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LOCUS GEARのKhufuは山岳テント足り得るのか その6<結論+補足編>

Khufuは山岳テント足り得るのか、最終回です。

補足

Khufuには様々なオプションパーツがあります。
メッシュのインナーテントやツインポール(二股化)にするためのジョイントですね。

3種類のインナーテント

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サイズは3種類。フルサイズ、2/3サイズ、ハーフサイズです。
全て別売りですが、Khufuの中でも<Khufu HB>には標準でフルサイズのインナーが付属しています。

Khufu HB:全部入りのKhufu。材質は10Dシルナイロン。重量390 g。本体の他にペグ、フルサイズメッシュインナーが付属。シームテープ処理済み。在庫があればいつでも購入可能(唯一、LOCUS GEARのHP以外での取り扱い有り)¥58,000-

なのでフルサイズのインナーだけは所有しています。
このインナー、はっきり言って使い勝手はイマイチです。
写真で紹介したいのですが、使用した回数が少なすぎて写真がありません……。

フルサイズメッシュのイマイチポイント
・広々としたKhufuが一回り以上狭くなる。
・単純に設営しにくい。
・洗うのが面倒。

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Khufu最大の魅力である<広々した室内>。
しかしインナーテントを使用してしまうと、室内空間はかなりスポイルされます。フルサイズインナーの場合は特に顕著です。
しかもインナーテントはKhufu本体と同じくらいの重量があります。合計すると800 g近くになり、Khufuの魅力である<軽量>も失われてしまいます。

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設営しにくいのもイマイチポイントです。

フルサイズと2/3サイズはインナーテント内にポールを立てます。すなわち、Khufuを設営するタイミングで一緒に立てる必要がある訳ですが、四隅をKhufu本体のペグダウンと共有して、開けにくいインナーのファスナーを開けて、中にポールを入れて……あぁ!面倒くさい!
しかも頑張って設営しても、写真のように「ピンっ」と張ることは少し難しいです。相当に気にしないと『よれて』しまいます。

洗う幕体が増えるのも面倒です。
Khufuを山で張っていると、雨が降っていなくとも砂埃が付いたりと、意外と汚れてきます。
しかしKhufuは単純な幕体なので、使用するたびに洗っても苦になりません。洗うときは風呂場でシャワーを浴びるときにKhufuを一緒に持ち込み、シャワーで「ざーっ」と洗って、浴室乾燥にでも朝かけておけば夕方には乾いています。

ところが、ここにインナーが加わると面倒です。インナーを使用する際はインナーのボトムに穴が開かないようにグランドシートを使用します。
すなわちインナーテントを使用するだけで洗い物が増え、あぁ!やっぱり面倒臭い!

つまり?

つまりインナーテントを使用するとKhufuの魅力である<広々室内><超軽量><設営しやすさ><メンテナンスしやすさ>が全て損なわれてしまいます。

それと引き換えに得られるものは<囲まれている安心感><耐虫>です。フルメッシュなので防寒性や耐風性は期待しない方がいいでしょう。

<囲まれている安心感><耐虫>を重視するのであればインナーテントを使用するのもアリです。一方、それであればKhufuである必要性は低く、一般的なドームテントを使用する方がいいと思います。

「でもKhufuでインナーを使いたい!」という場合は、フルサイズではなく最も小さなハーフサイズがオススメです。

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ハーフサイズは唯一、インナーの外にポールを立てる方式なので、ポールでインナー内空間が損なわれることがありません。
また残り半分の空間を土間的に使用することが可能です。

二股化ジョイントパーツ

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正式名称はDPTE(Dual Pole Tip Extender)です。
使うためにはトレッキングポールが2本必要になります。

トレッキングポールの先端側を、このV字パーツに差し込みます。
紐がついているパーツはトレッキングポールの持ち手側にベルクロで固定します。この紐がついているお陰で二股ポールが広がりすぎないようになっている訳ですね。

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室内真ん中にポールがなくなるので、このようにさらに広々使えます。
特にスリーピングマットを斜めに置けるようになるのが、個人的に素敵ポイントです。

設営の手間もそれほど増えません。最低限の手間と、最低限の重量(材質にもよるが100 g前後)で大きな効果を得られる、オススメのオプションです。

ただし注意しなければいけないポイントがあります。それは、トレッキングポールの先端ゴムキャップをつけた状態では使えない点です。
DPTEのV字パーツに差し込む訳ですが、V字パーツの径はそんなに大きくありません。よってゴムキャップを着けていると刺さらなくなります。

冬山では基本的にゴムキャップを付けないので問題にはなりません。
一方夏山では基本的にゴムキャップを付けていると思います。つまり夏山でDPTEを使うためには設営時にゴムキャップを外す必要がある訳です。
……そう、あのカチカチにハマったゴムキャップを、です。
この点がDPTE唯一のイマイチポイントですね。

結論

さて、全6回に渡った『LOCUS GEARのKhufuは山岳テント足り得るのか』
ようやく語りたいこと語り終わりました。長かったね。

ここまで長々と読んでいただいた方にはもうお分かりだと思います。
「山岳テント足り得るのか」というQ. に対しては、「足り得る」と言い切っていいと思います。

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まぁ<その1>で既に「実用的な<山岳テント>です。」って言っちゃてるしね。ひどいネタバレだ。

もちろん使う季節や場所によっては、気をつけなければいけないこともあります。一般的なドームテントより一層、です。
それでもなお、魅力的なメリットが多数あります。

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身も蓋もないこと言っちゃうと、何より<カッコイイ>しね。

Khufu、良いテントです。