【大学院受験に向けた読書(学習)方法】 他大学・他分野に合格した学部生からのおはなし②
パー蔵です.
早速ですが, 僕がお勧めする読書(学習)法は, 『循環型読書』とここでは名付けておきます.
この『循環型読書』は, 僕が大学院受験に向けてさまざまな読書(学習)法を試した結果, 最も効率的かつ身になったと実感した方法です.
大学院受験に限らずなんでもそうですが, 勉強し始めの頃に必ずぶつかる壁が, どのように進めればよいかわからずもどかしく, 時にはストレスにすら感じてしまうことではないでしょうか?
これからおはなしする『循環型読書』を実践することで, この「とりあえず〇〇の方法で読書(勉強)してるけど, 身についているかわからなくてどこか不安だ」というような感覚を少しは軽減することができるかと思います.
1. 表紙や目次のキーワード(重要語句)を確認
特に自分の専門外の分野の本を読むときに大事なのは, "表紙や目次の語句を見て, 文章の内容をどれほどイメージできるか"ということです.
本を手に取った瞬間に本文を読んでから読むべき文献かどうか考えたり, いきなり本文をはしがきの部分から一語一句読み込もうとする人がいますが, これははっきりいって効率が悪すぎます.
本は確かに一冊をもってその内容を伝えきるものですが, 大事なことは『あなたがその本から得たいものは何か?』です.
何をするにしても, その行為を行う上で意識すべきは目的です.
それは読書も同じこと.
ですから, まずは自分がその本から得たいことが書かれていそうなことを, 表紙や目次から確認し, 章や節などの差し当たり読む箇所を決めます.
そして, もしそこで確認した語句の定義がわからなければ, 印でも付けるか付箋やメモなどに記しておきましょう.
大抵の場合, これらで見られる語句というのは, 本文にて説明されていますが, 一般的な定義程度は調べておきましょう.
※全てが新しく何を重視していいのかいまいちわからない人は, 次にお伝えする方法から始めてもらっても問題ありません. ですが, できるだけ読書をする目的は意識づけしておくと, より効果が高まるかと思います.
2. キーワード(重要語句)だけ拾い読み
目次から読むべき箇所を定めたら, 本文で著者が重要扱いしていそうな, あるいは自分自身にとって重要だと考えられるキーワードだけを拾い読みすれば良いです.
読書をしようと思うと, 多くの人が1行目からしっかりと読み込まなければいけないと考えてしまうかと思います.
もちろん僕もこれまではそうでした.
ですが, それでは明らかに効率が悪いということに気づきました.
なぜなら, とりわけ大学院受験に向けた読書(学習)上で一番重要なことは『著者の主張とその根拠を理解することです』
特に著者が重視している主張やその根拠には, 大抵何かしらの専門用語が使われています.
その専門用語をまずは押さえておかないと, なんとなく程度で理解しているからといって軽く読み進めてしまっては, 主張やその根拠が"具体的に何を指しているのか"わかるわけがありません.
少し話はそれますが, 丁寧に読みすぎる人ほど"一度読んだだけで頭に入れようとしがち"です.
それでは, 読んでいく中でわからないことが多くなり, あるいは読むのが退屈になってきて, 読書が苦痛に感じてしまいかねません.
大事なことは『一度読んだだけで本の内容を理解できるほど自分の頭はできちゃあいない』という自覚を持って, 数回読み直す必要があることを念頭に読書を進めることです.
この読書に対する意識は, この後に続く読み方でも基礎となりますので, ずっと持ち続けていてください.
3. 重要な文章の解説練習
キーワードを押さえたら, あとは著者の主張やその根拠が示されている, あるいは自分自身にとって重要と思われる文章の文脈を理解し, 口頭ないしは文章で解説してみましょう.
マインドマップなんかを使って前後の文脈関係を把握するのもありです.
「これじゃあいきなりすぎないか?」と思う方もいるかと思いますが, ”キーワードだけ拾い読み”をしている中で, 文章はサラッとではあるが読み通しています,
つまり, この段階で既に2周目に入っているのです.
本の読んだ箇所の文章量にもよりますが, キーワードを拾うだけなら, 2~3日程度で読み終わらせられるかと思います.
ここでもう一度, 読書をする目的を確認し, 自分が選んだ文章は解説するに値するかどうかしっかり判断しましょう.
ここまでこれば, 既に本を2周読み終えることができ, かつ著者あるいは自身にとって大事だと思われる箇所も具体的に把握することができます.
ここまでで大体1週間から, 授業課題やバイト等で忙しくても2週間程度(一日1〜3時間程度の計算)と考えていただければ良いかと思います.
※時間数まで申し上げると, ”読むこと”を忘れてタイムアタックのように時間が目的化してしまいかねないため, せいぜいの目安として日数で期間を申し上げることにしています. ただし, この期間も著書のページ数や個人の読書速度によりますので, その点ご了承いただければと思います.
