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うおがしのあさ

森下 研 さく 寺戸 恒晴 え
福音館書店 月刊予約絵本 こどものとも
215号 1974年2月1日発行


 築地市場を取材して描かれたと思われる絵本。魚屋を営むお父さんの仕事に興味を持ったあきら君が、お父さんに魚河岸に連れて行ってもらい、魚河岸の様子を見学する物語。身近なところに個人商店がなくなってしまったので、絵本に描かれているお魚屋さんのお店の様子は、懐かしいものに感じます。これが時代の流れというものなのでしょうか。秤も今描くならデジタル秤でしょう。
 魚河岸の場面に時代を感じる点があるでしょうか。絵本の中で、魚の入れものは木箱。今は、プラスティック製や発泡スチロール製に変わっているところでしょうか。魚を扱ったり運ぶための道具や市場の雰囲気は、最近のテレビ番組で見ることができる市場の様子を思い起こす限り、この絵本が出たころと劇的な変化はないように感じました。
 夜明け前に始まる河岸。市場に灯る電球の色、そして、その形状。黄色と群青色で市場の雰囲気と時間の流れをを感じ、働く人々の勢い、気性は顔の表情から伝わって来ます。

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