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【SF小説】ぷるぷるパンク - プロローグ

555文字1分


【質量とエネルギーの等価性】
 
ーーE = mc2
静止座標系における質量とエネルギーの関係式。
1905年11月21日に発表されたアインシュタインの論文「物体の慣性はそのエネルギー含有量に依存するか」に初登場している。
 
 
【大統一理論】
 
ーーGs=SU(3)c×SU(2)l×SU(1)y
現在、一定の成功をおさめている標準模型。
ゲージ群に対するゲージ理論であり、大統一理論は基本的にこのゲージ群を含む更に大きなゲージ群に対するゲージ理論である。
 
 
【ぷるぷるパンクの調和式】
 
ーー{Qα,(Qβ†)}=Pμγμα.β
Pμはxμ方向への並進を生成する変換、γはガンマ行列。
超対称性変換をあるPUNKのボソンに対して二回続けて行うと、単にもとのボゾンに戻るだけではなく、時空のどちらかの方向へすこし動くことになる。


思うんだけど。

 ぼくは一度眼鏡を外してTシャツの裾でレンズを拭う。こんな式なんて知らなくったって、生きていけるし、むしろ、

 眼鏡をかけ直して、ぼくは思う。むしろ・・・、なんだっけ。 

 見上げると、透き通った青い空にランダムに張り付くような、まるで液晶モニターのドット抜けみたいな幾つもの穴の中から「無」がのぞいている。

 俗にいう、深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。というやつだ。

 つづく


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