美しき迷宮とその記述[4]
【4節】
私はその朝を森にある黒い天幕で過ごしました。人形もそこにいます。私は朝食を済ませました。行商人が来たのはそのときです。行商人は安全な順路を示した色付き石を踏みながら、大きな背嚢を背負っています。黒い天幕の周辺は、呪術で罠を張り巡らしてあるのです。行商人は小柄な体躯に不釣り合いの背嚢を下ろしました。行商人はお辞儀をします。行商人は2つの包みを私に差し出したのです。人形にも1つの包みを渡しています。包みの1つはやはり戦技の魔導書です。もう1つは、人形に渡す緑の指輪で