意図しない面白さ。フリースタイルを楽しむ。
仕事をする上で、お客さまの意図を汲み取ることはとても大切なことだ。
お客さまが何を望んでいるか。
どうしたら満足していただけるか。
そこを満たすから、満たしてくれるとお客さまが思うから、対価を支払い、ビジネスが成立する。
一方で、私もよくしてしまう失敗の一つなのだが、「お客様の望み」をこちら側が意識しすぎると、成果物のクオリティが下がるような気がしている。
例えばわたしのインタビューの場合。
お客様が望むことを「聞きだそう」というところに意識が行き過ぎると、質問が単調になり、質問を「考えて捻り出す」パターンになる。
作って行ったレジュメにのっとった、当たり障りのないインタビューで終わってしまうのだ。
そうなると、私がインタビューや対話で最も面白い、と感じる「その場でしか味わえない化学反応」が薄くなってしまう。
インタビューする前の事前準備が不要、と言っているわけではない。
インタビューにおいて「準備は大切です」と、どのノウハウ本にも書いてある。
私も、その方を経歴を調べ、簡単な年表を作ったりする場合もある。
限られた時間の中で「話を聞く」という制限がある以上、ある程度のポイントをあらかじめ絞ることが大切なのは、よくわかる。
しかし、そこを意図しすぎると、実はそれ以外に隠れたツボがたくさんあることを、キャッチするアンテナが鈍くなってしまうような気がするのだ。
振り返ってみると、自分が楽しかった、と思えるインタビューや、アウトプットをお客様に喜んでいただいたインタビューは、私の中で「その場の流れに身を任せたフリースタイル」で、終始臨んだインタビューが多いように思う。
そしてこれは仕事だけではなく、物事に対する考え方、ライフスタイル全般にも言えることなのかもしれないな、とも思ったり。
何事も「基盤」は必要。
でも、実際に行動に移すときは、その「基盤」はもう体に染み込んでいる前提で、自分のアンテナを全開にして相手と向き合い、全力で楽しむこと。
これが、結果的によいアウトプットや気づきを生み出す秘訣なのかもしれない。