芸能人になれなかった私

幼少期の頃の夢は女優さんや歌手だった。
特に演技や歌が好きなわけではなかった。
だけど自分の容姿に自信があった。
それだけだった。
周りも「◯◯ちゃんは将来芸能界いけるよ」などともてはやした。
自分では「そんな訳ない」と謙遜の気持ちを持ちつつ、将来は芸能人になるんだろうなという傲慢な気持ちもあった。

現在どうなったかというと、芸能人になっていない。
自信のあった容姿も高校生あたりから崩れ始め、周りから「昔は可愛かったのに」と辛辣な発言を聞かされるほどだ。
白くてきれいだった肌も今は茶色くくすみ、ニキビがひっきりなしにでてくる悩ましい肌になった。幼げな顔が大人になり、顔が伸びて可愛げが減少した。
でもそれでも私は私の顔が好きであった。いや、好きであろうとしているのかもしれない。なぜなら私は容姿しか自信がなかったからだ。

友達も私の容姿しか興味がなかったと思う。友達が多かったのは私の容姿が良かったためじゃないかと思っている。私も私の容姿しか興味がなかった。

将来芸能人になると思っていた私はこんな考えであった。
「いい子でいなければいけない」
なぜかというと、芸能人は学生時代の様子をよく聞かれるからだ。
悪い行動をしていればその時点でアウトだと思い込んでいた。
だから芸能人になる私は自分を押し殺して、良い子な自分を演じなければいけない。
嫌な人にも笑顔で接した。男子とは話さないようにした。女の子らしい服をやめた。派手な子とも地味な子とも友達になった。
良い子の範疇を超えた色々なことを演じた。すべては芸能人になったとき役に立つから。

そんなこんなを大学生まで続けた。高校の辺りで「自分は芸能人にならない」と気付いていたのだが、もしかしたらなるかもしれないと思い、演じ続けた。

その結果、壊れた。
LINEの連絡先はすべて消した。もう何をしたらいいのか分からない。

今まで何をしていたんだろう。虚無感でいっぱいである。
ホントに何をしたらいいのか分からない。
思い込みが激しいとこうなります。皆さんお気をつけて。


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