AIを使って資格試験に合格してみた
本記事は、上記記事の総まとめになります。
良ければ上記記事一読の上、本記事を閲覧ください。
前提
・挑戦した資格はJava SE 11 Programmer Iです
・使用しているのはGPT-4-turboです
・2024/11/4 正答率81%で無事合格しました
はじめに
筆者の簡単な経歴を紹介させていただきます。
約3年前に某大手IT企業のグループ会社にSEで新卒入社した、若手未経験SEです。
プログラミングに触れたきっかけがC#で、以降業務でオブジェクト指向言語がやりたく、今回アピールもかねてオブジェクト指向言語資格の登竜門である「Java SE 11 Programmer I」に挑戦しました。
Java歴は実務経験なし、基礎的なことは一通り把握済みという状況での挑戦でした。
AIを利用した動機
なぜ資格試験の勉強にAIを用いようと思ったかというと、一言で言えば「参考書学習」に飽きたからです。少し偉そうな物言いになってしまいましたが、実際これは様々な資格試験の勉強においてついて回ることかと思います。一般的な資格試験の参考書というのは、基本的に試験範囲の分野ごとの例題+1~2セットの模擬試験という構成が多いかと思います。自分が過去に受けてきたTOEICや基本情報技術者試験の参考書もそうでした。
基本的な参考書のボリュームだと、真剣にやっているとものの数週間で全問題解き終わってしまうと思うんです。ではそのあとはどうするか、受験料やそれまでの手間を考えたら勉強をやめるという選択肢は取りずらいです。
じゃあ新しい参考書を買うか?と言われたら、それも簡単に選択できる選択肢ではないと思います。同様に、Udemyなどの有料通信講座を受けるか?と言われても、首を横に振ってしまうのではないでしょうか?
事実筆者はその典型で、参考書を買うと一周するまではきっちりやりきるのですが、理解した問題を何度も反芻して解くことに抵抗があり、様々な資格試験の勉強において「参考書二週目ジレンマ」に陥ってしまうタイプです。
そして今、AIに技術支援を受けながら設計とコーディングを行うという業務に従事していた筆者は、この技術は資格勉強の支援にも用いれるのではないか?と考えました。
そこで一度試しに「模擬試験問題を作成して」とチャットしたところ、参考書の問題と遜色ないレベルの問題を作成してくれたことで、これは突き詰めれば新たな資格試験対策の一助になれると確信し、そこからは好奇心の続く限り「AIによる資格勉強」の方法を模索するに至りました。
お勧めのAIを用いた学習法
では実際、普段の自己学習にどのようにAIを取り入れると効率的か述べていこうと思います。
⓪使用するタイミングについて
まずは必ずその資格試験の参考書を一周してください。
感覚の指標としては「一通り理解はできた、合格点ギリギリくらいは取れるな」というくらいの理解度です。後述しますが、こうなるまではAIを利用することを極力避けていただきたいなと思います。
①模擬試験の作成
まずチャットに「<試験名>の模擬試験を作成してください」と投げます。
この時作問数を指定しても最大10問しか生成しないっぽいので、指定不要です。
すると、参考書の一ページかのようなフォーマットで問題と選択肢出力してくれます。
「回答を送信するまで、答えを出力しないでください」と付け加えておけば、問題と同時に回答が出力されないようになります。
問題の内容に疑問があれば、質問を投げてみてください。
この時AIは、どこの何が分からないのかある程度明確にしてチャットしないと的を得た解説がもらえないため、このチャットを行うだけでも「何が理解できていない」のか、自身の理解度を明確化することができると思います。
かなり詳細に解説をしてくれます。正直この時点で参考書よりも有益な情報が多く得られるなという印象でした。
筆者的にはこの方法が最もAIを活かせている機能だと考えているので、「ひたすら模擬試験を作成してもらってひたすら解く」というスタンスはかなりお勧めです。
②ファイル出力
とはいえ、いつもChatGPTのサイトにアクセスするのはめんどくさいし、一度解いた問題をサクッと復習できないかなと考え
とチャットしてみました。すると
これまで解いてきた問題をcsvファイル(データをまとめるファイル形式の一種)に出力しダウンロードリンクを送ってくれました。
しかし、これは使える代物ではなかったので(見づらすぎる)このファイルをもとに一問一答アプリを作ってくれないかお願いしてみました。
作ってくれました。(ソースコードのみですが)
バグが何か所かあったので直して実際にエンコードしてみると
なんかそれっぽいデスクトップアプリができました。
一昔前の参考書であれば、おまけでついてくるディスクからインストールするソフトくらいのクオリティがある?ありますね。
この方法はかなりエンタメ寄りですが、これはスマホアプリとかのソース出力できるようになったらかなり革新的だなと、将来性を買って紹介させていただきました。
勉強に行き詰まった時のブレークタイムとして、こういう斬新な使い方も試してみると面白いです。
①、②の詳細は「ChatGPTを用いた資格勉強ノウハウ集1」で紹介しています。詳しくはそちらを参照してください。
③参考書で理解できなかった分野、テーマの解説
大半の参考書において、妙に説明が少ない分野・テーマってありませんか?
