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小説『ふたご』とデビュー曲「幻の命」ー深瀬くんとさおりちゃんのこと(その2)

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さおりちゃんは2017年に藤崎彩織の名前で『ふたご』という小説を執筆しました。



ストーリーはさおりちゃん、深瀬くん、セカオワの歴史を色濃く反映している内容のため、
どうしても登場人物にはメンバーの顔と声を当てはめて読んでいました😅

主人公夏子が月島に愛憎混じった感情を抱いている描写には胸がヒリヒリと苦しくなりました。
セカオワのことを知らずに読みたかった。知らない人のほうが純粋に読めると思う。

もしかしたら本当に夏子のような気持ちを抱いていたのかな…と思うと切なくなりますが、フィクションと事実の境目が曖昧なのもこの小説の魅力でもあり、フィクションも混じっていることを踏まえ、小説として楽しむべきだと思います。

「白い病院で死んだ僕達の子ども」をテーマにした衝撃的な「幻の命」(作詞深瀬、作曲さおりちゃん)も、ふたりの実体験が描かれていると思っている人がいるようだけれど、
これは私はフィクションだと思います。

アマチュア時代に書かれたブログ(魚拓)で読んだ歌詞の原型は確かに生々しい表現だったけれど、
他の投稿も物語として書かれているものだったし、
アマチュア時代の掲示板のやり取りを垣間見たら、ライブでこの曲を聴いて気に入った深瀬くんの妹さんに対して、さおりちゃんが「嬉しい」と返信していました。
当事者、ましてや20そこそこの女性が、自分の身におきたセンシティブな出来事を曲にするとは思えないです。

深瀬くんは街でむかし好きだった人とすれ違っただけで、ぶわーっと「Magic」のような出会いから死別までの長い物語を思い付くストーリーテラーですからね。

インディーズデビューのときに、世界の終わり、という奇妙な名前で、こういう「死」をテーマとした曲「幻の命」をデビュー曲とするというのも、かなり攻めた戦略だと思うのだけど、
世界の終わりから始めよう、という名前に込めた想いとともに、
命や死について考えさせられる曲が多いセカオワらしい姿勢の表れだと思います。


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