0101 聖エルマンノ・オルミ監督『木靴の樹』聖地巡礼
2019年11月3日(日)にイタリアのロンバルディア州ベルガモ県で聖エルマンノ・オルミ監督の『木靴の樹』(L'Albero degli zoccoli)の聖地巡礼をしてきました。
聖エルマンノ・オルミは当該の『木靴の樹』で1978年第31回カンヌ映画祭パルムドールと『聖なる酔っぱらいの伝説』で1988年第45回ヴェネチア金獅子賞にて列聖。
なお、第31回カンヌ映画祭のコンペティションのエントリー作品は『愛の亡霊』(大島渚※監督賞)、『バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢』(聖マルコ・フェレ―リ※審査員特別グランプリ)、『ザ・シャウト/さまよえる幻響』(聖イエジー・スコリモフスキ※審査員特別グランプリ)『帰郷』(ハル・アシュビー※男優賞)、『結婚しない女』(ポール・マザースキー※女優賞)、『デスペア 光明への旅』(聖ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー)、『青春のくずや〜おはらい』(聖ナンニ・モレッティ)、『プリティ・ベビー』(聖ルイ・マル)、『女の叫び』(ジュールズ・ダッシン)、『ミッドナイト・エクスプレス』(アラン・パーカー)、他にも聖クロード・シャブロル、聖クシシュトフ・ザヌーシ、聖カルロス・サウラ作品も…。
19世紀末の北イタリア、ロンバルディア地方ベルガモの農園で地主のために働く4家族。バティスティ(演:ルイジ・オルナギ)とバティスティーナ(演:フランチェスカ・モリッジ)夫婦の子供ミネク(演:オマール・ブリニョーリ)は頭がいいのを神父に認められて往復12㎞の小学校へ農園から通うことになる。
夫に先立たれてたルンクの後家さん(演:テレサ・ブレシアニーニ)は子沢山で6人もの子を抱え、雪降る冬の日も川で洗濯をして食い扶持を稼ぐ。財産は1頭の牛だけ。末娘のベッティーナ(演:マリア・グラツィア・カロリ)を可愛がるアンセルモ爺さん(演:ジュゼッペ・ブリニョーリ)には、誰よりも早くトマトをつくる秘訣がある、
フィナール(演:バッティスタ・トレヴァイニ)は妻のフィナルダ(演:ジュゼッピーナ・サンガレッティ)さえ呆れるほどのけちん坊だ。息子のウスティ(演:フェリーチェ・チェルヴィ)と取っ組み合いの喧嘩をするのはいつものことだし、馬に文句を言って馬から逆襲される。
ブレナ夫妻(演:ジャコモ・カヴァッレリ&ロレンツァ・フリジェーニ)の娘マッダレーナ(演:ルチア・ペッツォーリ)は心優しく美しい。別の農園に住む青年ステファノ(演:フランコピレンガ)はマッダレーナを愛している。大事な求婚の言葉さえ、不器用にしか言えない。
学校帰りのミネクの木靴が割れる。夜、ミネクの木靴をつくるためにポプラの樹を伐る父バティスティ…。そのポプラもまた地主のものだった…。
という訳でまずは、タイトルが出てくる前の導入部で、バティスティとバティスティーナがミネクを小学校に行かせるべきかを神父に相談する場面で登場するベルガモ県チヴィダーテ・アル・ピアノにあるサン・ニコロ教会。
Chiesa di San Nicolò (Cividate al Piano) - Wikipedia
続いて、タイトル登場の背景となる鐘楼の尖塔が目立つ教会は方角的にベルガモ県チヴィダーテ・アル・ピアノのベアタ・ヴェルジーネ・デイ・カンピヴェリの聖域 Santuario Beata Vergine dei Campiveri です。ここはメインのロケ地となった農園ロケ地と畑や畦道を挟んだ反対側に位置していました。
フランス映画社での岩波ホールでの初公開時とシャンテ・シネ2でのリバイバル時も小笠原正勝氏によるポスターのメインの画像でピックアップされていた場所(但し初公開版ポスターの教会は裏焼!)です。私にとっての『木靴の樹』聖地の総本山はここ!
映画本篇で4つの家族が暮らすボロい農家は、ベルガモ県パロスコのロッジア・サーレ農場 Roggia Sale 。残念ながら撮影当時の農家は解体されて今風の農家に建て替えられています。
結婚式のシーンでチヴィダーテ・アル・ピアノのサン・ニコロ教会が再度登場。
映画のラストでミネクの木靴をつくるために地主のポプラを伐ったバティスティの一家は農家を追われます。
©2019 プッチー・ミンミン
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