ある老画家の日々(後編)【小説】
イラスト きよみさん
「ぱぁいぱぁぁあい!」
「ぎゃぁぁぁ! 出たぁぁあ!!」
夜の帳が落ちたアストロ世界に、今宵も女性ノーツたちの悲鳴が響き渡る。
謎のWebテロリスト『圧倒的 理不尽』によって無登録でアストロ世界への不法侵入を繰り返し破壊活動を繰り返すヴィランたち。
『ノーツではない者』――通称『ノット』
その『ノット』の中でも、破壊活動やヒーロー、アストロ世界の警備を担当する守護者的存在『ヴィジランテ』との対決には目もくれず、ひたすらヒロインへの『イタズラ』を繰り返す異色の怪人、『お下劣男爵 チチモミ・パンティーラ』の仕業である。
「むほほほ、今宵も大量じゃわい」
この夜だけで、既に十人のヒロインを毒牙にかけたパンティーラは、街の中でも二番目に高いビルの屋上で、満足げに自身のフォルダーを眺めている。
そのフォルダーにはパンティーラに『イタズラ』され、慌てふためき、羞恥に顔を染める乙女達の表情が映し出されていた。
どこにも公開していない、パンティーラ秘蔵のお宝コレクションである。
『お下劣男爵 パンティーラ』の使用するアバターは実に奇怪なものだった。
長く伸びた眉毛によって瞳は隠され、長く伸びた鼻の下には、くるりと跳ねた昔のイギリス紳士のような口髭、貴族シャツの裾は尿漏れ防止の紙オムツの中にインして、ツルツルの頭部にはトレードマークの『おパンティー』を被っている。
誰がどう見ても生粋の変態ルックである。
老若男女美男美女、希望すれば望み通りのアバターが手に入るのだから、他になかったのかと仲間からは言われるが、この姿は本人が望んだものなのだ。
「むむっ!」
眉毛の下に隠された、シャッター機能のついた瞳がキラリと光り、大きく膨らませた鼻の穴で、周囲の空気を深く吸い込む。
「臭う! 若いオナゴの芳しい香りがするぞい!」
そう叫ぶや否や、パンティーラはその身を空中に投げ出した。
ほぼ地上80メートルの屋上からだ。
WEB上に存在するため、基本的に物理法則から解放されたアストロ世界ではあるが、現実世界と変わらず行動できるように、各アバターには1Gの重力が設定されている。
正義(ヒーロー)と悪(ヴィラン)に分かれて戦うというコンセプトで運営されている『アストロノーツ』だけに、正規ユーザーであれば激しい衝撃を受けても一定以上のダメージは受けないような保安プログラムがされているが、バグ扱いである『ノットノーツ』には、このプログラムは働かない。
それゆえ、彼らとの戦いでダメージを受けた場合、正規ユーザーであっても保安プログラムの効果が効かなくなり、受けたダメージはそのままダイレクトにデバイスを通して現実世界の脳に多大なダメージを与え、最悪、脳が『死』を錯覚し植物状態になってしまう。
これが今、現実世界で問題になっている、通称『アストロ廃人』である。
高層ビルからその身を投げ出し高速で落下するパンティーラは、すわ地面に激突かという寸前、猫のように身体を捻ってクルクル回転すると音もなく着地。その勢いのまま信じられない速度で夜道を照らす電灯の中を駆け抜けた。
(うほほ、思ったように動く体は、気持ちがええもんじゃのう)
パンティーラの正体は、御年八十九歳の日本画の大家、利知 桃吉(りしり ももきち)である。
現実世界でも、同年代の老人に比べれば矍鑠(かくしゃく)としてはいるものの寄る年波には勝てず、若い頃に比べ動きは鈍り、体のアチコチに不調を抱えている。
しかし、デバイスを通し自身のアバターを動かすこの世界では、そうした身体の不具合は影響しない。頭の中のイメージが、そのままアバターの動きに反映されるのだ。
つまり、想像力が高ければ高いほどアバターの能力値は上がる。
その意味で、八十年以上あらゆるモノを観察し、その手で紙に写し取ってきたパンティーラは、本人が『その気』にさえなれば、アストロノーツ最強に限りなく近い存在と言えるだろう。
「うひゃひゃひゃ! 待っておれよ子猫ちゃんたち!」
まぁ、本人にその気は一切ないようだが。
毎週火曜日に行われる定期ライブを終えた『プリティー☆エンジェル』の二人は、打ち上げ会場に向かうため、裏通りを二人で歩いていた。
スレンダーでロングヘア、ピンクを基調とした女性らしいブラウスにフレアスカート姿の『プリティー』。ショートカットでクールなパンツルック、Eカップの豊満なバストを誇る『エンジェル』
