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日曜朝からフィンランド #8 11月の巻

今月は長期休暇でフィンランドに出かけておりましたので、そのことを中心にご報告させていただきました

UNIQLO x marimekko 秋・冬 コラボ

発売開始直後に店舗に出向きました。今回は購入は見合わせしておりますが、周囲の友人・知人たちは、ソックスを購入したという声がちらほら。ふかふかタイプで惹かれている方が多そうです。

フィンランド映画祭からドキュメンタリー映画「キノ・ライカ~小さな町の映画館」へ

毎年開催されている「フィンランド映画祭」。今年もユーロスペース@渋谷で始まっております。
また、12月14日からは、映画監督であるアキ・カウリスマキ氏が縁のある「カルッキラ」(Karkkila)に映画館を作ったことを追っかけたドキュメンタリー映画「キノ・ライカ~小さな町の映画館」が順次公開されるそうで、東京はユーロスペースで上映されます。
この映画、フィンランド滞在中に視聴。ドキュメンタリー映画の作りがカウリスマキ映画のような作り。ドキュメンタリー映画内で、日本語の歌が流れ、あれ?と思ったところカウリスマキ映画「枯れ葉」で歌われていた篠原敏武さんでした。フィンランドの歌を日本語の歌詞で歌っておられました。篠原さんご自身も映画には「カルッキラに住む人」の一人として登場されています。

篠原敏武さんは、アルト・パーシリンナの「魅惑の集団自殺」や「過去よさらば」(ペンッティ・キルスティラ著)「ペリカンの冒険」(レーナ・クルーン著)の翻訳もなさっています。

カルッキラへ

フィンランド滞在中、週末に会う予定にしていた友人・知人には、車を出すから遠出をしよう…と提案され行きたい場所があればリクエストして、と声をかけていただいていたので、カルッキラを行きたい場所の一つに挙げたところ、連れて行ってもらうことができました。ヘルシンキから70Kmほどの距離。日帰りも無理のない距離です。

ヘルシンキからの道は、幹線道路化していない昔ながらの国道で、いい塩梅に道もカーブし、晩秋のちょっと寂しい雰囲気の漂う風景を眺めながら移動しました。

午前中は家族で楽しめる映画を上映中でした

カルッキラは、人口9000人ほどの町。いわゆる町の中心部は、閉店したお店が手つかずのままになっていたりして寂しさも感じる街でした。キノ・ライカは、元工場の建物を生かして作った映画館。同じ建物内には、サウナ施設やレストラン、ヨガスタジオやセカンドハンドのお店も併設。隣り合う大きな建物は、イベントスペースになっていてコンサートも開催できるのだとか。1000人を収容するホールで、イベントのチケットはすぐに売り切れになるのだそうです。

キノ・ライカの入っている建物近くから森を歩く道が整備されていて(案内のマークでついている)、その印をたどっていくと、Tehtaan Hotelli(工場ホテル)へと向かうことができます。ホテルそのものは、工場の裏手にあるので、ホテル経由でキノ・ライカまで戻ることができる周回ルート。ホテルの敷地には、本棟と宿泊棟(2棟)があり、25部屋ほどあるそう。夏季は、宿泊客も多いそうですが、秋から冬はスタッフの数も減らして、主として会議やパーティ、食事会など、レストラン部門を主に営業しているそう。訪問した日は、家族での食事会数組の予約が入っているようでした。とても静かな環境で、ゆっくりできるところなので、時間にゆとりがあるのであれば、ぜひ一泊はしたいところです。

ホテル本棟 裏手

散策中、渡り鳥の雁がV字を作って飛んでいく姿を数回見かけました。近くに小さな湖があるので、羽根を休める場所になっているようでした。

Tove Jansson 展@HAM(ヘルシンキ市美術館)

来年2025年は、「ムーミン物語」誕生80周年。おそらくそれを記念していると思われる展覧会がHAM(ヘルシンキ市美術館)で開催中でした。

トーヴェ・ヤンソン パラダイス展

画家Tove Janssonを主眼に置かれた展覧会で油絵で描いた風景作品や自画像、企業や自治体からの依頼で制作した壁画の仕事に関する展示で構成。油絵作品も魅力的でしたが、壁画の仕事の展示は特に惹かれるものがありました。生涯1つだけ手がけたという教会用の壁画にまつわる説明と絵が特に印象に残りました。

荷物用ロッカースペースにて

命を延ばすアート展(ヘルシンキ大学病院)@アートホール

国会議事堂裏手にあるTaide Halli で始まったヘルシンキ大学病院所蔵のアート展。病院内各所に飾ってあるアート作品をまとめて鑑賞することができる展覧会です。友人から面白そうという前評判だから…と勧められて出向きました。

美術館へ行くと既知の作家、作品の前に長居しがちですが、まだ存命中の作家の作品も多く、知らない作家ばかりでしたが思わず作品の前に佇みたくなるような、気持ちを落ち着かせる作品が多かったです。通常、どこの診療科、場所に掲示、展示しているかの案内もありました。

展示フロアへ

早口になった?

街中で人々が話す言葉のスピードの速さが気になり、テレビ番組の中でインタビューを受けている人やニュース解説に出てくる識者の話す速度の速さが気になり、思わず今回出会った人たちに気になったこととして話を振ってみました。もしかすると…とその要因として挙がったのが、オーディオブックの活用。オーディオブックで読んでいる速度は、感情を込め、比較的ゆっくり。ただ、実際に聞く際には1倍速で聴くことはなく、1.2倍速か1.5倍速まで速度を上げて聴くことがほとんど。それゆえに、話す速度も自然に上がっているのではないか…とのこと。その他は、某SNSの影響も。思わずう~むとなりました。
オーディオブック活用の感想を聞くと、「読んだ」「なぞった」とはなるけれど、あまり記憶にはしっかり残らない、とも。

「無名戦士」70周年記念版

映画「アンノウン・ソルジャー」(2017年製作)が日本でも公開されましたが、その原作「無名戦士」Tuntematon Sotilas (ヴァイノ・リンナ著)の初版発行から70周年記念版が出版されておりました。今回の特別版の特徴は、この小説の舞台となった継続戦争の際の実際の戦況の資料と作者ヴァイノ・リンナの戦場にいた際の写真資料が挟み込まれていること。そして、序文をサウリ・ニーニスト前大統領が寄せていること。クラシックとなった文学作品を読み続け、次世代へつなげるための工夫の一つでしょうか。それとも、今のこの社会情勢を反映した試みでしょうか。

左が新しい70周年記念版
右は独立100周年の年の特別版

来月は、12月29日(日)朝8時からお届け予定です。


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