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#49 訓練内容はどこまでが含まれるの?

こんにちは
tatsuyaです。

これまで、個別機能訓練加算について整理してきました。今回が個別機能訓練加算について最後となります。

本日は、「個別機能訓練はどこまでが訓練に含まれるの?」について整理していきたいと思います。



■結論


ちょっと回りくどくなるかもしれないので初めに結論です。
個別機能訓練の訓練内容は、その方の生活に必要なことはすべて対象になり得ると考えています。


1.個別機能訓練は一緒に歩けばいいんですか?


看護師さんから相談されたことがありました。

「機能訓練は一緒に歩けばいいんですか?」

「ケアマネジャーさんからも歩かせてもらえるんですか?って聞かれたんですけど。」

「歩ける方も歩行練習ってするんですか?」


機能訓練の内容に関しては、集団で体操をしてもらえる、歩く練習をしてもらえるというイメージが多いと伺ったことがあります。

あながち間違えではないかとも思いますが、理学療法士はどういうことを考えているかを少し紹介します。

1)まずは、「心身機能」にはどのような事が含まれるかを考えてみます。


代表的な用語としては、「下肢筋力」が挙げられるかと思います。

前回の評価項目でもまとめましたが、
「認知機能」
「情動(意欲)」
などの精神機能ももちろん心身機能に含まれます。

そのほかに、
「疼痛(痛み)」
「摂食機能(食べる)」
「排泄機能(尿・便)」
なども心身機能に含まれます。

このように、
人間の体に備わっているもの全てが心身機能の対象になり得るということです。

2.「活動」と「参加」について考えてみます。


そして、活動と参加に関しては、
起居動作(起きあがったり、立ち座り)、
歩行動作はもちろんでありますが、
日常生活動作(食事、排泄、入浴、更衣)
も活動に含まれます。

活動の内容が自宅内の自身だけに留まらない場合には、
買い物や料理家事
もしくは仕事趣味活動
を行っている方はそれらも「参加」の対象となります。

活動と参加には、人間が生活する上での営みすべてが対象になり得るということです。

※厚生労働省のLIFE活用の手引きにすごくわかりやすくまとめられておりますので、LIFEを活用していなくても是非、一読されることをお勧めします。

https://www.mhlw.go.jp/content/12301000/001247219.pdf

厚生労働省 HP 科学的介護



そのような観点で考えると、その方にとって「歩くこと」が必要であれば歩行練習を行ったほうがいいということになるかと思います。
そこまで歩く必要がないのであれば、生活に必要なことを本人と一緒に探していくことが重要であると考えます。

そしたら、「歩ける方にも歩行練習ってするんですか?」という問いにはNO(する必要はありません)となるかもしれませんよね。


それでは、このような方の歩行練習はどうでしょうか?

自宅の中は問題なく一人で歩けます。しかし、疲れるので長くは歩けません。


①この方の目標が「近所のスーパーまで歩けるようになる」であれば、歩行の中でも【持久力】の問題がありそうなので歩行練習をする必要はでてきますよね。

②この方の目標が「家の前の道路を渡れる」であれば、歩行の中でも【速度】の問題がありそうなので、これも早く歩けるように練習をする必要はでてきますよね。

③この方の目標が「糖尿病のコントロールをできる」であれば、【運動習慣】に問題がありそうなので、定期的に運動が行えるように歩行練習をする必要がでてきますよね。

このように、同じ歩行練習であっても、目的が違うことがあります。


理学療法士は利用者と一緒にただ歩いているだけとみえるかもしれませんが、このようなことを考えながらプログラムを作成しています。
おそらく作業療法士さんも認知課題に関して、同じようにことをしているように見えても目的にあわせて課題を提供しているのではないでしょうか。

機能訓練はその方の生活にとって必要なことは、すべて対象になり得ると考えており、
なにをするか(方法)」よりも「どんなことが必要か(目的)」を明確にすることがとても大事であると考えます。

【目的】が明確になれば、おのずと【方法】は決まってくるかと思います。

2.まとめ

1.個別機能訓練の訓練内容は、その方の生活に必要なことはすべて対象になる。
2.「なにをするか」の前に「どんなことが必要か」を明確にすることが大事


以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

次回は、「ADL維持等加算」について整理していきたいと思います。

それではまた、次回お会いできれば嬉しいです。
介護報酬を追い風に、一歩ずつゼンシンしていきましょう。

「制度に関して興味がでた」「介護保険をもっと知ってみたい」と思っていただけましたらサポートをして頂けるとありがたいです! 今後も介護報酬の改定が施設にとって少しでもプラスになるように継続して行なっていきたいと思いますのでよろしくお願いします!