二人は現在アストロノーツで売り出し中のアイドルユニットで、リアル世界でも同名の地下アイドルとしてアキバ界隈で活躍しているらしい。
「今日のライブも盛り上がったよねー」
「ライブ生配信始めてから、グッとフォロワーさんも増えたしね」
「リアルでもあれくらいお客さん来てくれればいいんだけど」
「まだまだ、これからじゃん。アストロノーツでファンが増えれば、その内リアル世界の人気にも反映されていくよ」
そんな会話をしながら歩いている二人の間を一陣の風が吹き抜け、プリティーのフレアスカートが舞い上がった。と同時に、
「その、けしからんオッパイをトォォス!」
エンジェルの豊満なバストが跳ね上がり、同時にパシャパシャというシャッター音が響き渡る。
一瞬遅れて、自分たちの状態を理解した二人は、悲鳴を上げながら、それぞれスカートとバストを押さえてその場にしゃがみ込むが時すでに遅しだ。
人の気配を感じた二人が顔を上げた視線の先には、ほぼ二頭身の変態が立っていた。
「お下劣男爵 パンティーラ 見参じゃ☆」
横ピースでポーズを決めた変態が名乗りを上げる。
もう片方の手には、タブレット端末。
映し出された画面は、ノーツたちが自身の活動や創作を載せるスペース『note』の編集画面が映し出され、カワイイ熊の絵が描かれたパンティーと、跳ね上がった事でより大きさが強調された、豊満なバストの写真が載っている。
下から舐めるように撮られているため、その顔は殆ど写っていないが、服装などから二人が『プリティー☆エンジェル』であることは、見る人が見れば明白であった。
この世界に不法にアクセスしているのだから、正規ユーザーに用意された『マイページ』である『note』を持っている筈のないパンティーラだが、どういう訳か、その『note』は、突如アストロ世界に現れて、ほんの数分、長くても数十分経つと跡形もなく消えてしまうのだ。
ノーツの中には、この『幻のnote』を観る為に登録している者もいるらしい。
画面右上の『この記事を公開する』と書かれたボタンには、変態の人差し指が掛かっている。
「「いやぁぁぁ、やめてぇぇ!!」」
顔を真っ赤にして止めようと飛びかかる二人をサラリと交わし、変態は満面の笑顔で、
「ぽちっとな」
と、そのボタンを押した。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
二人の悲鳴に呼応するように、noteの『スキ』数が増えていく。
「二人とも、素晴らしい表情じゃったぞい。ご馳走様♡」
そう言い残すと、変態は高笑いと共に夜の帳の中へ消えていった。
追いかけてくる二人のヒロインをあっさり撒いたパンティーラは、ビルの谷間に隠れ、羞恥と怒りを顕にした『プリティー☆エンジェル』の表情を撮したデーターを、お宝フォルダーに保存した。
巷では、『圧倒的 理不尽』によって招待された『ノット』のみならず、正規登録のヴィランによるヒロインへの性的な嫌がらせや、悪質な暴行などが問題となっている。
もちろん、実体ではなく、あくまでデーターによって作り出されただけの架空のアバターなのだが、新型デバイスによって視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚の五感を得ている以上、被害を受けているヒロインにとって苦痛は現実世界のソレと何ら変わることはない。
「まったく、『理不尽』の阿呆め。招待する者は選ばんかい」
パンティーラもこの状況を苦々しく思っている一人だ。
まぁ、「お前が言うな」という話ではあるが、変態には変態なりの矜持があるらしい。
『パイタッチ』や『スカートめくり』はするし、その写真データーを自身の非公式noteに公開はするが、そうした行為は全て、羞恥に染まる乙女の表情を撮影、収集するためだ。
公開するデーターには、ヒロインの顔は映らないよう配慮しているし、彼女たちの羞恥の表情を写真に収めた瞬間、そのノートは削除する。
『イタズラ』以上のことはしない。
それが、このアストロノーツで、彼が自身に課したルールなのだ。
「いやぁぁぁぁ!」
画像の保存を終え、新たな獲物を探すパンティーラの耳に、小さく女性の悲鳴が届いた。
その声にただならぬものを感じたパンティーラは、近くのビルの壁を一気に屋上まで駆け上がり、耳を澄ませる。
「いやぁぁ、いやぁぁ!」
