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0153 マーティン・キャンベル監督『007 ゴールデンアイ』聖地巡礼
1991年8月19日(金)にソヴィエト社会主義共和国連邦(現ロシア)のレニングラード(現サンクトペテルブルク)で、2024年8月9日(金)と1日空けた11日(日)と同年9月21日(土)にイングランドのロンドンでマーティン・キャンベル監督『007 ゴールデンアイ』(GoldenEye)の聖地巡礼をしてきました。
当作品は007シリーズの17作目。5代目ボンドのピアース・ブロスナンの1作目にして007シリーズ初の旧ソ連(それもロシア)領内で撮影された画期的な作品です。
という訳で今回のロケ地は、プエルトリコにモナコのモンテカルロにフランスとロシア更にスイス。イングランドもあるんですけど…。
1986年、MI6のエージェント007ジェームズ・ボンド(演:ピアーズ・ブロスナン)と006アレック・トレヴェルヤン(演:ショーン・ビーン)は、ソ連アルハンゲリスクの化学兵器施設に潜入するもののアレックが施設の指揮官アルカディ・グリゴロヴィッチ・ウルモフ大佐(演:ゴットフリード・ジョン)に捕まり、撃たれてしまう。ボンドはやむなくアレックを見捨てて施設を破壊し、盗んだ飛行機で脱出し任務を達成する。
9年後、ソ連崩壊後、モナコに現われた国際犯罪組織ヤヌスのメンバーゼニア・オナトップ(演:ファムケ・ヤンセン)が将軍となっていたウルモフと手を組み、ソ連時代に作られた衛星システムを利用した秘密兵器・ゴールデンアイを奪取する。新任のM(演:ジュディ・デンチ)は、事件の真相を探らせるべくロシアへボンドを派遣する。
サンクトペテルブルクでボンドを待っていたのは、ヤヌスの首領となっていたアレックだった。彼の両親は自死を選んだリエンツ・コサック Lienz Cossacks (ロシア革命期は白軍側に付き、スターリン共産政権下では迫害を恐れてドイツに移住し、第二次世界大戦中は枢軸側に協力し、戦後、英国がソ連に送還されたコサック)で、アレックは英国に復讐心を抱きながらMI6で二重スパイとして長年生き抜いてきたのだった…。
Lienzer Kosakentragödie – Wikipedia
Видача козаків у Лієнці — Вікіпедія
Выдача казаков — Википедия
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当作品より、これまで英国秘密情報部 O.H.M.S.S.:On Her Majesty's Secret Service だったジェームズ・ボンドの所属組織が、実在のMI6: Military Intelligence, Section 6(正式にはSIS:Secret Intelligence Service)となり、本部の外観の映像も、ロンドンのヴォクソール Vauxhall にある実際のMI6本部のものが使用されるようになりました!勿論、Mのオフィスとして登場!
