志が低いなぁ
ちゆさんとこで、オタク用語の辞典の話を見た。
大限界ってゆーらしいが、これ日本初の国語辞典「言海」の系統に連なる「大言海」のパクリっすね。
物知りおじさん界隈ではこの本めちゃくちゃ有名でしてね。近代日本語辞典としては最古のものなんで、日本語の変遷の過程調べるならほぼ確実に「当たらなければいけない一級資料」なんですわ。
例えば「ひとごと」なんて言葉がある。元は人事と書いたのだが、後に人事という言葉が出て来て他人事と書いたり、漢字をひらいて「ひと事」と書いたりする様になった。こういう日本語の変化は古い国語辞書から順に調べて確認できる。この様な言葉のアップデートがあるから国語辞典は定期的に買い替えなきゃいかんし、定期的に改訂しなきゃならんのさ。
オタ用語にしてもだよ。新しい文化であるからこそ用語の変化が激しいし、語義も微妙に変わる。この変化の過程をしっかりキャッチアップして「歴史」を後世に伝える為にもオタ用語辞典は識者集めてガチに編纂した方が良い。何処の馬の骨か分からない、なんか用語の意味もよー分かってないクソ雑魚女子大生に1000や2000の用例編ませて大言海をパロるとは見下げ果てた根性である。三省堂は猛省せよ。
言海は元々文部省から出す予定だったが予算が無くて編纂者の大槻が自費出版する条件で稿本が下げ渡しされた。つまり言海は一種の同人誌的性格も持っているのだ。
まだ間に合う。まだオタク第一世代がかろうじて生き延びていれる現在なら間に合う。サブカルとか低俗と呼ばれる分野は記録に残り難い。日本の大衆小説とかエロ本なんか一時期の悪書追放運動のせいで図書館にも残っとらん。アーカイブとしての機能が不全になってしまっている!
真面目にやれば後世に輝く一級資料になり得たものを、アホがバカやって無駄にした。誠に残念な事である。昨今の流行りに併せて「シン・大言界」とでもして4万語ぐらい網羅したオタ用語辞典編纂が待たれる。