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プライベートワーク"忘れないプロジェクト3.11” 制作インタビュー

こんにちは!株式会社パズルの広報竹村です!
先日、パズルのプライベートワーク"忘れないプロジェクト3.11”(以下「3.11」)の2023年版が公開されました。

昨年の制作レポートはこちら
代表岡田による「3.11」への想いはこちらをご覧ください。

プロジェクトの内容としては、東日本大震災で被害に遭った東北を毎年訪れ、定点撮影し、街が復興していく様子をWebサイトで紹介しています。
震災が起きた時に、パズルとして無理なくできることを考えた結果、この"忘れないプロジェクト3.11”が始まりました。

2012年から始めたこのプロジェクトも今年で12年目。
パズル社員であればどの職種でも参加できるプライベートワークですが、今年は、入社1~3年目を中心に制作しました。今回は、リーダーを務めた2人に話を聞いていきたいと思います。

Profile
左:坂本 祥一(さかもと しょういち)
プロダクション・マネージャー
大阪府出身 2022年パズルへ新卒入社

右:伊藤 啓弘(いとう たかひろ)
プロダクション・マネージャー
宮城県出身 2021年パズルへ新卒入社

ーどうして「3.11」に参加しようと思ったんですか?

坂本:僕は今回で2回目の参加です。1回目は入社1年目でコロナ禍も重なり、遠征して撮影するという経験がなかったので、参加してみたいと思いました。今年は去年の経験を活かして、役に立てたらなと思って志願しました。

伊藤:僕も参加は2回目で、去年が初めてでした。単純に自分でカメラ持って撮影することが楽しかったのもありますし、前回は編集まで携われなかったので、今回は最初から最後まで関わりたいなと思って参加しました。

「3.11」 制作フロー

ー改めて「3.11」の制作フローを教えてください。

坂本:まず最初に、ディレクター・プロデューサーの高井さんと、伊藤さん、僕で、どのメンバーでやるのか?いつ撮影に行くのか?を決めていきました。毎年6-7月に撮影に行くので梅雨の時期と被ることもあり、天候の判断が難しかったですね。(笑)
毎日、東北の天気予報を確認し、雨にならないよう撮影予定日を決めました。

伊藤:それと同時に、今年は撮影場所の検討もしました。毎年同じ場所を定点撮影することで復興の様子を届けてきましたが、この10年で復興してきているので、今年は追加で新たに撮影できる場所がないか探しました。

坂本:今回、参加したエンジニアの竹渕さんが福島出身ということもあり、「最近、避難区域から解除された場所があるから撮影してみないか?」と提案してもらって、新しいスポットを選定しました。

伊藤:事前にロケハンに行けなかったので、Google Mapでひたすら場所を探しましたね。ストリートビューで良い高台を探すのが大変でした(笑)

坂本:撮影日が決まったらホテルや車両の手配などの撮影準備をし、撮影、素材整理、編集、Webサイトの更新作業を経て公開に至りました。

伊藤:実はプロジェクトを始めるに当たって去年、先輩たちが撮影・編集を行ったデータを見て、それをベースに進めようと思ったのですが、データがさっぱりわからない状態になっていて…(笑)
毎年継続していくプロジェクトなので、ルール作りを徹底しようと決めました。

坂本:事前準備を入念に行い、フォルダ分けのルール確認や、シミュレーションをした上で臨んだので、撮影後のフローをスムーズに行うことができました。また、長年更新していなかったカメラ情報をまとめた資料を来年度から一新するために、正確なカメラ情報を記録することを徹底しました。クライアントワークの仕事でも同じですが、誰が見てもわかるようなフォルダ作り、資料作りをチームでできたなと思います。


ー撮影前にカメラのセッティングのシミュレーションをしていたのが印象的だったのですが、何をやっていたんですか?

伊藤:去年まで使用していたカメラが古過ぎてレンタルできなくなってしまって、最新のカメラで撮影した時に、これまで撮影していたカメラとどれぐらい差が出るのか?検証していました。

坂本:去年も撮影現場に出てから調子の悪くなったカメラがあったので、そこは入念にやりましたね。

伊藤:「3.11」の映像は静止画を一定の間隔で連続撮影したものを繋いでタイムラプスにしているんです。その素材整理が大変なのですが、毎年撮影と並行してやっていて、取り込みやプレビューするまでが不安だったので、撮影の検証と同時にプレビュー作業の検証もいました。


ー実際、撮影は想定通りに進めることは出来ましたか?

伊藤:今回は撮影メンバーに新卒1年目が多かったので、少し余裕をみたスケジュールを組みました。結局初日に雨が降ってしまって、香盤通りにいけなかった部分もあるんですが、撮影スポットが多い中、香盤通りに進められるよう、常に「あと●分」という声がけを徹底しました。

坂本:4日間の撮影だったんですけど、先ほども言ったように初日は雨だったので、元々予定していた2スポットは諦めて、新規撮影スポットにじっくり時間をかけることにしました。

撮影初日の様子 (福島県 双葉郡)

坂本:二日目は宮城県の松島から撮影スタートしたんですが、機材を持って山を登らないといけなかったので大変でしたね。

機材を持って山を登っている様子 (宮城県松島町)
撮影風景 (宮城県松島町)

伊藤:ただ、二日目になってくると、みんなだいぶ慣れてきて、トラブルもなくスムーズにできました。
三日目は撮影メンバーが入れ替わるタイミングで、岩手県の陸前高田で手間取ってしまったのですが…。

坂本:ちょうど高田松原津波復興祈念公園で全国植樹祭というイベントがあり、天皇陛下がいらっしゃっていたんです。式典が執り行われていたので、警察や報道陣がたくさんいて、その報道陣の方達と並んで撮影をしていました。(笑)

伊藤:気仙沼では、年々木々が生い茂っていく撮影場所があって、今年もどうやったら同ポジで撮影ができるか格闘したりしていました。(笑)
この日は撮影スポットも多くて、素材整理がとても大変でした。。。

坂本:撮影自体はスムーズでしたね。本当にデータ整理だけが大変でした。。。

撮影現場で素材整理している様子

伊藤:最終日は先輩である高井さんが、来年行かなくても済むように、全て僕と坂本くんでアングルを切って撮影しました。編集で見てみたら先輩が撮影したものと圧倒的な差を感じて、クオリティ面ももっと見れるようになりたいなと思いました。
 今回分担をきちんと決めておいたので、お金の管理、データ取り込み、バックアップ、記録などそれぞれ効率よく進めることができました。特に予算通りに行えたことが個人的に嬉しかったです!