MI6 - Wikipedia
ちなみに、当作品の公開は米英が1995年11月で日本が12月なのですが、映画本篇に登場するSIS本部の新庁舎は、1995年にランベス Lambeth (テムズ川の橋としては下流のお隣の橋)からヴォクソールの新庁舎に移転したばっかりなのでまさに新装開店記念映画(!)だったりします。
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サンクトペテルブルクでボンドが接触したCIAの現地職員ジャック・ウェイド (演: ジョー・ドン・ベイカー)の運転するモスクヴィッチ 412 Москвич-412 が
Москвич-412 — Википедия
故障した広場は、ロンドンのトラルファガー広場から歩いてすぐテンプル駅近くのサマセット・ハウス Somerset House です。
Somerset House - Wikipedia
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なお、このサマセット・ハウスの聖地巡礼は、2024年8月11日(日)(←イベントのテントが邪魔だった…)と同年9月21日(土)(←仕方なく再訪)という1ヵ月強の短いスパンで2回の訪問したのですが、なんとこの間の2024年8月17日(土)に、サマセットハウス西棟で火事があったんですよ。
でもって、いよいよソ連崩壊後=冷戦終結後だからこそ実現した現サンクトペテルブルクというか聖地巡礼時はレニングラードの登場。映画本篇に出てくる宮殿広場とかエルミタージュ美術館とか訪問しているのですが、画像は聖イサク大聖堂 Исаакиевский собор のみ押さえてました。
Исаакиевский собор — Википедия
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『合衆国最後の日』じゃなくて『ソヴィエト社会主義共和国連邦最後の日』の数日前
画像の日付にある通り、1991年8月19日(金)でこの日はソ連でクーデターが起きた当日です。人がいっぱいいるのは…聖イサク大聖堂やレニングラード市庁舎に民主派の人民が集結してソヴィエト連邦軍戦車の進撃をバリケードで防衛していた為です。この日宿泊ホテルに戻ったら真ん前の通りを装甲車が通過していて、こりゃ民主派の人たちはもうダメかなぁと思っていたら、この日22時の段階で改革派のサプチャク(レニングラード)市長が市のコントロールを奪回します。モスクワではロシア共和国最高会議ビル(当時は国家扱いされて無かったので都議会のある東京都庁みたいな感じ)にも10万人の市民が集結します。翌20日は膠着状態。21日(日)0時過ぎにに民主派の人たちと軍とКГБ(KGB)の戦車隊が衝突し10数名の市民が死亡。午前5時に戦車部隊が撤収。午後になるとクーデーターメンバー側に自殺者が2名、国外逃亡を企てるもの者も出てグダグダ。首謀者のヤナーエフ(ソ連)副大統領(…一応、執務不能となったゴルバチョフ(ソ連)大統領から大統領職を引き継ぐとされた…)はウォッカで泥酔してご本人が執務不能に…。22日(月)未明にクリミア半島にクーデター派に軟禁されていたゴルバチョフ大統領が救出されてモスクワに帰還。同日クーデター派逮捕。以上で3日間のクーデターは終結。この後、バルト三国から順次ソ連邦構成国が独立し、この年の12月25日(月)にソビエト社会主義共和国連邦は消滅しちゃいました。ロシアも国家として復活して、レニングラードも市名がサンクトペテルブルグに改称されました。当の私も、ソ連に入国した筈が、ロシアから出国する羽目に…。あの3日間からもう30年以上もの年月が経っちゃったんですね…。
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JAMES BOND WILL RETURN
©1991 2024 プッチー・ミンミン
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007シリーズ他作品の聖地巡礼
0141 テレンス・ヤング監督『007 ロシアより愛をこめて』『007 危機一発』
0142 ルイス・ギルバート監督『007は二度死ぬ』
0143 ピーター・ハント監督『女王陛下の007』
0144 ガイ・ハミルトン監督『007 ダイヤモンドは永遠に』
0145 ガイ・ハミルトン監督『007 死ぬのは奴らだ』
0146 ルイス・ギルバート監督『007 私を愛したスパイ』
0147 ルイス・ギルバート監督『007 ムーンレイカー』
0148 ジョン・グレン監督『007 ユア・アイズ・オンリー』
0149 ジョン・グレン監督『007 オクトパシー』
0150 ジョン・グレン監督『007 美しき獲物たち』
0151 ジョン・グレン監督『007 リビング・デイライツ』
0152 ジョン・グレン監督『007 消されたライセンス』
0154 ロジャー・スポティスウッド監督『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』
0155 マイケル・アプテッド監督『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』
0156 リー・タマホリ監督『007 ダイ・アナザー・デイ』
0157 マーティン・キャンベル監督『007 カジノ・ロワイヤル』
0158 マーク・フォスター監督『007 慰めの報酬』
0159 サム・メンデス監督『007 スカイフォール』
0160 サム・メンデス監督『007 スペクター』
0161 キャリー・ジョージ・フクナガ監督『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』