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LOCUS GEARのKhufuは山岳テント足り得るのか その2<設営編(積雪期)>

続きものだよ。

前回<その1>ではグリーンシーズンの山岳テン場におけるKhufuの設営について紹介しました。

今回<その2>は積雪期(厳冬期〜残雪期)のKhufu設営についてです。

「雪山でどうやって張るの?」

前回<その1>を読まれた方はお気づきかと思います。そう、私のKhufuの初張りは2月の赤岳鉱泉でした。思いっきり冬山ですね。

なのでぶっちゃけちゃうと「積雪期の設営はグリーンシーズンよりよっぽど簡単」です。

では前回同様、実際に設営した様子から振り返ってみましょう。

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2019年2月。八ヶ岳・赤岳鉱泉。豪雪直後でもない限り整地せずとも締まった雪あり。風も無く、快適そのもの。

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2019年2月。南アルプス・甲斐駒ヶ岳 七丈小屋。雪が少なくて逆に設営に苦労したが、赤岳鉱泉ほど混まないのが○。トイレが遠くて梯子があるので、アイゼンを着けるか毎回迷う。

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2019年3月。北アルプス・遠見尾根・幕営適地。斜めになっている所多く、またこの時は新雪のすぐ下が氷だったので少し苦労したが、問題なく設営可能。※正式なテン場ではないため設営は自己管理の上。

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2019年3月。北アルプス・常念岳東尾根・幕営適地。とっても張りやすい&無風=超快適。冬季限定のバリエーション。※正式なテン場ではないため設営は自己管理の上。

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2019年3月。北アルプス・乗鞍岳・幕営適地。スキーツアーコースの森林限界手前。簡単設営。※正式なテン場ではないため設営は自己管理の上。

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2019年4月。北アルプス・白馬大池。設営はとっても簡単。ただし風の通り道であるため、ここに設営するのは全くオススメしない。※テン場ではあるが小屋の営業期間外であるため、設営は自己管理の上。

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2019年5月。北アルプス・冷池山荘。設営簡単。眺めも最高。GW辺りからは小屋もやってるし、トイレも使える。売店もあるよ。鹿島槍もすぐそこ。天国かな?ただし積雪期は柏原新道が使えず、爺ヶ岳南尾根からアクセスする必要あり。※2020年の同時期に柏原新道を無理矢理通ろうとした人が遭難救助されていたよ。絶対に開通宣言が出るまで柏原新道は使わない。

こんな感じで、積雪期のKhufu設営は『雪が豊富にあればどんな場所であろうが簡単設営』と言うのが基本。後は地形や過去の山行記録から<風が強くなりにくい場所>を見繕って、と言うのが原則。

積雪期のKhufu固定に何使う?

ただし<簡単設営>というのは、しっかりした準備があった上のこと。

雪上の幕営で何を使って固定するか、というのは選択肢が沢山。最新のスノーペグから伝統の竹ペグまで多種多様。

その中であんかけ君が愛用&信頼を置くのがコチラ。

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<Easton Gold 24″ / イーストン・ゴールド24″ ペグ>62 cm・∅8.6mm・30g・¥900 / 1本

通称<イーストン・ゴールド>。62 cmの超長いペグ。

大して踏み固めていない雪面でも、とにかくイーストン・ゴールドを「グイッっ」と刺せば、何だって固定できちゃう、すごいやつだ。

ちなみにKhufuだけでなくDjediを雪山で張るときにも愛用しています。

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2019年12月。南アルプス・池山御池小屋。積雪量が少ないと刺さりきらないのが玉に瑕。

イーストン・ゴールドはLOCUS GEARのホームページで売っています。冬季になると偶に在庫切れになったりしているので、余裕があれば張綱分含めた本数を買っておきましょう。

Khufu固定のポイント

イーストン・ゴールドを使うこと前提の話ですが、冬山でKhufuを設営するに置いて最大の問題は『雪不足』です。

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2018年12月。八ヶ岳・双子池。地面は凍っているが積雪は少ない。

ちょっと分かり難い写真でごめんなさい。コチラは雪がまだ大して積もっていないテン場にテントを張った時の写真です。この時はドームテントですが、妙に『しわしわ』になっているのが分かると思います。

つまり<雪がない>のに<地面は凍っていてペグが刺さらない>、しかも<ペグ固定の石も無い>。この場合、ドームテントはなんとか自立できますが、Khufuは設営不可能になるでしょう。

仮にペグ固定の石があったとしても、凍りついて地面と一体化している場合があります。この場合、地面から引き剥がすのはほぼ不可能と思って下さい。

つまり冬季にKhufuを設営するにおいて最も重要なのは、『雪が十分にあるか』を予め確認しておくことです。

便利なもので、YAMAPやヤマレコ、あるいはTwitterで検索すれば、よほどマイナーな山でない限り積雪状況を調べられるはずです。

最も、今シーズン(2020-2021)は記録的豪雪の連発で、どこの山に行っても<雪不足>ということはないでしょうが。

次回予告

さて、グリーンシーズンと積雪期のKhufu設営について語ってきました。

グリーンシーズンは岩岩なごく一部のテン場を除けば、北アルプスでも設営容易。積雪期は雪が十分にあれば簡単設営。前回<その1>で列挙した疑問のうち、残る太字についてです。

「岩岩のテン場でちゃんと固定できるか心配」「風が強い時はどうするの…」「強い雨の時はどうなっちゃうの…」「冬山って寒くないの…?」

これらについては、またまた長くなるので<その3>以降にまとめる予定です。

>>その3に続く。