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西粟倉村の挑戦!エネルギーの地産地消が創る持続可能な未来がある。


西粟倉村の挑戦!地域経済を守る“エネルギーの地産地消”とその可能性


岡山県の西粟倉村。この村の名前を聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、この小さな村が、持続可能なエネルギー供給と地域経済の活性化を同時に実現しようとする大胆な挑戦を行っていることは、注目に値します。西粟倉村の取り組みは、まさに日本における新しいエネルギーモデルとなり得る事例であり、地域社会が未来に向けてどのように発展していくべきかを考える上で、多くの示唆を与えてくれます。

1. 自然資源を最大限に活用するエネルギーの自給自足

西粟倉村は、周囲を豊かな森林に囲まれた山間の村です。ここでは、自然資源を最大限に活用し、電力の100%自給を目指しています。特に注目すべきは、水力発電、バイオマス発電、太陽光発電の3つの再生可能エネルギーを組み合わせることで、持続可能なエネルギー供給を実現しようとしている点です。

まず、水力発電についてですが、西粟倉村は山々から湧き出る清らかな水を利用して、小規模な水力発電を行っています。この発電方法は、自然環境に負荷をかけずに電力を生み出すことができるため、持続可能なエネルギーの代表格といえます。発電に使用された水は、再び元の川へと戻されるため、CO2を一切排出しないクリーンなエネルギーです。

次に、村の面積の9割以上を占める森林資源を活用したバイオマス発電です。西粟倉村では、間伐材や市場価値の低い木材を細かく粉砕し、チップ状にしてバイオマス燃料として利用しています。この燃料は、村内の温浴施設などで利用される熱エネルギーを供給するとともに、バイオマス発電にも活用されており、村の電力の約6割を賄っています。

さらに、西粟倉村は2023年に地域の新たな電力会社「西粟倉百年の森林でんき」を設立しました。この会社は、水力発電とバイオマス発電に加えて、太陽光発電の導入を進めています。太陽光パネルは、村の自然環境を壊さないように配慮し、公共施設の屋根などに設置されています。こうして、西粟倉村は地域の自然資源を最大限に活用しながら、電力の100%自給を実現しようとしています。

2. エネルギーの地産地消が地域経済を守る

エネルギーの自給自足がなぜ地域経済を守るのか。それは、地域内で生み出されたエネルギーを地域内で消費する「エネルギーの地産地消」によって、地域外への資金流出を防ぐことができるからです。化石燃料に依存する発電方法では、燃料費が地域外、さらには海外に流出してしまうため、地域経済の活性化には寄与しません。

一方、西粟倉村のように、地域内でエネルギーを生産し、それを地域内で消費するモデルは、地域内で資金を循環させることができるため、地域経済の強化につながります。また、エネルギーの自給自足は、地域の雇用創出にも貢献します。例えば、バイオマス発電に必要な木材の収集や加工、発電施設の運営・保守など、多くの労働が必要となり、これにより地域内での雇用が生まれます。

3. 水・木・太陽の調和がもたらす持続可能な未来

西粟倉村の取り組みの核心にあるのは、「水・木・太陽」という自然の資源をどのように調和させ、持続可能なエネルギー供給を実現するかという点です。村は、自然環境を守りながら再生可能エネルギーを利用することに強いこだわりを持っています。

例えば、太陽光発電の導入においても、森を破壊してパネルを設置するのではなく、既存の公共施設の屋根を利用するなど、自然との調和を大切にしています。このような配慮がなければ、再生可能エネルギーを利用しているつもりが、かえって環境を破壊してしまう結果になりかねません。

西粟倉村の挑戦は、単にエネルギー自給を目指すだけでなく、自然との共生を重視している点で、他の地域にも多くの示唆を与えています。エネルギー問題が深刻化する中で、このような取り組みは、日本全体、さらには世界においても重要なモデルケースとなり得るでしょう。

4. 地域の未来を切り開く西粟倉村のビジョン

西粟倉村が目指しているのは、単なるエネルギー自給ではなく、持続可能な地域社会の構築です。エネルギーの地産地消を通じて地域経済を守り、雇用を生み出し、地域に根ざした生活を続けることができる社会を目指しています。これは、過疎化や人口減少に直面する多くの地方にとって、非常に重要な視点です。

コミュニティデザイナーの山崎亮さんは、この挑戦について、「人の生活と自然と共存する形で折り合いをつけながらやっていくことが重要」と述べています。自然との調和を図りながら、正しい方法で経済を循環させていくことが、持続可能な未来を築く鍵となります。

5. 西粟倉村の挑戦から学ぶこと

西粟倉村の取り組みは、地方の未来を考える上で多くの示唆を与えます。地域資源を活用し、エネルギーの地産地消を進めることで、地域経済を活性化し、持続可能な社会を実現する可能性を示しています。また、自然との調和を重視する姿勢は、今後のエネルギー政策においても重要な指針となるでしょう。

西粟倉村の挑戦は、50年後、100年後の未来に向けた一歩です。この取り組みが成功し、他の地域にも広がっていくことで、日本全体が持続可能なエネルギー社会に向かって進んでいくことを期待したいと思います。

エネルギーの地産地消は、地域経済を守り、未来を創る力を持っています。西粟倉村が示す新しいモデルは、私たちが直面する多くの課題に対する答えの一つであり、その挑戦から多くのことを学び、未来に向けた行動を起こしていくことが必要です。
#エネルギー自給 #地域活性化 #持続可能な社会 #再生可能エネルギー #地方創生

「Live News α」8月15日放送分より
地域経済を守る“エネルギーの地産地消” 「水・木・太陽」の調和で電力100%自給を目指す小さな村の大きな挑戦 岡山・西粟倉村 https://www.fnn.jp/articles/-/744258

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