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元コンカフェ店員の考える「コンカフェ」とは


はじめのはじめに(お願い)



この記事に関わらず他の記事もそうですが、文章の無断転載や引用元を提示しない引用などは絶対におやめください
引用元や参考先としての適切な記載をしていただければ(インターネットに公開される文章の場合はこちらの記事のリンクもご記載ください)、特に連絡なくご参考にしていただいてかまいません。
でも連絡もらえたらより嬉しいです、あなたの文章も読みたいので。ぜひ読ませてください!

そしてこれは学者の論文とかではなく、学士兼元コンカフェ店員の私見オブ私見ですので、正確性や分析力、文章力などには欠けます。かわりに、学者さんよりは女の子の目線に立っています。



はじめに



わたしは高校生のころからメイドというものに憧れて、18歳から女の子産業*に身を置いていた。

(*女の子産業:わたしが勝手に名付けたメイドカフェなどのいわゆる萌え産業やコンカフェ業界、ガールズバーやキャバクラなどのナイトワーク(夜職)業界の総称。
女の子が商品である業界と、そのシステム。
わたしは全く経験も知識も無いけど、場合によっては性産業も含んでもいいかもしれない。この辺の線引きって難しいからね。)

わたしが数年間この業界にいて、感じたことや考えたことを文字に残しておく。
これから働こうと思っている女の子の参考になったり、この産業に従事していた方、お客さんの立場の方々、メイドとは無縁の生活を送ってきた方にも面白く読んでもらえたら。




メイドカフェの分類


さて、ひとくちにメイドカフェと言っても、私見では以下の3つのタイプに分かれると思っている。

タイプ1:昔ながらのクラシカルメイド喫茶
タイプ2:キャストメニューがあるような萌え産業のメイドカフェ 20年前くらいにアキバとかで流行ったいわゆるメイドカフェは大体これ。
タイプ3飲酒ありのコンセプトカフェ キャストがドリンク飲めて高校生は働けないような、メイドコンセプトのガールズバーって感じ。最近の流行りはこれかな。

下にいけばいくほど「お水感」が強まっている構造。

以上の3タイプを個別に説明していく。



1.昔ながらのクラシカルメイド喫茶


わたしはこのタイプに詳しくないので情報の正確さに自信がないんだけど、多分例を挙げるならキュアメイドとかワンダーパーラーとかなのかな。

店員さんはみんなメイド服を着ているけど、その女の子ひとりひとりが商品ってわけではない。
キャストドリンクやチェキ、ライブなどのキャストメニューはなくて、メイドさんたちはお出迎えとお見送りをしてくれたり、お紅茶やコーヒーを淹れてくれたり、お食事を運んでくれる。
外に立ってビラ配りなんかもしていない。

メイド服もクラシカルなロング丈。
ふりふりしてて短くて、パニエやニーハイソックスを履くような、あのメイド服ではない。

イギリスのメイド喫茶の文化を取り入れた、メイドさんがいるだけの飲食店。

つまり女の子産業からは外れている認識。


これら特徴を箇条書きでまとめると
・女の子産業ではない
・メイドさんが仕えるだけのただの飲食店
・メイドさんの女の子は商品ではなく、キャストメニューがない

これが昔ながらのクラシカルメイド喫茶。



2.いわゆる萌え産業のメイドカフェ


20年ほど前、アキバで萌え文化が流行ったころに台頭したであろう、
女の子産業に縁のない方がメイドカフェって聞いて思い浮かべるようなザ・メイドカフェ。
萌え産業ど真ん中。
ここからは女の子産業。

例を挙げるならHoneyHoneyやめいどりーみんやあっとほぉ〜むかふぇみたいな。

メイドさんたちはふりふりの短いスカートのメイド衣装に身を包み、
オムライスやパンケーキにお絵かきをしてくれたり、チェキを撮ったりゲームやライブをしてくれたり。
メイドさんひとりひとり個人のSNSを持っていて、自撮りを上げたり出勤予定のシフトを公開したり、集客のための投稿をする。

タイプ3との違いは、高校生が働けるかどうかかな。

もう少し言うと、メイドさんにお酒をあげられなかったらこのタイプ。
シャンパンが卸せてそれがメイドさんの利益(バック、インセンティブ)になったとしても、メイドさん自身は飲まない。

このタイプのお店はめちゃくちゃ健全だと思うけど、やっぱり女の子が商品ではあるので、おそらく親御さんが良い顔してこなくなってくるのもここから。


これら特徴を箇条書きでまとめると
・萌え文化、萌え産業のザ・メイドカフェ
・キャストメニューはあるがメイドさんにお酒はあげられない
・高校生が働ける(くらい健全)