マニュアルを見ながら同ポジ撮影をしている様子 (岩手県 大船渡市)

ー他に、印象的だったことはありますか?

坂本:今年は「3.11」のプロジェクトのパンフレットを持参したので、現地の方々に配って交流することができました。
宮城県石巻市にある日和山公園で撮影していた時に、現地の方が石碑について説明してくださって「ここは昔、伊達政宗が築いた場所で、そのお陰で津波もここまでこなかった」という話を聞かせてもらったりしました。現地を見ながら、当時の様子を聞けるという経験は中々ないので、良い経験になったなと思っています。

伊藤:あとは、ごはんが本当にどこもおいしくて、牛タンや松島で食べた海鮮が最高でした!(笑)

松島での食事風景


ー去年、私も参加して印象的だったのが撮影後、毎日ホテルでプレビューチェックをしていたことでした。今回も、夜遅くまでプレビューして反省会をしていたんですか?

伊藤:今回はそこを効率よくできるよう、移動中に素材を取り込み、整理していたので、夕食の前にプレビューを済ませることができました。そのお陰で、去年より睡眠時間もうまく確保できたかなと思います。(笑)

坂本:たしかに。そこは僕と伊藤さんで上手く連携が取れていたことで、できたことだなと思います。

ー編集作業はどうでしたか?

坂本:去年かなり時間がかかってしまったことを反省し、今年は素材整理を現場中にやることで効率化しました。手間取らず、帰ってきてすぐに分担して編集作業に取り掛かることができましたね。

伊藤:作業自体は上手く分担できたのですが、クオリティの詰めが甘くて、何度も修正も必要になってしまったので、クオリティ面まで見れるようになることが次の課題だなと思っています。

編集チェックの様子

ー編集後、WebサイトにアップするためのJSONによる更新作業についてはどうですか?

伊藤:更新作業についても、社内のエンジニアに協力してもらって仕組みを一新しました。これまでエンジニアにお願いしないと出来ない作業だったのですが、Git Hubを使用して誰でも更新ができるようにしてもらいました。エンジニアの竹渕が撮影にも参加していたので、撮影前から更新作業を見据えたファイル名の規則を決めることができて、スムーズに行えました。

坂本:GitHubで管理することで、同時に複数人作業することが可能になり、かなり時間を短縮して作業することができました。

ー全体を通して、効率的に社内のエンジニアとの連携をとって、無駄なく制作できたことがよく伝わってきました!

そんな中、今年の見どころはありますか?

伊藤:今年初めて撮影した、避難指示が解除されたばかりの福島県双葉郡ですかね。行ったことのない地域かつ、雨の中の撮影で大変でしたが、まだ復興に至ってない地域があるということを知ってもらえるきっかけになると良いなと思います。

坂本:遠目に見える建物もよくよく見ると、倒壊したままになっていたりするので、細かいところまでよく見てもらえるといろんな発見があるかなと思います。これから年月をかけて、まだ復興していない地域の様子もお届けできると良いなと思っています。

ー今回、リーダーを務めてみてどうでしたか?

坂本:去年は、言われたことをただ一生懸命やるだけで終わってしまったのですが、今年は圧倒的に頭を使うことが多かったですね。1年目の後輩たちが、フィジカルで大変なところを頑張ってくれたので、僕はどうしたら撮影やその後の流れが効率よくなるかを考え、来年に向けて誰もがわかりやすい資料作り、ルール作りに専念できたことが大きかったです。それは撮影中も同じで、素材の取り込み作業もしつつ、どうしたら撮影を効率よく終えられるかを常に考えていました。

伊藤:10年目の高井さんを除くと、僕は最年長になるので、リーダーとして全体の予算のことを考えたり、ルール作りなど、責任者としての自覚を持って参加できました。

坂本:一つ上の伊藤さんと一緒にリーダーを務めたことで、僕一人じゃ不安なところも伊藤さんと相談しながら進められました。とても頼りになりましたね。

伊藤:他にも今年はルール作りと共に、みんなで共通認識をもつために、全てのやり取りを全員が見られるよう、メッセージグループを作りました。そうすることで、細かいやりとりも記録として残るので、後から見返すことができるし、来年にも活かせるものにもなってよかったなと思っています。

坂本:今回は先輩が来てくれたので甘えてしまった部分もありますが、来年は自分達だけで、全てできるようになってると良いなと思います。

ー最後に来年に向けての抱負をお願いします。

坂本:今年総がかりでやった資料作成と、データなどが間違っていなければ、来年は全てのフローがスムーズにいくはずなので、今年行ったことの答え合わせとして来年の制作時に成果が見えるかなと思っています。それが楽しみですね。

伊藤:今年は本当に1日目に雨が降った以外は割とスムーズにできたので、クオリティ面を上げていくことを目標にしていきたいなと思っています。

このようにしてつくりあげた"忘れないプロジェクト3.11"、是非ご覧ください!

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