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元日のカレ牛にビジネスのヒントを学ぶ

こんにちは、荒木でございます。

年初より慌ただしくしており、ブログの更新が早くも滞っておりました(汗)。

恒例の引きこもり

年始は恒例の(?)ホテル引きこもりを実施しておりました。
ご存じの方も多くなってきた気もしますが、引きこもりというのは単に世間との関係を断ってゲームやアニメに興じるというものではなく、誘惑の少ないホテルの部屋にこもってデジタルデトックスをしつつ、2泊3日で読書にいそしむというイベントです。
これまでにドラッカー全集の読破、「影響力の武器」で知られるチャルディーニの著書の読破などを行ってきました。
ちなみに今回は、溜めに溜めてきた法律雑誌を読んでおりました。

夕食難民

もう1つのルールというのが酒を断つ、ということなのですが、それはできるとしてもさすがに断食をするわけではありません(笑)。
朝食はホテルで食べられるとしても、夕食はどこかで外食しなければなりません。
今回は1月1日から3日というスケジュールであったため、1日の夜と2日の夜が問題になったわけです。

元日とはいえ、ホテルは狸小路至近の場所。
狸小路を歩いていればさすがに何かしらあるだろうと高をくくっていました。

…ところがしかし。
行けども行けども飲食店はシャッターの嵐。
全然開いていませんでした(泣)。

そしてところどころ開いていたとしても、そこにはインバウンドのみなさんが長蛇の列。
数少ない開いている店舗である牛丼チェーン店やマクドナルドなどのハンバーガー屋は、とてもじゃないけど入れそうなものではなく、並んでいたら元日が終わってしまうのではないかという勢いでした。

そんなわけで狸小路をぐるぐる回った挙句、駅前の牛丼チェーン店に行って約1時間並んでカレ牛を食べて帰ってきた次第です。
元日の夜なのに残念な結果に終わりました。

悲劇が起こった理由

まぁそんなわけで元日からなかなか大変な思いをしたわけですが、なぜこんなことが起こったのでしょうか。

牛丼屋に行列ができるということは、牛丼を食べたい人(それ以外のメニューかもしれませんが)がたくさんいるにもかかわらず、牛丼(以外のメニューを含めて)の供給が追い付いていない状況があるということです。
抽象化して言えば、需要が供給を大きく上回っているという状況がそこにあったといえます。
そしてそこには、「何でもいいから食べさせてくれ」とか「高くてもいいから早くたべさせて」といったようなニーズが生まれていたわけです。

これは言ってみれば「充足されていない顕在ニーズ」。
別の言い方をすれば「入れ食い状態」。
また、ネット検索でも元日に営業しているのかどうかを明確に確認する手段はほとんどない状況でしたので、実際に足を運んで確認をするしかありません。
何でもいいから飲食店をやっていれば勝手に客が入ってくる状況だったのでしょう。

それではなぜこのニーズを満たす動きがなかったのか。

それは一言で言って、労働力の問題に尽きるのでしょう。
すなわち、飲食店が従業員を確保できないためにオペレーションが追い付かず、結果、店を閉めていたということになります。
実際、某有名スープカレーチェーンの社長さんに話を聞いてみましたが、やはり「元日に店を開ければお客さんが来るのはわかってたけど、従業員が出てこないのであきらめた。」ということのようでした。

かく言う私(荒木)は、何ら飲食店でもなく、ただ外野から見ているだけの存在ですが、日ごろ集客に困っているような飲食店であれば、元日もやればいいのに、と思った次第。
まさしく、「人の行く 裏に道あり 花の山」というやつです。

飲食店だけに限られない考察

ただ、これというのは「元日」、「飲食店」ということのニーズに限られるものではありません。
どんな業種でも、需要が供給を大きく上回っているタイミングというのはどこかで起こるような気がします。

例えば、我々の業界でもいわゆる「過払バブル」という時代がありました。
これというのが、いわゆるグレーゾーン金利があった時代におけるもので、サラ金で金をつまんだ人が、法定利率である18%を超えた部分を支払った場合、それが過払金としてサラ金業者に対して返還を求めることが認められていました。
この時代には、「過払御殿」とでもいうべき立派なお家を建てられる、「過払長者」とでもいうべき過払金専門の弁護士が跋扈していたことが思い出されます(というか顧客を連れてくることができれば全く詳しくなくてもできてしまいます。)。

これは何も過払案件がすごかったのではなく(まぁすごかったことはすごかったのですが)、どこにでも落ちていて、気付いている人がいない、又は気づいても実行する人がいないということを示すものなのです。
局面は過払いと全く違いますが、最近では、東証上場企業が上場維持基準を確保できるかという上場廃止問題がホットになっています。
こういった制度変更の生じる場面では、(法務でない部分もありますが)突発的に問題に対処できる人材に対する需要が高まっていたりもします。
そのような問題に迅速に対応することは必ずしも容易ではないですが、需要がある以上、ビジネスとすることは容易であるはずです。

まとめ

このようなバブルみたいな案件ばかりを追いかけるべき、というつもりはありませんが、いつでもチャンスは転がっている、という意識を持ってビジネスに取り組むことは重要なのではないでしょうか。

結局、元日は、都合2時間をかけて牛丼屋でカレ牛を食べて、そんなことを学んだのでした。


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