見出し画像

正しくない対処だとわかっていても

相手の勘違いから、理不尽に怒鳴られる
私はその攻撃的な声と言葉に恐怖しながらも、その感情を隠す
消えかかる冷静さにしがみつきながら説明をし、誤解を解く
相手からの謝罪はなくとも、その場が収まったことを良しとして、
心の隅にちらつき始めている怒りを遠ざける
中断していた作業を再開し、没頭しようとする
けれど、沸々と込み上げてくる
気付けば、自分の内側で相手を論破し、罵倒し、謝罪を要求している
そして悲しみに襲われる
怒りという感情を抱えている自分を醜く感じ、ただただ悲しみに沈む
自己嫌悪の穴に落ち、その頃には相手の姿は跡形もなく消え去り、
私は私を痛めつけることだけしか頭にない
醜い自分を罵倒し、私は謝罪する
欠点をあげつらい、過去をほじくり返し、切り刻む
湯船の中、自分の腕を強く噛みながら呻く
ベッドで寝返りを何度も打ちながら、涙が滲んでくる弱さに腹を立て、
自分を詰る
けれどそれは赦しだ
自分を懲らしめることで、自分から赦しを与えられる
私が私を襲い、精神的、肉体的に虐待することで私は私を守る

いいなと思ったら応援しよう!