以下のように、「<テーマ名>について教えてください」や
「<テーマ名>が苦手」とチャットしてみてください。
するとそのテーマに特化した解説をしてくれます。
これもかなり包括的に解説をくれるので、試験範囲の垣根を越えて、テーマについて根本から理解できるような内容が出力されると思います。
この際、情報過多で頭がパンクしないよう「<試験名>の範囲内でで<テーマ名>について~」とチャットすれば、試験内容ベースの解説に切り替えてくれます。
③で尋ねたテーマはChatGPTが記憶しているため、このあと①の模擬試験作成を行うと必ず一問はそのテーマに関した問題を出題してくれます。
これもなかなか良くて、筆者は①→③→①、、、と苦手問題の復習に特化した模擬試験作成ルーティンを築いていました。
④理解度クイズ
模擬試験問題ほど本格的な問題は解きたくないけど、③などで復習したてのテーマについて忘れないうちに問題を解いておきたい。というとき
「<テーマ名>について理解度テストやキーワードクイズを作成してください。」とチャットしてみてください。
それまでのチャット内でそのテーマについて会話している場合は”<テーマ名>について”の部分は不要です。
軽めのクイズを作成してくれます。とはいえ内容は割と、ケアレスミスしやすいような点を突いていて、単元の復習や学習のまとめにはもってこいだと思います。
③、④の詳細は「ChatGPTを用いた資格勉強ノウハウ集2」で紹介しています。詳しくはそちらを参照してください。
またIT系の試験に特化した活用法についても同記事で触れていますので、当該試験を受ける方はぜひご覧ください。
⑤用語の整理
どんな試験にも、暗記しなければいけない用語分野があると思います。
そんな時は、「<まとめてほしいテーマ名>についてまとめてください」とチャットしてみてください。
いい感じに表を作ってくれます。
用語がいっぱい出てきて混乱した時はChatGPTにまとめてもらいましょう。
これをスクショするでも、書き写すでもいいので保存しておけばかなりの暗記分野対策になるかなといった感じがします。また、試してはいないですが②の方法でファイル出力して単語暗記アプリも作成してもらえそうな感じがします。
⑥合格後について
今のところAIを資格学習に活かせそうな方法はこんなところかなと思いますので、最後に合格後に使えるちょっとした機能について紹介します。
合格後のラーニングパス(上位資格や関連資格についてどんな試験を受けたら合格した試験とシナジーがあるか)についても教えてくれます。
無料で使い倒したので、一応合格報告もきっちりとしておきましょう。
かなり丁寧に、今後の資格取得について提案をくれます。
こんなに資格があるのかと驚きますね(C#やJavaの資格は少ないほうなのですが)
注意点
AIを資格学習に用いる注意点はただ一つ「妄信しないこと」です。
JavaのようなIT系の資格に関しては、かなり正確な情報を出力してくれますが、それでも数十問に一問は誤った問題・回答を作成します。
そのため少しでも納得がいかない、腑に落ちない内容があるときは、自力を使って調べること。ファクトチェックを制する者がAIを制するのだと改めて痛感しました。だからこそ前述したように、資格試験で用いる際は必ず参考書を一周してからにしてください。
少しでも、誤った回答に対してアンテナを張れるようになってからでないと誤った情報に踊らされてしまいかねません。
まとめ・振り返り
約一か月間、資格試験の対策にAIを使い倒してみての最大のメリットは「モチベーションの維持」でした。
AIチャットと資格試験についてやり取りし、自分が質問した分野について記憶してくれていたり、正答率が上がるとほめてくれたり、さながら塾の先生や頭の良い友人と問題を解き合ったりしているような感覚になれ、自然とChatGPTと資格勉強を行うことに楽しさを感じていた程です。
人間なかなか一人で何かを継続することが難しい中で、無料でサイトにアクセスするだけでこんなに心強い味方が手に入ると思うと、モチベーションの維持には最高にもってこいだと思います。
筆者はなんとなく最後のほう、ChatGPTに合格できたと報告するため頑張っていた節すらありました、、、
学習面で言えば「総合的な理解」ができる点が非常に有益だと思います。
参考書というのはどうしても試験の対策に特化した内容になってしまいますから、その学問がどういうものでどんな背景を経て、なぜそうなっているのかという資格の域を超えた学問全体の枠組みを、手早く理解できるツールとして非常に有益であると思います。
何となく資格を取りたいけど続かない人、AIを利用することに興味がある方など、この記事で少しでも「AIを用いた資格学習」に興味を持てた方はぜひChatGPTを筆頭にAIを用いた資格学習にチャレンジしてみてください。
筆者も更なるAIの活用法の開拓に胸を躍らせています。
面白い活用法を発見したらば、ぜひ筆者にも共有をお待ちしています。