4. 研究計画の内容にどう位置づけられるか説明
ここからは, ある程度複数の文献を読み終え, 研究計画の形がふんわりと出来上がってきた段階で行った方がより効果的です.
ここでは, 再度文献(特に, 「問い」「仮説」「結論」を中心に)読み返していく中で, 読んだ文献があなたの研究計画の中でどのような位置付けになるのかを説明する作業を行います.
ここで初めに話した, 『あなたがその本から得たいものは何か?』という目的を意識することが大事だという内容につながってきます.
大学院受験を受ける学部生の目的は必ず『その文献が, あなたの研究計画との関係でどのような位置付けになるのかを把握すべく, 著者の主張とその根拠を理解すること』といった内容になるかと思います.
あるいは, 僕のように学部での専攻とは異なる分野に進学することを希望する方は, 『基本的な知識を身に付けること』が目的になる場合もあるかと思います.
いずれにしろ, (国内の)大学院進学を希望する方はみんな, 研究計画を書き上げるために読書を始めます.
ですから, 読書をすることで『研究計画におけるその文献の立ち位置』を説明できるようにならなければ, 正直ただ趣味で読書している人と同じです.
ここで先ほどから出てきている"研究計画における位置付け・立ち位置"といった表現がわからない人もいるかと思うので, その解説をします.
簡単にいうと, 『研究計画を書き上げるときにその文献がどのような点で参考になるのか?』ということに対する答えに当たるものと考えていただければ, はじめのうちは問題ないかと思います.
具体的には, 最低でも以下の4点を意識して考えると良いかと思います.
・その文献で立てられている「問い」「仮説」はあなたの研究計画とどのような点で共通しているのか?
・その文献で明らかにされた研究結果は, あなたの研究計画に対してどのような手がかりを示しているのか?
・その文献の「問い」「仮説」「結論」は, あなたの研究計画とどのような違いがあるのか?
・その文献の「問い」「仮説」「結論」ではまだ不十分だと考えられることは何か?
後ろの2点は, 受験勉強したての方には少し難しいと感じるかもしれないので, その場合は, 少なくとも前の2点を意識して再度文献を読み返した上で, 説明を試みてください.
口頭で説明の練習を行う際は, 出来るだけ協力していただける先生にお願いして, 説明を聞いてもらうようにしましょう.
※その時の説明及びその後の先生からのフィードバックは, 必ずスマホ等の機能を使って録音・録画を忘れないこと.
文章に書いて説明の練習をするのであれば, しっかりと声に出して, あるいは頭の中で音にしながら説明をしましょう(わかりにくい表現ですいません...).
5. 理解し切れていない箇所を追加読み
最後に, これまでの4つのステップを踏んでもなお, 理解が不十分な箇所が見つかれば, そこを読みましょう.
「ここまでの過程を経て, まだわからない箇所なんてあるわけないじゃん!」と思う方もいるかもしれませんが, そんなことはありません.
そのような思い込みを出来るだけ減らすために, 4ステップ目に“説明練習”を設けているのです.
説明を行えば, どこかで論理にズレが生じたり, あなたの説明が相手(先生等の協力者)に伝わらない場合があります.
ここでもう完璧だ!となれば良いのかもしれませんが, まずないでしょう笑笑
必ずどこかで, 相手に納得してもらえない, あるいは自分自身で説明の内容に納得いかなくなる場合が来るかと思います.
そこで, その納得いかない部分を補うために, 読み飛ばしていた箇所や, 読んだが理解しきれていないあるいは重要である箇所をもう一度読み返す必要があるのです.
6. まとめ
今回のブログ記事は, 量が多く読みにくかったかもしれませんが, 読書の方法をこれくらい緻密に, 段階を踏んで行えば, 効率的な意味のある読書ができるようになるかと思います.
「やることが多いじゃん」「段階が複数あるから, 絶対時間かかるじゃん」などと思う方もいるかと思います.
ですが, 実際にやってみると, 一つ一つがそれほど時間かかる訳でもないし, かかったとしても一語一句確認するような“丁寧な”読み方よりも早く, 楽に読めます.
なぜなら, 段階ごとに目的が明確な上に, 内容も異なっているため, 退屈感が減るからです.
なんでも丁寧に読めば良いわけではなく, 大事なのは『限られた時間の中で, いかに効率よく要点を理解し, あなたの研究計画との関係を説明できるようになるか』なのです.
読書に限った話ではありませんが, “なぜそれをやるのか”を少し考えるだけでも, その内容の実効性が高まり, その行為に対する苦痛感や怠惰感が減退するかと思います.
今回のブログ記事が, 皆さん, とりわけこれから大学院受験を控えているあるいは考えている方々にとって, 有益なものとなっていれば幸いです.
最後まで, 拝読いただきありがとうございました!
また次回のブログでお会いしましょう♪
ではまた〜👋