
Johnny, Be good! (11)
はーい! ひっさしぶっりっ! 人間フォークリフトのジョニーさんですよー! みんな元気? 寒いからって縮こまってない?
「マグナス、シールドだ!」
「ボー! 左からトロルが来る!」
「ジョニー! 腰抜かしてる場合かっ!」
「ギリアム! 起きろギリアム!」
はーい、大変な事になってますねぇ。ここはダンジョン地下3階。今ジョニー君は冒険者パーティの荷物持ちとしてハードな毎日を送っています。いやぁ、Pガイストの術って殆ど無制限に物を持ち上げられたんだねぇ。ジョニーさんもびっくりだよ! この世界の魔法で一般的なテレキネシスやフローティングディスクよりも高度な術だったらしく、この力を見込まれて冒険者として強制徴用。職業選択の自由アハハン♪ そんなものは、なかった。
「いかん! 逃げろジョニー!」
えいっ☆
危うくトロルの棍棒でペチャンコにされる所でしたが、トロルごとPガイストの術でポイーしてゴーレムにぶつけてみました。いやぁ、魔法って本当に素敵ですね。
「……っ……中(なか)ジョニー……そんなん出来るなら……敵倒すの手伝え……」
「ギリアムさん、僕ポーターの筈……」
そうそう、良いぞジョニー君。ビジネスは契約重点。僕らポーターとしての報酬しか貰ってないもんね。ところでギリアム氏、腕変な方向に曲がってるけど治療要る? 料金別途だけど。
「ジョニーさん……ひでぇよ」
ジョニー君、ギリアムと初めて会った時を思い出すんだ。いきなり化け物とか言ってきたあの日のことを忘れちゃダメだぞ。
「で、ここよ」
禍々しい扉の前。重厚な扉には取っ手が無く、何事か絵文字の様なものが刻まれている。ジョニーさん分かっちゃった。これ「開けゴマ」式のキーワードロックだね!
「……何それ、ジョニーさん?」
(ナゾナゾ、かな? ジョニー君)
「さ、頼むぞジョニーさん。Pガイストの術で開けちまってくれ」
「「へ?」」
「力はパワーだ、ジョニー」
「俺らもリドルだと思ったんだが、なーにやっても開かなくてね……壊れてんじゃないか、これ」
「5階層まで巡ってここだけ開かないんだわー、すっげースッキリしないんだわー」
「今日こそここを開けてスッキリしたい。なぁに、何も無いなら何もないで良い。未探索というのが気に入らんのだ」
そんなもんなのかなぁ? 開かないのは開けちゃならない理由があるんじゃ無くて?
ま、お仕事だから開けますが。
顕現せよ! 無限ぢから!
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