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邪心 四


その朝
私は目を覚ます事が無かった
その朝からずっと…

おんおん
私に向いていたのだ
彼女ではなく
私に…

鬼と共存する事もなく
鬼と化す訳でもなく
私を消滅させる事で
私の『恩』をも消滅させたのだ


『恩』が彼女に向かなくて良かった
彼女とは
私の母である

先立つのは親不孝ではあるが
手にかけるよりは良いだろう


だがまだ
おん』は
生きている

生滅を繰り返し
これからも
おん』を
増やしていく事だろう


全く
鬼の考えそうな事だ




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