これがいわゆる萌え産業のメイドカフェ。



3.飲酒ありのコンセプトカフェ


メイドカフェとは名ばかりの、実態はメイドコンセプトのガールズバーやないかい!は全部ここ。
わたしが働いてきたお店もここに当てはまっちゃうかな……。

タイプ2のキャストメニューに加え、女の子にドリンクもあげられる。
ショットも乾杯できたり、みんなでシャンパン飲んだり。
あんまり履歴書には書けない。
もちろん高校生は働けない。(けど卒業見込の3年生とか18歳以上とかでもないのに働いてるお店あるよね…)

最近はこの業態でコンセプトがメイドではない(例えばナースとか妖精とか忍者とか天使とか悪魔とか…)コンセプトカフェもすごく多い。

この記事ではタイプ3のお店を以下「コンカフェ」と呼びます。


ただ、このタイプ3のコンカフェも、以下のように細分化できると思っている。

3-A(カフェ業態)あくまでカフェの体裁を保った、ギリギリ昼職みたいな顔をした手心のある(?)コンカフェ
3-B(夜業態)
:女の子が可愛いコスプレをしているだけのガールズバーすぎる口だけコンカフェ

この2タイプについてももう少し語らせてください。


3-A.カフェ業態コンカフェ

このタイプAの特徴は

・深夜営業なし
 22~23時とかで閉まる
・カフェメニューがある
 
おつまみじゃないフードとかカップで飲むようなカフェドリンクとかね
・連絡先交換禁止
 
女の子とお客さんが連絡先を交換できる店は夜のお店だ。絶対。(繋がりを除く)
・ポケ○ラ等にブログを載せない
 
ナイトワークサイトに女の子がブログ書く店は夜のお店だ。絶対。
・税率10%
 
深夜会計とかを除いて謎に「tax」20%だったり、クレカ会計だけ手数料10%上乗せしたりする店は夜のお店だ。てかtax20%クレカ手数料10%ってなんなんだ。夜でも取るなよ。無法地帯すぎる。
・罰金制度などがない
 これ働く女の子側しかわかんないけど。面接でも聞かされなくて入店してから知らされたりするけど。てか罰金ってなんなんだ。夜でも取るなよ。無法地帯すぎるきっしょいなぁ

って感じ。

まあ女の子と乾杯できる時点で夜職だろと今のわたしは思っていますが、
あくまでカフェの体裁を保ってくれているのがこの3-Aタイプ。
本当にギリギリ昼職の顔をしてくれているので、ギリ履歴書に書ける(わたしの感覚は世間一般の社会人とずれています)。

他にも特徴ってほどではないけどBタイプと見分ける目安としては、

・お客さんに営業をかけていない
 上の連絡先交換禁止にも関係するんだけど、女の子が個人的に特定のお客さんに営業をかけてることが多いと夜の可能性が高い。特に店のみんなそんな感じだと、厳しいノルマとか課されてるかもね。必ずしもではないよ。
・服の露出度
 
SNSを漁れ。女の子がやたら乳や腹を出してはいないか?一部の子とかイベント時だけならいいけど、全員いつもそんな衣装だと怪しい。夜業態の可能性高い。
・イベントメニュー
 季節ごとに夏祭りイベントとかクリスマスイベントとかあるんだけど、その期間限定メニューがフードとかただのカクテルだったらAタイプ。チンチロだのテキポン(テキーラポン酢)だのクライナー半額だの、くじ外れたらショットだの当たったらシャンパンだの、飲酒祭りみたいになってたらBタイプ。そりゃそうだ。
 これもSNS漁れば大体わかる。クライナー大量に並んでる写真上げてる店がカフェなわけあるかよ。

他にも書こうと思えばたくさん書けそうなのでまたコンカフェデビューしたい女の子向けに記事書こうかな。


3-B.夜業態コンカフェ

このタイプBの特徴は

・飲酒で稼ぐ
 クライナーが大量に並べられた写真が上がっていたり、乾杯ストーリーが頻繁に上がっていたり…
・深夜営業あり
 朝5時とかまでやってる。接待行為と深夜の酒類提供って同時にできないけどどうなってるんだろう
・バックが謎のおじさん
 店長は誰かわかっても、バックにいるであろうオーナーの顔が見えません!知らず知らずのうちに反社会的勢力に貢献しているかも!?そうじゃないところもいっぱいあるからね、お飾り店長が立てられている店全部反社ではないと思うよ、多分
・インフルエンサーゲスト出勤が頻繁
・インフルエンサーをオープンのレセプションに招待
・在籍していないインフルエンサーが看板写真
 可愛いインフルエンサーさんたちがお店の制服を着て、可愛いスタジオとかで写真撮って、それが看板やサイトのトップページ、SNSや求人サイトなんかに使われている。必ずしもではないと思うけど、昼業態はそのお店に在籍している(いた)子が写っている場合が多い気がする。
・求人時給が嘘すぎる
 
