海外で<ザ・日本人>シリーズ vol. 4コロナでチョッピリ変化したご近所付き合い
自宅庭の垣根越しにお隣りさんと会話するのも普通なくらい、ロンドンの都会よりかは密なご近所付き合いをしてきましたが、新型コロナウイルスのおかげで交流の仕方に微妙な変化もでてきました。
毎年イースターになると、お互いちょっとしたお菓子のやり取りをしていたお隣りさん。今年はこんな時だしわざわざ訪問しなくてもいいかな、と思っていたところイースター当日(今年は4月12日)の朝、我が家の窓の前で手を振るお隣りさんが現れました。
玄関を指差すのでドアを開けると、可愛い紙袋がチョコンと玄関マットに鎮座していました。中を覗くと、お嫁さんが手作りしたというイースターのお菓子と、今年もしっかりお隣りさんからのイースターバニー(ウサギ型)のチョコが2つ入っていました。
こんな特殊な方法でやり取りをしなければならない事態に、改めてコロナの悪影響を思わずにいられませんでしたが、それでもわざわざこうして今年も変わらず届けてくれたことに感謝しました。
ただ・・我が家は何も用意しておらず、いつもであれば旅のお土産などで自然にお返しも出来るのですが、今年は当分何処にも行けなさそうですし、その他何か渡しても自然な行事イベントってあったかしら・・などと、笑顔でお礼を言いながら既にお返しの事を心配してしまうザ・日本人と化していました。
そんな中、またしても別のサプライズが他のご近所さんからありました。ある日、郵便物と一緒に入っていた一枚の紙。バラの綺麗な絵が描かれた便箋のようなその紙を不思議に思いながら返すと、青インクで書かれた手書きの文が並んでいました。
読み進めるうちに、ようやく思い当たりました。以前こちらの記事でご紹介した「ある日から突然、我が家の生垣に杖を置くようになったご近所のおばあさん」からでした!手紙には「杖を置かせてくれてありがとう。お陰さまでもう杖なしでも上手く歩けるようになったわ。」という感謝の気持ちが綴られていました。文末には「最近は夜明けも早くなってきたから、もっと朝早くからバッタリ逢えるかもしれませんね。」とあり、
イギリスらしいバラの絵の素敵な便箋と言い、今どき手書きのお手紙と言い、さすがクリスマスのカード文化が深く根付くイギリスだ!と、その粋さにお隣りさんのチョコレート同様、またまた感動してしまったのでした。
ここでまたすぐにお返しをしてしまうのが日本人過ぎるかもしれませんが、いたく感激したのと丁度イースターの時期だったのでわざとらしくないかなと思い、お菓子を添えてお返事を出しました。ご近所さんからのイギリスらしさに感動したので、こちらはコテコテの和風でいこうと思い、季節も用途も違いますがイースターの象徴であるウサギのポチ袋が丁度あったので、それにメッセージを書いたカードを入れて郵便受けに置いてきました。
翌日、ご近所さんが「予言」していた通り、我々は早速朝から顔を合わせることになりました。その際、ご近所さんがお返しにとても喜んでくれて、我ながら良い文化交流とご近所付き合いができた、と勝手に満足し嬉しくなりました。
コロナウイルスのおかげで形はチョッピリ変わってしまったけど、今後も変わらないご近所付き合いを続けていきたいと思います。