「オラ、大人しくしろ!」
聴覚の増強を『イメージ』したパンティーラの耳に、再び女性の悲鳴と男の声が聞こえた。パンティーラは声の方向に目を向け、今度は視覚増強を『イメージ』する。
パンティーラのいるビルから約50メートル先の細い路地。
そこに、一人の女性と二人の男の姿らしき影が見えた。
その映像をズームする。
二人の男は上半身に非常識な筋肉を蓄えていて、その一人に腕を掴まれている女性は小柄で、ピンクのアイマスクでその顔を隠していた。
どうやら二人の男はヴィランで、女性はヒロインのようだ。
さらによく見ると、ヒロインらしき女性の衣服はところどころ破れ、顔には殴られたようなアザが見える。
パンティーラは眉根を寄せ小さく舌打ちをすると、ビルの屋上から一気に飛び降りた。
「おら、大人しくしろ。生意気なガキには、これからたっぷりお仕置きしてやらんとな」
「アニキ、いいから剥いちまいましょうぜ!」
「そうだなマサ。こら暴れるんじゃねえ!」
いかにもチンピラ然とした下衆な言葉を口にしながら、ヒロインの服を剥ぎ取ろうと『アニキ』と呼ばれたヴィランが手を伸ばした。
が、ヒロインの体に触れる寸前、彼の手はピタリと止まり、いくら力を込めてもピクリとも動かない。
見ると、その手首には荷物などを縛る荒縄が巻き付いていて、その縄の先には一つの小さな影。
「誰だ!」
『マサ』と呼ばれていたヴィランが叫ぶと、その影はゆっくりと三人に近づいてくる。
「あ、あんたは……、パンティーラさん!!」
ヒーローかヴィジランテが現れたのかと身を固くしていた二人の緊張が解ける。
「へへへ、こんなところで幹部の方と出会うなんて奇遇ですね」
言動から察するに、どうやら『圧倒的 理不尽』に『招待』されたヴィランなのだろう。『アニキ』の方が諂(へつら)うような笑顔を浮かべる。
しかしパンティーラは無言のまま、ヒロインを見ている。
もちろん、実年齢は分からないが、ヒロインのアバターはまだ少女のように見えた。ビルから見えた映像と同様に衣服は破かれ、酷く殴られたのだろう、ふっくらした頬は腫れあがり青く変色し、大きな瞳からは涙が溢れ落ちていた。
「……何をしておる」
パンティーラが地中から響くような低い声で、二人に尋ねる。
「いやね、俺らでこの一帯を燃やしてやろうと燃料を撒いていたら、このガキが現れて生意気な事を言いやがったんで、ちょいとお仕置きしてやろうとね」
自分たちの手柄だと自慢するように語る『マサ』に、眉毛に隠れたパンティーラの目は、針のように細くなる。
「うへへへ、パンティーラさんも一緒にどうです、このクソ生意気なガキをヤっちまいましょうよ。あ、それともコイツ、パンティーラさんが先に目をつけてたんで?」
手首に荒縄を巻きつけられたままの『アニキ』が、媚びるような視線で、吐き気がするほど下衆な言葉を吐いた瞬間、ブワっと辺りの空気が一気に重くなったようなプレッシャーが二人を襲い、
「ぶぁっかもぉぉぉぉん!!」
周囲の建物がビリビリと震えるほどのパンティーラ大声で弾けた。
その声に圧倒された、ヴィランとヒロインの三人は目を丸くして思わず尻餅をつく。
「え、ええ? 一体何を怒ってらっしゃるんで?」
事態が飲み込めないまま、慌てる二人のヴィラン。ヒロインの方は、パンティーラの大声と迫力に当てられて放心状態だ。
「オナゴは花じゃ」
「へ?」
パンティーラの唐突な言葉に、間抜けな声を上げる二人。
「花は摘むものではなく愛でるものぞ。それを殴りつけ、あまつさえ乱暴しようなどと、ヌシらのしていることは野に咲く花を踏みつけるに等しい蛮行じゃ。この下衆めらが!」
パンティーラの言っている事は全く理解できなかったが、『ゲス』という言葉で罵倒されているという事だけは理解した二人の悪党は、それまでの態度を一変させた。
「幹部だと思って下手に出てりゃあ、訳の分からんこと言いやがって、調子に乗るな! このクソジジイ!」
言うや否や、二人はその太い腕を振り回しパンティーラに殴りかかるが、拳がパンティーラの顔面に届く前に、視界がぐるりと回転し、背中を硬い地面にしたたか打ちつける。
「グハッ!!」
息が詰まったまま身体を起こすが、そこにいた筈のパンティーラの姿がない。
「!?」
「コッチじゃわい」
後方から聞こえた嗄れた声に振り向こうと、慌てて地面に手をついた二人だったが、ついた筈の地面の手応えがない。