正直なガルバコンカフェもあるけど!時給2,000円以上を謳ってたらまあほぼ間違いなく夜業態でしょう。
ナイトワークは求人がガチで嘘!(ガチで嘘?) これどうにか取り締まれないわけ?駆逐したい普通に。
 「実質時給2,000円~、時給1,300円」みたいに併記されてたらどっちともいえないかな。まだ判別できない。怪しいけど。

まあ夜っぽかったらタイプBです。要は。


話を戻すと、最近できたコンカフェってこのタイプ3のお店が多数だと思う。

だって、絶対儲かるもんね。単価が高いから。
もちろんどのタイプのメイドカフェも、3,000円で帰ろうと思えば大体帰れると思うよ。
でも、グッズ販売とかなしに即日高額会計が出るのはこのタイプ3。前日の総売上 < 今日の一会計 みたいなことも起こりうる。

こんなんがカフェなわけないんだけど、なんかカフェ面している。笑


わたし、この「コンカフェ」って言葉がすごく適当に良いように使われてる今の風潮がすごく嫌。

コンカフェの女の子として従事している間も、大人になって「元コンカフェ店員の女の子」になってからも、ずっと思うところがある。
だからこの記事を書くことにした。

次章からは今のわたしがコンカフェについて思うことを半ば殴り書きのように記します。



どう見ても夜職なのにカフェを名乗る「コンカフェ」の問題


先に述べたように、東京のメイド文化は
秋葉原の萌え萌えメイドカフェから、池袋のコンカフェ、新宿歌舞伎町のコンカフェ面したガールズバーに流行りが移っていってるイメージ。
実際の店舗数とかは知らないんだけど、トレンド感というか盛り上がり的にはこんな感じじゃないかな。違う?みんなはどうだろう。

で、これら メイドカフェ(タイプ2)〜コンカフェ(タイプ3-A)〜コンカフェもどきガールズバー(タイプ3-B) の属性って別にひとつひとつ独立してはいなくて、かなり連続的で境目はほぼないと言っていい。


わたしはここに問題があると思っている。


メイド文化に憧れた女の子が、簡単に反社の養分となり、夜の世界に堕ちていく*。
(*この表現に職業差別をする意図はなく、まず職業に関わらず皆等しく人権があり尊重されるべきだと考えていますが、それとは別に夜職や性産業はアンダーグラウンドな職業・業界である認識のためあえてこの表現にしています。)

可愛い格好をして、お客さんとお話したりチェキやライブを経験したかっただけの女の子。
その女の子の売上で反社が潤い、辞めさせてもらえなくて飛ぼうものならそれまでの給与は諦めるしかない(違法)し、知りもしなかったグループ店舗全体から出禁ブラックリスト入りとなる*し、女の子の個人情報は反社の手に渡り、いつまで取っておかれているんだかその辺に雑に保管されてるんだか。
(*コンカフェやコンカフェもどきガールズバーが、夜や風のお店と同じグループなのはよくある話。複数エリアで展開してたりもするので、一度出禁になっただけで次のお店選びが困難になることもある、なぜならどれが系列店かぱっと見でわからないから)

こんな感じで、もう気づいたときには綺麗な経歴には戻れない。(それが問題かどうかは人によるけど)


もちろん、わたしがメイドを志したウン年前とも状況は変わっているので、
若い女の子たちも、純粋なメイド文化に憧れている子より、SNSでよく見るようなキラキラコンカフェ嬢に憧れている子の方が多かったりもするのかなと思う。


ただ、そうだったとしてもやっぱり夜職がこんなに身近でハードルの低い職業ではあってほしくない。

理由は、先述した反社との繋がりもあるけど、
まず大前提に夜職は自らの性を売り男性に搾取されるような職業だから。

搾取っていうとまた意味合いが変わってくるけど、最近よく使われてる俗語としての搾取かな。

女の子にキラキラした面を見せて(これをしているのは女の子なのもグロい構造)、カフェって謳ってハードルを低くして、カフェだから昼職みたいな時給で(本人も知らず知らずのうちに)夜職に従事させる。

この業界に詳しくない方々からすると、コンカフェは女の子がお店の主役で、キラキラした女の子が弱者男性からお金を巻き上げるような仕事に見えるかもしれないけど、
実際のところ、女の子たちはほとんどが搾取される立場である。

