Ozone10備忘録:Exciter編
皆さんこんにちは。iZotope社のOzone10についてモジュールごとに記事書いていきます。
※Ozone10 Advancedを用いています。
7つのモードについて
マニュアルにはこのように書いてあります。
Analog: トランジスタの奇数倍音をエミュレートしており、歪みやザラつきを加えます。
Retro: トランジスタの特性を元に奇数倍音列を発生させま。奇数倍音列は高域にいくにつれて減衰していきます。
Tape: 明るい音色のサチュレーションです。アナログテープのサチュレーション同様に偶数倍音を発生させます。
Tube: クリアな音色が特徴で、ダイナミクスやトランジェントのアタックを強調します。
Warm: 直ぐに減衰する偶数倍音だけを生成します。
Triode: チューブ回路をモデリングして作られた、リアルなアナログの温かみを加えるモードです。Dual Triode モードと比べて半分の真空管回路を使用しており、微細な歪みを表現します。
Dual Triode: 真空管回路をモデリングして作られたモードで、はっきりした歪みとウォームなトーンを実現します。
私はこの説明ではわからない部分が多すぎます。私が感じたそれぞれのモードへの感想も書いておきます。
Analog:ほぼほぼ自然な状態。最大にしてもあまり音がつぶれない。
Retro:かなり歪むが、低音が少し失われる。トランジェント感がクランチーになる。
Tape:アタック感を強調させてそれ以外のサステインを歪ませている
Tube:ほぼノイズテクスチャを付与するみたいなレベルでざらざら
Warm:高音域が結構削られるが、それ以外の歪は穏やか
Triode:歪みを自然な状態のミックスに付与するかのような丁寧な感じ
Dual Triode:Triodeの歪みを増やしたような印象
このモードに関してはこれだけ種類があることも起因してエンジニアによってかなり意見のばらつきがあるようです。
PurukichiはTubeとTriodeをよく使うので、それを軸に記事にしていきます。
いずれにせよ、皆さんが一番好きなものを使うに越したことがございません。いろいろ探求してみてください。
おすすめの使い方
キックとベースの強調
これは結構簡単です。
まずは画像のように低音域の二つの山を見つけます。
赤の矢印がサブベースのウーファーで鳴らす部分、青の矢印がベースのオクターブ音やキックの低音部分のアタックになっています。
ここをめがけてエキサイターをかけてあげます。
今回は一番高いベースの倍音がおよそ140Hzだったので144Hzらへんにエフェクトをかけていきます。
もちろんモードの選択は皆さんで十分選んでもらう必要がありますが、最大Amountにしてみながら一番自分の好みに合うもの、ジャンルに合うものを選ぶとよいでしょう。
今回はキックと低音なので、TubeまたはTapeがいいと思います。
ここでもやはりMidとSideに分ける方法が活用できます。
今の段階ではステレオ全体にエフェクトがかかっている状態なので、ジャンルによっては聴感がキモイことになるかもしれません。
今回はFutureBassをデモ音源に用いているので、Midに効果を限定したいと思います。
私の場合はこんな感じに落ち着きました。これでもおそらくかけすぎです。なのでいい塩梅を皆さんで探ってみてください。(Purukichiはやりすぎぐらいなのも好きですよ。)
オーバーサンプリングでノイズを軽減
エキサイターを持っていれば必ずしてほしい工程です。
マスタリングにおいてかなり重要な工程かもしれません。
もちろんエキサイターは倍音歪みを付加して音を膨らませるためのモジュールですが、そこには一つ大きな欠点があります。それが折り返し雑音です。
英語ではエイリアシングと呼ばれていて、多くのサチュレート系のプラグインには「Anti-aliasing」とか言うボタンが付いてます。それがオーバーサンプリングとほぼ同じ機能です。
このエイリアシングにはね~、ビット深度とかなんかいろいろ難しい言葉が付きまといます。簡単に説明するとどうしても発生しちゃう音です。
しかし、オーバーサンプリング機能を使うことで、この折り返し雑音を取り除くことが可能です。
人に説明するとよく怪しい人と思われるのでこんなにわかりやすい動画を出してくれてありがとう!iZotope!
マスタリングの工程では低音のエキサイターによく使います。
ここで注意!!!!
CPUバキバキになるよ!!!!!!!!!
それでも使ってください。それぐらい重要です。
先ほどの工程でキックと低音の強化をしましたよね。そこにオーバーサンプリングボタン押してみてください!!!!
差は歴然。圧倒的に余計な歪みが消えました。
試しに全部最大で試してみてください。かなり聴感変わると思います。
まとめ
正直、エキサイターはこれぐらいの使い方しかしてません。しかし、ローエンド周りで困っている方はかなり重宝すると思います。
オーバーサンプリングの機能を存分に活用して、豊かなローエンドを再現しましょう!
低音はブーストしたりカットしたりするものではなく、エキサイティングにするものですぜ。バッキバキにしよや!!!!!
今回の記事を書くにあたって参考にした動画やサイトです。