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「繰り返し起こる問題」に隠された秘密。

私の本業は「操体の臨床家(治療家)」ですが、易者もやっております。

操体は「息食動想+環境」と「軸」などでからだのバランスを紐解いて行きます。

多くの手技療法は「ボディの歪み」は悪い、と言いますが、操体は歪みを敵視しません。
からだが「歪み」を体現してまで命を守っている、ちょっと健気な姿であるとみます。

また、多くの手技療法は「ボディの歪み」が悪いのは分かっている(なので、歪みを矯正しようとします)のですが、何故歪むのか。それを説明しているところは殆どありません。

例えばカバンを左肩にばかりかけるからとか、右の奥歯でばかりモノを噛むとか、そういうことは言えますが、それなら、何故左肩にかけることになったのか?何故右の奥歯でばかり噛むことになったのか?
という問いには答えられないのです。

が、操体は「何故、ボディが歪むのか」ということについては、明確な答えを持っています。

※これは「同時相関相補連動性」と言って、呼吸、飲食、身体運動、精神活動という本人が自律可能な生活の中の営みや、軸、あるいは環境という外からの影響などによって、ボディのバランスが崩れ、歪みが起こるという考え方です。

呼吸の専門家、食養の専門家、身体の専門家(我々が扱うのは主にここですが、他にも関与します)、心の専門家と、普通はそれぞれの専門家がいますが、操体はそれらを別々に考えるのではなく、まとめて面倒見ましょう!
というスタンスなのです。

昔は「からだの使い方を間違えたんだから、からだを動かして治せばいいよね」という感じでしたが、今は(一括りにしちゃいますが)「社会的・環境的・物理的なストレス」で、からだの使い方(動)ではなく「想」(精神活動)からバランスを崩していることが多いのです。

というわけで、心の問題も我々操体の臨床家にとっては大事な問題なのです。

操体の話はまたするとしましょう。
言葉を統制するとか、救いと報いとか、結構面白い話があります。

そしてこれは間違いなくあることなんですが、「治りたい」といいつつ、実は治りたくないという場合もあったりします。

私の知りあいのカウンセラーの先生も
「あと少しでもう大丈夫。今度でセッションは最後ね」という場合に、最後の最後に来なくなる人もいるよ」と言っていました。

治ってしまったら、例えば家族から心配してもらえなくなる。
治ってしまったら、仕事を休めなくなる。
治ってしまったら、現実に向き合わなければならなくなる、などなど。

ということもあるのです。

私は易者歴も結構長いんですが、以前から「そうだよね」と思うことがあるので、ご紹介しますね。

普段は割と
「彼の気持ちと今後」というようなお悩みや「プロジェクト上手く行く?」のようなご相談が多いのです。

「候補3つのうちどれを選べばいい?」とか。

たまに「人間関係が原因で転職を繰り返している」

というように、同じようなことが繰り返し起こる場合のご相談を受けることがあります。

なお、このような場合、かなり共通しているのが、切羽詰まっていて、すぐにどうにかしたい、という状況です。

勿論、すぐにどうにかしたい、と言うお気持ちはよく分かります。
ただ、こういう場合に「時間が10分しかないのでなんとかしてください」と言われたり、無料チケット10分で「どうにかして欲しい」と言われても、対処しようがない場合があります。

こういう場合
・相談者は10分でどうにかならないので不満が残る
・占い師は10分では話の全てを聞くことさえできないので、後味が悪い

と、互いに後味が悪くなるんです。
カウンセリングなどに通ったら、半年とか1年かかるようなことを「10分無料チケット」とか「10分しか時間がありません」と言われてしまい、なおかつ「10分で解決してくれなかった」と不満を抱かれたりするのは、占い師にとってもかなり辛いことなんです。

また、占い師や易者は魔法使いではないので、時間10分で、その方が長年困っている、繰り返し起こる問題を杖一振り10分で解決、なんてことはできません。

繰り返し起こる問題、というのは結構根深いので、やはり細かいヒアリングが必要になってきます。

そして、このような状況は、放置しておけば「自然によくなる」ということは、まずありません。

ご本人の行動が必須です。

ただ、そこまでいかないケースも多いです。

ある例ですが、お話を聞いていると、今はある本を紹介して読んでいただき『繰り返し起こる問題』について理解してもらうのがベストかなと思い、あるカウンセラーの先生の本を紹介しました。

その方から後で返ってきたメールには
「本を読むよりも、お金を貯めてこの先生に直接会いに行きます」と、書かれていました。

これは私にとってかなり衝撃的な出来事でした。

こういう場合、本当は「できること」いわゆる「ベイビー・ステップ」(はじめの一歩)から行く方が早いんです。

別の例で言えば「ある時期までに、勉強のための資金が必要」となったとします。
それなら、計画的に毎月幾ら貯金しよう、と考えるのではなく、宝くじを買って資金をためよう、みたいな感じです。

「解決したい」といいつつ、本当の解決方法からは上手く逃げているんですね。

このように「問題を解決したい」と言いつつ思いつつも、心の奥底で「本当の解決策」からは逃げているケースはかなりあります。

治りたいけど治りたくない、と同じような構造です。

さて、自分で自分を助けたい。

そんな時、この本はお勧めです。


この本には「ナイト君」という「守ってくれる存在」が登場します。

ナイト君は、あなたを傷付けないようにしています。
なので、人間関係や恋愛の破綻、不安、心配症、お金の問題などを起こしてくれている、というのです。

私自身も「ナイト君いるいるいる!!!!」と驚愕しました。

そして早速ですが「ナイト君」と対話するというのを試してみます。
これ、かなり強烈なワークです。

誰かに傷付けられたら誰かに癒してもらうのではなく、自分は自分で癒すことができるんです。
勿論、魔法の杖一振りというわけにはいきません。

症状疾患にせよ、劇的に一瞬で治る、ということはありません(あってもすぐ元に戻ったりします)。

そして余談ですが、私がこの本を読み終わった後、偶然直後に読んだマンガが

奇遇にもこれでした。
あ、ババンババンバンバンパイアを読んでいたので、奥嶋先生のです。
岸騎士(まさにナイト)という家庭教師が出てくるんです。

これも偶然といえば偶然というか小さなシンクロ。。

そしてこれを書いた翌日、つまり今日ですが、

「私はどうしてこうなってしまったんでしょう」というかなりディープなご相談を受けました。

個人情報もあるので詳細の記載は避けますが、社会的にもかなり恵まれた環境にいらっしゃる方です。

まず、原因は一つではありません。
また、その方のせいでもありません。
環境や時代の流れなど、様々な状況が重なっているのです。

一言ではお答えできないし、簡単な解決策を提示できるわけでもないのです。

なお、操体の臨床もそうですが、回復にかかる時間は、悪くなった時にかかった時間以上が必要です。

じっくり。考え方の基本を押さえて、はじめの一歩を踏み出して、継続。

それが近道です。

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