夜職全般、女の子が性を売って、それで儲けているのは基本バックでトップの人間(大体男性)である。

わたしはこの夜職の構造を批判したいわけではない。
なるべくしてなっていると思う。
「女の子」を男性に向けて売るにあたってともなう男性からの危害のリスクは、結局おっかない男性で対処するしかないのだ。
(危害を加えるのも男性、その男性を抑えられるのも男性……女ってなんて弱い生き物なんだ……。)

だからこの構造は理解しているが、これが昼職みたいな顔をしてのさばっているのが問題だと捉えている。


女の子がめちゃくちゃ稼げるならまだわかる。搾取されている感じが薄まるから。

でもコンカフェはカフェなのだ。

ガールズバーみたいなことをさせられながら、それに加えてSNSにデジタルタトゥーを刻み、チェキも撮り、お店によってはライブも披露し、
カフェの時給をもらい、ガールズバーみたいなノルマやペナルティ(違法)を課せられる。(ここまで酷いお店はそうないと信じたいが)

ガールズバーは夜のお仕事だからな、って躊躇したかもしれない女の子が、コンカフェの名のもとあっという間にここに辿り着く。


18歳かそこらの女の子が、ここまでの知識にアクセスでき、あらゆるリスクへ考えが及び、覚悟を持ってこの仕事に従事するだろうか?


女の子やその保護者に事態の責任を押し付けて、問題を個人の責任へと矮小化して、なかったようにするのは簡単だけど、
やっぱりそれじゃ第二第三の悲劇が生まれるだけで何も変わらないから、
そもそもの事態が起こりにくいように社会の仕組みを変えていった方が良いと思うんだ。


メイドさんになりたかった女の子が、よくわからないうちに夜職に足突っ込まないように、できるならばゾーニングしてほしい。
どこかで線引きをして、名称も分けて、求人媒体なんかも変えてほしい。
若い子でもひと目で見たら(これはメイド服を着るだけの夜職だな)ってわかるようにしてほしい。
ちょっと求人への応募を躊躇するような、その上で覚悟を決めた子しか応募しないような入口であってほしい。


現実問題それは難しいから、わたしは今このnoteを書いている。

わたしは元女の子なので、女の子がどれだけ弱い立場にあるかもわかるし、気づいたときには搾取されていた、みたいな事態からはなるべく守りたい。

そのときは楽しく働いていても、女の子がいつか大人になったとき、気づいてしまう人は一定数いて、それで割り切れる人と後悔する人がいる。
わたしはなるべくこの後悔する人を減らしたい。


女の子、かなり意志を強く持って賢く気高く生きていかないと、簡単に搾取される。
この業界に限らずね。



「コンカフェ」が憎くて、大好き。


わたしは結局のところ、コンカフェが大好きである。

上であれだけ書いたけれど、憎いのは利益のために女の子やその将来を尊重しない構造。
メイドさんを志したところから自分の人生は間違っていたのかと思いつつも、
コンカフェ人生で出会ったキャストの女の子たちも、お客さんも、大好き。
今でも自分がお客さんとしてコンカフェに行くのも好き。コンカフェの空間が好き。
店員側としても客側としても、本気で出会えてよかったなって思う出会いがたくさん。

わたしはどう生きたってたぶんメイド文化への憧れは捨てられなかったと思う。
ここまでコンカフェがのさばった今も、メイド文化にロマンを感じている。


まあ自分の娘がメイドさんなりたいって言ったら一回は反対するけどね。
わたしもいまだに親には言ってない。
就活の場や友達にはかまわず言ってるけど。
わたし両親にすごく大切に大事に育ててもらった自負があるのに、なんかこうなっちゃった。 (もうとっくに大人なので他人様の娘を…!みたいに申し訳なく思わないでね)
こんなんだから自分の娘も反対したって聞かないだろうな、自分の娘だもん。わたしまだ結婚もしてないけど。

……メイドなんて所詮そんな職業である。

メイドもコンカフェ嬢もキャバ嬢も風俗嬢もセクシー女優も、どれだけ持ち上げたって、どれだけキラキラして見えたって、
自分の娘にはなるべくさせたくないし彼女にもあんまりしてほしくないしまず付き合いたくもない、これが答えなのだ。


わたしはメイド文化もコンカフェで出会ったみんなも大好きだし(2回目)、
コンカフェ人生で培ったさまざまな能力は今に活きている。
この2点は胸を張って言える。

後悔が全くないわけではないけど、わたしの性格や当時の未熟さを思えばしょうがなかったなと割り切れているし、後悔を凌ぐほどの出会いや能力を得ているから、大丈夫。


そりゃ綺麗に生きたかったけど、もう過去は変えられないから、これからの自分の人生ハナマル大正解にするしかない。

これからのわたしの生き方が、わたしの過去をも肯定してくれる。


末筆ながら、この業界がクリーンでより魅力的な業界になりますよう心から祈っています。




おわり

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