その手は、地面から僅か数センチのところで止まっていた。事態が飲み込めず自分の手を呆然と見つめる二人。
と、その手が地面から一気に離れていく。
否、二人の『身体全部』が上空3メートルまで、一気に持ち上がっていたのだ。
自分たちの体に目をやれば、腕と言わず足と言わず、身体の至るところに荒縄が巻きついていた。専門用語で言うところの『亀甲縛り』だ。
しかも、互いに相手を見ると、着ていた筈の服がない。
いつの間にか、二人のむくつけき悪党は裸にされ亀甲縛りで空中に吊るされていたのだ。
辛うじて残されていたのは股間を隠すパンツだけだった。
「せめてもの変態の情けじゃわい」
遥か下方から、パンティーラの声が聞こえる。目をやると変態は『マサ』が着ていた革のジャケットをヒロインの肩に掛けいるではないか。
「て、てめえ! なにしやがるこのジジイ!!」
二人が口々に叫ぶと、パンティーラは鼻を鳴らした。
「確かにワシは変態じゃが、ただの変態ではないぞい」
「!?」
「変態という名の紳士じゃ」
二人はこの小さな老人が何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
「そして、変態ですらない『下衆』のヌシらには、お仕置きが必要じゃの♡」
パンティーラ、いや、変態が言うや否や二人の視界がグルグルと回る。
「ぎゃぁぁ!」
体の動きがビタッと止まると、それまで亀甲縛りだった縄の巻き方が変わり、『アニキ』は空中で両手を伸ばし大股を広げた『M字開脚』になり、『マサ』は海老反りの体勢で顔面が『アニキ』の股間ギリギリに迫っていた。
「ひぃぃぃ!」
「おえぇぇぇ!」
二人が野太い悲鳴を上げ、その間にもパシャパシャというシャッター音が、辺りに響く。
「それ、もう一丁」
再び、二人の視界が回り、回転が止まると、今度は互の顔のどアップが視界に広がる。しかも、唇には生暖かい感触が。
空中で、二人は抱き合いキスをしていた。ご丁寧に互の腕を相手の体にまわし、『マサ』が『アニキ』の裏腿を抱えて持ち上げるような体制になっている。専門用語で言うところの『駅弁』だ。
「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
二人は一層大きな悲鳴をあげ、「おええ」「おげえ」とえずく。
すぐさま顔を引き離したいが、荒縄でガッチリ固定されていて顔はおろか指一本動かせない。
『下衆』ではあるが、性癖はノーマルの二人にとっては、この仕打ちはまさに地獄だった。
これ以上、非道いポーズをとらされたら死ぬ。
完全に戦意を喪失し、恐る恐る視線だけをパンティーラに向けると、変態は満面の笑顔で二人を見つめていた。その手には二人に見せつけるようにタブレット端末。
画面にはnoteの編集画面が表示され、二人が半裸で繰り広げた痴態の写真と、ご丁寧に現在地情報と地図までが記されてる。そして、その指は「この記事を公開する」ボタンに掛かっていた。
「このボタンを押せば、すぐさま人が集まってくるのう。ヴィジランテと『腐女子』どちらの到着が早いかの?」
「「ぎゃぁぁぁ、やめてくれぇぇぇぇ」」
「恨むなら、己の愚かさを恨むんじゃの。それぽちっとな」
無慈悲にも、その人差し指が動き、記事が公開される。
同時に、街中にある大小様々な全てのディスプレイモニターに、おぞましいnote画面が映し出され、二人のヴィランは空中で抱き合ったまま、ショックのあまり気絶した。
ひと暴れして気が済んだのか、この恐るべき変態は呆然と座り込んだままのヒロインに向き直った。
「お嬢ちゃんや」
彼女の体がビクリと震える。
「ここにはもうすぐ人が沢山くるじゃろう。目立つのがイヤならすぐに逃げなさい。まぁ、何ならあの二人、お嬢ちゃんの手柄にしても構わんがの」
ヒロインの少女を見る変態の瞳は優しかった。
「あ、あの、ありがとうございました」
彼女はよろよろと立ち上がると、立ち去ろうとする変態に頭を下げる。
「ワシはただ、あの下衆どもが気に入らなかっただけよ。礼なぞ不要じゃわい。今度会うときは敵同士、お嬢ちゃんの恥ずかしい姿を写真に収め公開してやるからの。まぁ、精々気をつける事じゃ」
少女に背を向けそう言った、変態の頬はほんのり赤らんでいたが、幸いな事に少女の位置からは逆光で分からなかった。
「では、また会おう! ぱぁいぱぁぁい!」
