0123 聖パオロ&聖ヴィットリオ・タヴィアーニ監督『太陽は夜も輝く』聖地巡礼
2024年4月27日(土)にイタリアのバジリカータ州マテーラ県マテーラとクラーコで、4月29日(月)にカンパニア州カゼルタ県カゼルタとナポリ大都市圏(旧ナポリ県)ナポリで聖パオロ&聖ヴィットリオ・タヴィアーニ監督『太陽は夜も輝く』(Il Sole Anche di Notte)の聖地巡礼をしてきました。
聖パオロ&聖ヴィットリオ・タヴィアーニ監督は『父 パードレ・パドローネ』の1977年第30回カンヌ国際映画祭パルム・ドールと『塀の中のジュリアス・シーザー』の2012年第62回ベルリン国際映画祭金熊賞で列聖。
帝政ロシアの小説家レフ・トルストイの中篇小説「神父セルギイ Отец Сергий」の舞台をナポリ王国(ロシア皇帝ニコライⅠ世の宮廷は、スペインのカルロスⅢ世がまだナポリのカルロⅦ世だった頃の宮廷)に移し替えて翻案。
なお、聖パオロ&聖ヴィットリオ・タヴィアーニ監督は同じトルストイの「神のわざと人のわざ Божеское и Человеческое」(←『聖ミケーレのおんどりさん San Michele Aveva un Gallo』日本未公開)と「復活 Воскресение」も映画化しています。
セルジョ・ジュラモンド男爵(演:ジュリアン・サンズ)は、18世紀ナポリ王国のカルロⅦ世(←ややこやしいけどシチリア王国ではカルロⅤ世・後にカルロスⅢ世としてスペイン王に即位)統治下の宮廷で、士官学校の首席として、ナポリ王国の副官に登用され、将来が約束されたも同然だった。しかし婚礼の前日、婚約者の公爵令嬢クリスティーナ(演:ナスターシャ・キンスキー)が、かつて国王の愛人だったことを知る。絶望したセルジョはナポリを離れ、心の静寂を求め修道士となるが、修道院の生活も彼の荒んだ心を和らげることは出来なかった。セルジョはすべてを捨てて、神の真理に辿り着くためにペトラ山へ入って隠遁者となる道を選ぶ。セルジョは次々と奇跡を起こす。あるときマティルダ(演:シャルロット・ゲンズブール)という少女が現れる…。
オープニング・タイトルの合間に挿入される少年セルジョと梨の樹の背景に見えるのが、ジュラモンド男爵家の領地となるバジリカ―タ州マテーラ県クラーコの山上集落外観。
Craco - Wikipedia
ナポリ王国カルロⅦ世の居城の外観は国王陛下ご本人が建てたカンパニア州カゼルタ県のカゼルタ宮殿 Reggia di Caserta。
Reggia 'e Caserta - Wikipedia
Home - Reggia di Caserta (cultura.gov.it)
カルロⅦ世の執務室は(カゼルタ県カゼルタからナポリ大都市圏ナポリに移動して)ナポリ王宮 Palazzo Reale の2階部分です。
Palazzo Reale (Napoli) - Wikipedia
ナポリ王宮中庭にセルジョを含む士官学校の学生たちが集められます。
セルジョがカルロⅦ世と面接するシーンの流れで、セルジョ少年がおうちに帰宅する回想場面の登場。こちらはクラーコではなくてマテーラ県マテーラのヴィーコ・ソリタリオ Vico Solitario のサン・ピエトロ・カヴェオーゾ広場 Piazza San Pietro Caveoso 南出口付近です。
Matera - Wikipedia
ジュラモンド男爵家のテラスはマテーラのヴィーコ・ソリタリオ Vico Solitarioではない別の場所。サン・ピエトロ・カヴェオーゾ広場 Piazza San Pietro Caveoso を挟んでマドンナ・デッレ・ヴィルトゥ通り Via Madonna delle Virtù 方向にサッシを見上げる場所。テラスの中には入りませんでした。
ナポリ王宮の廊下~階段で副官に内定した直後のセルジョ。
婚約者クリスティーナの告白に打ちひしがれて、ジュラモンド男爵家領地のクラーコに帰郷します。
領地の外観はクラーコですが、セルジョの実家はマテーラの2ヵ所に跨ります。
修道士になったセルジョは、隠遁生活をするため修道院を出てペトラ山に向かいます。途中通り過ぎるのが、クラーコの山上集落の廃墟全景。
ペトラ山でマティルダの誘惑に勝てなかったセルジョは、クラーコのジュラモンド男爵家領地を遠目に見て…、
マテーラの実家のテラスに佇みます。
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