川島千晶

設計室ちあき 川島千晶の日々のよもやま website: https://chia-ki.net   instagram: @puutalo_chiaki

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その名にちなんで

毎日の朝ごはん。使う皿はいつもこれ。 ニュージーランド、Crown Lynnのlandscape。 10年ちょっと前に東京蚤の市で買い求めたもの。 その名の通り、ニュージーランドの大地から影響を受けたのだろうか。 とても気に入っている。 秋の彼岸の週末は父の命日でもある。 女王の葬儀の映像を見ながら、そういえば父が最期に見たオリンピックはロンドンだったな、などと思い出した。   私に千晶という名前を付けたのは父である。 フィンランド語には「チ」の音がないので、フィンランドの

    • エッセイ:15分

      世の皆さんは15分あったら何をなさるのでしょうか。 私はなんにもできません。何もしないでぼ~っとする方がじょうずです。 とても久しぶりに朝ドラを見ている。 今回は連れ合いの故郷の島が舞台。自分の故郷ではないけれど、3年帰れずにいる島の言葉や景色にふれて、初回から視界が揺らいだ。 それにしても、15分にいろんな感情やできごとを織り込んで、半年かけて一つの物語にまとめて世の批評にも向き合っていくことは、私が想像するよりも、もっとずっと大変なことなのだろう。 私はと言えば、15

      • ずぼらなマーマレードと帰省

        年末の大掃除は長年やっていない。 のんびりしたいから、面倒くさいから、が半分。 残り半分の理由は、年明けに手に入る ”みかん水” だ。 正月に帰省すると、父の墓参りに行ってから庭のみかんを収穫するのが習慣になっている。 実家は父が定年退職後に中古で購入した家で、木を植えたのは前の住人である。なので、種類はよくわからない。いよかんか甘夏、酸味が強いので甘夏ではないかと思っている。 表年と裏年はあるけれど、少ない年でも15個くらい。電車で持ち帰るのは重たいので母に送ってもらい、

        • 苺より杏

               ショートケーキの苺よりも峠の釜めしの杏が好きだ。      最後まで取っておいて、だいじに、だいじに食べる。 昨日は久方ぶりの出張で軽井沢へ。 軽井沢は、ひよっこ駆け出しだった私を育ててくれた場所で、足掛け6年通ったことになる。 当時は、この釜めしをひとり暮らしのアパートに持ち帰って食べ、空いた釜で次の日からのごはんを炊くのが楽しみだった。 何度かやっているうちに、どうやら、4回目あたりでひびがまわって、ぱかっとふたつに割れる法則が見えてきた。 底にひびが入り始

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        その名にちなんで

          庭の木々の手入れとお弁当

          朝から窓の外で軽やかな鋏の音が聞こえている。 今年はお昼とおやつをどうしようか。 数日前から頭のすみっこでぐるぐると考え続けて、 お弁当を作ってめいめいに食べることにした。 そう決めてはみたものの、作る前は思いあぐねていた。 この1年あまりというもの、連れ合いだけが私の料理を食べているので、 自分の作るものの味が客観的にわからない。 料理をする時にマスクはするとして、手袋もしたほうがいいんだろうか、 少なくとも生野菜や果物は手で触らないようにしよう、とか、 そもそも作らない

          庭の木々の手入れとお弁当

          うちの雑煮

          8年ぶりに雑煮を作った。 父が亡くなってからは、実家へ帰って、墓参りをして雑煮を食べていた。 この年末年始は、連れ合いも私も仕事の手を動かしている。 忙しいのではなく仕事の流れと暦がかみあわないだけで、自由業同士の夫婦の暮らしはいつもこんな風。 大掃除は年度末か一つの家づくりが終わった時にやることにしていて、 年末はいつもなら30日あたりから年賀状を書く。 その数少ない年末行事をさぼったので、ますます暦から遠ざかっている。 少しはお正月らしく、せめて雑煮は作ろう。 どんこ

          うちの雑煮

          不思議な客

          土曜日の昼下がりのこと。 私は2階の西側のすみっこで本を読んでいた。 顔を上げれば、ジューンベリーの赤い実をついばむ鳥を見られる。 この季節の気に入りの場所だ。 おととしはネパール、去年はフィンランドにいて、 この景色を眺めることも、梅を漬けることもなかった。 乗るはずだった飛行機は欠航になり、まだ世界は不確かな波の中だ。 久しぶりに家で過ごしている。 音だったのか、光だったのか、きっかけを覚えていないのだけれど、顔を上げて外を見た。 風があって、幹の細いジューンベリーの

          不思議な客