変態はその腕から荒縄を伸ばすと、某アメコミの蜘蛛男のように、ビルとビルの谷間を飛び去っていったのだった。
翌日、アストロノーツで配信されるニュースでは、三つの事件が報道されていた。
一番大きなスペースを割き報道されたのが、二人の『ノット』が逮捕された事件。
この二人は、現実とアストロの両世界で、強盗、放火、暴行など様々な犯罪に手を染める悪党だったが、『何者か』の手によって気絶したまま捕縛されているところを、ヴィジランテによって逮捕。同時刻、現実世界のインターネットカフェで奇声をあげ気絶していた二人の実体の方も、通報され逮捕されていた。
関連記事として、アストロ世界のあらゆるモニターがジャックされ、先の二人が裸体で抱き合うおぞましい写真をアップしたnoteが公開されるテロが起こったという記事も掲載されたが、note内容の詳細は記されていない。
次に、またもアストロ世界に現れた『ノット』パンティーラによって、一晩で十二人のヒロインが辱めを受けた事件。
一晩で十二人は、彼の犯行の中でも過去最多だったが、被害にあったヒロイン達のプライバシーも鑑み、その詳細は記されなかった。
そして芸能欄には、最近売り出し中のアイドルユニット『プリティー☆エンジェル』もパンティーラの被害にあったという記事が載っていた。
二人があえて実名を公表しパンティーラの非道を訴えた事で、その名はアストロノーツ全体に一気に広まり、同情票も含めてnoteランキングは急上昇。
次回のライブチケットは発売から僅か三十分で売り切れたという。
さすがはアイドル。実に逞しい。
『お下劣男爵 パンティーラ』
アストロノーツでも一二を争う実力を持ちながら、破壊活動やヒーロー、アストロの守護者的存在である『ヴィジランテ』との対決には目もくれず、ひたすらヒロインへの『イタズラ』を繰り返す『ノット』の中でも異色の怪人にして変態。
否、『変態紳士』である。
今宵もアストロノーツには、彼の奇声と可憐な乙女達の悲鳴が響き渡る。
「ぱぁいぱあぁぁい!」
おわり
~あとがきのようなもの~
こんばんは、ぷらすです。
えー………調子に乗りすぎました。ほんとスイマセン。
本当はもっと短めに、スッキリと終わらせるつもりだったのですが、そんな思惑とは裏腹にキーボードを打つ手が止まらず、気がつけば結構な長文になってしまいました。
いっそ、中編、後編に分けようかとも思いましたが、勢いが切れちゃうような気がして、そのままアップすることにしました。
また、物語の途中で、読者の方に不快感を与えるようなシーンがあったことをお詫びします。
どうしようか、かなり悩んだのですが、物語を進める上でどうしても必要だなということで件のシーンを入れ込むことに決めました。
多くの方がご存知のようにこの小説は、富園ハルクさん企画の、「第3回コラボ祭り 正義vs悪」から派生した、スピンオフ企画「アナザーストーリー」で、富園ハルクさんが設定を考え、きよみさんがキャラクターデザインを担当したキャラクター、『お下劣男爵 パンティーラ』をお借りして考えたストーリーです。
パンティーラの正体である、利知 桃吉(りしり ももきち)がどういう経緯で、「アストロノーツ」のヴィランとなったのかの前編、「アストロノーツ」でのパンティーラの様子を描いた本作(後編)の二部構成となっています。
もしよかったら、前編の方も併せてご覧頂けると嬉しいです。
前編→ https://note.mu/purasu/n/n80683fb30cfe
最後に、ここが凄く重要なんですが、
*この物語はフィクションであり、実在の人物・団体、青空ぷらすの性的指向とは一切関係ありません。
ではでは。
1/27日 追記
ハルクさんの計らいで、きよみさんの「パンティーラ」画像を使わせてもらえました!(歓喜)
これで、物語の中のパンティーラが更に迫力を増して、皆さんの脳内を駆け巡ると思われますw
お二人のご好意に厚く感謝いたします。m(_ _)m
・『アストロノーツ・アナザーアース』基本設定&キャラクター図鑑
・第三回コラボ祭り・正義VS悪(登場編)本戦・後半1月18日~31日分。作品シート
・原案・原作・設定・イラスト・キャラクターデザイン・総合プロデュース
富園ハルクさんのnote
キャラクターデザイン
きよみさんのnote
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