 400D(vison3 250D、レムジェット層除去、C-41クロスプロセス) 2250円
 シネマフイルム詰め替えかつトラブルメーカーで有名なKodack Vison3の詰め替えです。もちろんMARIXが販売しているものについては問題が起きないように一部加工(レムジェット層除去)していますし、Kodakと契約を取り交わして現像まで責任をもって販売しているとことです。ただし、ほとんどのDPE(写真屋さん)は店内での現像を断るので、Kodak(KJイメージング)に外注しているお店(ビックカメラとかヨドバシ)に出さないと現像できないと思った方がよいでしょう。
 本来はシネマ用のECN-2で現像するISO250相当の感度フイルムですが、C-41でクロスプロセスで現像することで感度が1段程度上がるそうです。
 難点はクロスプロセスゆえに「発色が安定しない」と云われているのと、静電気防止機能のあるレムジェット層をはがしてしまっているため、とくにモータードライブを使うと静電気に反応して縦線の光が入ったようなカブりが発生しやすいです。
・Fuji PREMIUM400 1980円
 いまのところ廃番ではありませんが、材料不足で品薄のようです。
・Fuji 400(2024年4月国内発売) 1860円
 紛らわしいので記事内ではFuji令和400とでも呼びましょうか。フジの発表によると海外向けだったものを国内に流通させるようにしたものとのこと。そこらのオタク(twitterとか)の見立てでは発色をフジのそれに寄せてはいるものの、パッケージや匂い(曰くフジのフイルムは特有の"ゲ〇臭さ"があるのにそれがないとか)からするにKodakのOEMだろうとのこと。

とったもの
〇露出補正なしで一覧
今回は色味をみるために撮っていたのでシャープさはあまり気にしないでください。絞り込んで撮るからいいやとラフに撮ってたので単純にピンボケかもしれないからです。

リバーサルはKodak E100が一番青くて、Provia100Fが一番黄色くて、Marix Reversal100Dがその中間といったところでしょうか?発色の穏やかさの感じはProvia100Fに近いように感じます。E100は今はなき外式カラーリバーサルコダクロームの色味(コダックブルーと云われたとか)を再現するためだけに開発されたとかだった気がするのでそりゃ青いわけです。
Marix Reversal100D(kodak5294)はシネマフイルム詰め替えとはいえもともとE-6のシネマフイルムをスチルのE-6で現像してるのでへんな色になる理由がありません。むしろほかの2本に比べてシャドウがどかんと沈んだり発色が強すぎないのでむしろ使いやすいと思います。
意外だったのがこうやって並べてみるとProvia100Fが「変な色をしてる気がする(主観」ということです。まぁ単品で見たときにきになるものではないですし、今回はKodakでE-6現像してもらったのでフジ純正のCR-56現像をしないと本来の色が出ないだけかもしれません。

ネガはMarix400Dがいわゆる「フイルムで撮りました」感のあるオレンジベースカブリっぽい色味になってると思います。が、噂に聞くほど暴れ馬ではないですね。ただ、下にトリミング前のを貼っていますが噂通り静電気カブリが出やすいので、電動で巻き上げるカメラやワインダーは避けられるならば避けた方がいいでしょう。それ以外のpremium 400と令和400は、普段使いしていたX-TRA400で見慣れた色をしている気がしますし、下調べしたてときに聞いたほどpremium400と令和400に差異がありません。
とはいえネガの場合は適正露出かそれよりオーバー目に光を当てれば発色が良くなり特徴が薄くなる(スキャナの補正しやすい)一方で夜間や室内でやむなくアンダーで撮ったりするとスキャナで補正しきれなくなって、強烈に個性が出るようになります。たとえばFuji C200は緑が特徴的と言われますが、アンダーで撮るとまぁまぁ緑が主張します。ですので、夜景の撮り比べをやれば差異がわかりやすいかもしれません。

〇MARIX reversal100D
ごめんなさい。マリックスリバーサルはミスで露出補正-1、-2の写真が撮れていません。装填不良っぽい感触だったので詰めなおしてやり直したんですが、実はちゃんと撮れていて、アンダーで撮った条件ものは多重露光になって使えなくなってしまいました。

画像なし:MARIX reversal100D(kodak5294) 露出補正-2 (E-6, +2push) (NOT CrossProcess)
画像なし:MARIX reversal100D(kodak5294) 露出補正-1 (E-6, +2push) (NOT CrossProcess)

MARIX reversal100D(kodak5294) 露出補正±0 (E-6, +2push) (NOT CrossProcess)
MARIX reversal100D(kodak5294) 露出補正+1 (E-6, +2push) (NOT CrossProcess)
MARIX reversal100D(kodak5294) 露出補正+2 (E-6, +2push) (NOT CrossProcess)

〇Fuji Provia100F

Fuji Provia100F 露出補正-2 (E-6, +2push)
Fuji Provia100F 露出補正-1 (E-6, +2push)
Fuji Provia100F 露出補正±0 (E-6, +2push)
Fuji Provia100F 露出補正+1 (E-6, +2push)
Fuji Provia100F 露出補正+2 (E-6, +2push)

〇Kodak E100

Kodak E100 露出補正-2 (E-6, +2push)
Kodak E100 露出補正-1 (E-6, +2push)
Kodak E100 露出補正±0 (E-6, +2push)
Kodak E100 露出補正+1 (E-6, +2push)
Kodak E100 露出補正+2 (E-6, +2push)

