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戦隊レッドの話をしよう。(0)
皆がジークアクスでワーキャーいう中、ワイは別の作品にどハマりしてゐた。
【オープニングテーマソング1】
そう、【戦隊レッド 異世界で冒険者になる】──である。
まぁ、普通に考えてこの題名だと前に書いた「順列組み合わせ」作品だと思うだろうし、ワイも最初その様な色眼鏡で見ていた。ほー、面白い視座持ってきたなー
かぁるく見てみよかー
ここで少々釣りの話になる。岩場とか堤防の近くに住んでるお魚ちゃんになったつもりで読み進めてくれ。
君もこの岩礁に棲みついて長いから、今日もきょうとて上から冷たい小エビが降って来るのは人間どもが僕らを釣り上げようとしていると理解している。よく見て美味しいとこだけ摘んで「釣り上げられない」様にしようと。そう考えて「騙されないぞ!」と眉に唾してコマセ食いに行くわけだよ。
ところが、コマセだと思い込んでた小エビちゃんは、実のところ全てサビキ針であった!
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しかもそのサビキ針があっちこっちに複雑に接続されており、よく見ると海面上に展開された網の結び目から無数のサビキ針がぶら下がっているんだよ! 口が引っかかって「うぉ、マジか!」と身体をくねらせるとまた別の針が身体に食い込み、なんかもう最終的に雁字搦めになるんだわ。コマセだと思った物の内、実に6割ぐらいがサビキ針であった!
これが、私が戦隊レッドにハマった経緯を模式的に解説した話になる。
とんでもない作品だった。物語を書く人は原作漫画だけでもいいから一読をお勧めする。なんかこれ伏線密度が半端ないし、かと言ってストーリーラインやプロットの組み立てが疎かにはなっていない。
一応本作、ニチアサの戦隊モノのレッドが諸般の事情(これがもう伏線のかなりぶっとい軸線のひとつ)で異世界転生して冒険者始めるって流れなんだが……
もうね、こっから原作者の術中なんだわ。
元々漫画原作はこの「ニチアサ枠のオリジナル戦隊モノの漫画」として起案されて50話分の概略組んだらしいのだが(この時点で些か狂人じみている)
連載開始時に最終話までプロット組むバカ居るかぁ?
編集者はその素案見て、最終回のレッドを異世界に転移させようと無邪気に提案する。この時点で1年分50話相当のストーリーラインは新作物語の基礎(基本設計)となった。そしてその基礎をベースにその先を描けと言う。
この担当編集はドSであろう。
ところがこれが功を奏した。
言わば、出汁とか飴色になった炒め玉ねぎ2倍量のカレーである。基礎の味付けが2倍となり濃厚さを際立たせつつ匠のワッザで再構成。
君は物語2つ分のプロットやアイデアを豪勢に1つの作品にぶち込んだことはあるか?
普通は無いんだよ。思いつく着想は有限だから、作家的には1作品1アイデアで話を紡ぐ。複数アイデア重ねても「食い合わせ」みたいなものあるし。なろう作品とか見てみろ。1アイデアで展開するぐらいならまだ優秀だ。素材の順列組み合わせだけでダラダラと状況推移を文字列化してる作品のなんと多いことか!
本作を評して「所詮なろう系」と言ってる人物見かけたりしたが、そいつは多分、10センチにも満たないサイズでなろう系の釣り針に食いつく残念なお魚ちゃんなので気にしなくて良い。
まぁ、これがとっかかりで……こっから先万単位の文字列を垂れ流す羽目になる。ここがダメだ、ここが足りない、こんなことも知らんのかと大河内をDisったのと異なり、キズナファイブと戦隊レッド(以下略)と、
その作品により絆を結んだ勇者たちのオーケストラだ。
誤解を恐れずに言おう。奇跡が起きてる。
次回予告:
原作者の中吉虎吉氏は自覚なき?島本和彦師の後継者だってはっきりわかんだね。
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てかさ、ニチアサの戦隊モノって若年層向けの「パルス調整番組」なんちゃうか?
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