見出し画像

人生の縁に立つ

徹底的に心を折られたことがある
徹底的にダメになったことがある
そうなるともう、根本的に変わってしまう
二度と元には戻らない
表面的には元気そうに見えたとしても、中身はもう腐り果てていくしかない
人生の縁を目にする
一度でも人生の縁に立ったことがあるならば
もうその縁から一歩踏み出して落ちることを、心の中で思い描いて生きていくしかないのだ
単純な事実 決定的であり、絶望的
ただただその状況が心を支配している
縁から下を見下ろしたまま、
後ろで楽しくやっている人達の声を聞きながらも振り返ることはなく
ただ、いつか自分が落ちていくその闇から目を離すことが出来ない
じっと見つめ、歯を食いしばる
そうやって生きていく
人生は失われる
太陽が昇っても、それは私にとって新しい一日ではなくなる
太陽が沈んでも、それは私にとって一日の終わりではなくなる
私にとって、それは明日ではなく、今日ではなく、時間ですらない
決して流れはしない 進みはしない
将来が真っ暗なのではなく、光が見えないのではなく、そこに存在しない
光が届かないほど暗いのではなく、そのものが存在しない
未来は断ち切られ、ただ何も見なくなる
何故なら「今ここで、消えたい」というそのことに囚われているから
ほんの少し、傾けばそれで終わりの場所に立っている
今は落ちていないだけで、ここから踏ん張ろうなんて気も起こせない
まだ落ちていないけれど、たまたま落ちていないだけで
ただ虚しく突っ立っているだけ
でも、何かのきっかけであと少しだけ身体が傾けばそれで終わり
バランスを崩して、それで終わり
いつ傾いてもおかしくはない
ふとした瞬間に、もう落ちているかもしれない
人生の縁からいつでも、すぐにでも、こぼれ落ちる場所で
ただ死を見下ろして
身動きもせずにじっと見つめている
何もかも消えて、見えるものは足元の死だけ
破滅の縁でほんの少し重心を傾ければ、それで終わり

いいなと思ったら応援しよう!

ひっそり生かされているひきこもり
最後まで読んでいただきありがとうございました。 いただいたサポートはお米や野菜、卵などに使わせていただき、私の血となり肉となります。 深く感謝いたします。