このあとはネガフイルムの画像になりますが、多少の露出差は補正されるスキャン後はもちろんネガを直接みてもオーバーで撮ったやつかアンダーで撮ったやつか濃度差が微妙すぎてよくわかりません。
ネガをじっくり見て確認したつもりですけど間違ってたらごめんなさい。

〇Marix 400D
ワインダー2を使って撮ったせいか静電気由来らしきカブリがでています。強いカブリがあるものはスキャン時の色補正に強く影響が出たので、カブリが少ないものを選びました。
色が暴れるとのことでしたが、思ったより普通に写ります。まぁ「暴れる」なので次回もこの色が出る保証もなさそうではありますが。

MARIX 400D(vison3 250D レムジェット層除去) 露出補正-2 (C-41, CrossProcess)
MARIX 400D(vison3 250D レムジェット層除去) 露出補正-1 (C-41, CrossProcess)
MARIX 400D(vison3 250D レムジェット層除去) 露出補正±0 (C-41, CrossProcess)
MARIX 400D(vison3 250D レムジェット層除去) 露出補正+1 (C-41, CrossProcess)
MARIX 400D(vison3 250D レムジェット層除去) 露出補正+2 (C-41, CrossProcess)

〇Fuji PREMIUM400

Fuji PREMIUM400 露出補正-2 (C-41)
Fuji PREMIUM400 露出補正-1 (C-41)
Fuji PREMIUM400 露出補正±0 (C-41)
Fuji PREMIUM400 露出補正+1 (C-41)
Fuji PREMIUM400 露出補正+2 (C-41)

〇Fuj 400(令和400)

Fuji 400 露出補正-2(C-41)
Fuji 400 露出補正-1(C-41)
Fuji 400 露出補正±0(C-41)
Fuji 400 露出補正+1(C-41)
Fuji 400 露出補正+2(C-41)

以下おきもち

ライカが1930年前後にフイルム代をケチるためだったか違ったかのを始まりに、映画用35mmフイルムをスチルカメラに詰めるのがデファクトスタンダードになっておよそ100年の2024年現在。
スチルカメラ用フイルムの衰退、高騰、あるいはフイルムに対するローレゾ主義からなのか映画用フイルムを詰めなおして写真を撮る先祖返りが少なくとも一部で流行っているようです。
それを一般のDPE(いわゆる写真屋さん)に出して現像用の機械を壊したり、そういうリスク(レムジェット層を除去しきれていない)のあるフイルムを詰めた使い捨てカメラをドンキが無責任に売り始めたり。
(紹介したMarixは販売しているいずれのフイルムもフイルムの仕入れからユーザーに渡ったあとの現像まで責任をもってKodakと契約を取り交わしているとのことで、ヨドバシカメラやビックカメラに出せばKodak(KJイメージング)できちんと現像してもらえます)

とはいえ、これらのフイルムに限りませんが「どんな感じで映るのか?」という話になるとほとんどが「青っぽい」、「黄色い」、「色が変」、「ざらつく」などもやっとした評価がほとんどで、画像があっても撮影条件や対象がばらばらなことがほとんどかと思います。
んじゃぁ実際どうなんということで、ほぼ自分用にカラーチャートを撮って取り比べをしました。
正直私が撮ったものも条件がそろえ切れているかというと怪しいところですし、「リバーサルの作例が増感したのしかない」のは残念なところだとは思います。だって実際撮るのを考えるとISO400ないとつらいんだもん。

上でも書きましたがMarixリバーサル100Dは変な色になる理由がありませんし、実際写りも素直です。しかも安い。リバーサルで撮るときは基本Provia 100Fばかりつかうんですが、ウクライナ戦争勃発以降はそもそも店頭に置いていないのでE100も時々使っていましたがまぁ高い。Marixリバーサルが安くて入手できて写りが普通の3点そろった普通のフイルムと発見できたのは大変よい収穫でした。
私はX-TRA400を、かつては同等品の業務用400がやすから、業務用400が廃番になったあとも、とりあえずこれ突っ込んどけば困ったことがないし、色も結構すきだからという理由で愛用していました。きっとフジフロンティア(現像したりスキャンしたりプリントする機械)が補正した色が好みなだけのような気もしますが。
X-TRA400、いったん2018年に廃番になっているんですが、2022年にしれっと海外パッケージで復活したんですよね。なのであと10年ぐらいは使い倒すつもりでいました。ところが今年2024年に二度目の死を迎え、フジ令和400はKodakOEMだしフジに寄せてはいるけど少なくともX-TRAぽくねぇとのことなので、んじゃぁMarixか自分で詰めて自家現像なりでシネマフイルム詰め替えフイルムでやっていこうかしら、とまずは判断材料に撮り比べをやったわけです。
ヨドバシでフイルム買うとき、ヨドバシで現像のアガリをもらうとき、の2回の支払いの両方で(ポイント率が現金と同じ)suicaのチャージ限界2万円超えるか超えないかの料金をお試しごときに燃やし尽くす行為だったのでもう二度とやりたくないです。
いままでカラーフイルムはX-TRA400をしこたま使ってきましたがそやつは二度目の死を迎えてしまったので、Marixリバーサル100D今後はこれを使っていくことにします。
ただ、Marixのフイルムの現像は外注になりますしデジタイズもお願いする場合はわりかし長納期になります。4月29日に撮ってそのままヨドバシに投げ込んだんですけど、KJ現像→Fuji StorageDVDでデジタイズ でお願いしたら、GWはさんだのもあって受け取りが5月末になりました。


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