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3.ラクは楽しい

東京五輪もあっという間に終盤を迎えている。水泳陣としてはBr200が終わると、ひと段落と感じてしまう。東京SCの後輩である、超気持ちぃ〜で有名な北島康介選手の功績はこんなところにもあるんだなぁと、喜ばしくも寂しくもある。

先日は100m走でイタリアのジェイコブズ選手が優勝した。ヨーロッパの選手も活躍できるじゃん!と思った反面、中国の選手が決勝に進み、日本人は進めなかった。日本選手権の走りをまた決勝の舞台で見たかったなぁ。
また、女子三段跳びのロハス選手、1歩で5m…恐ろしい。プールの5mラインをみて、これが1歩…と思った。

結果を出せた選手も、思うようにできなかった選手も、独特な環境で行われた東京五輪は間違いなく歴史に残るわけだし、人々の心にも何かしらは刻まれたことだろう。
ボランティアの方々が電車でうとうとしながら静かに移動していたり、赤坂で働いているが交通規制の看板が立てかけてあったり、一般人の私にも日常に五輪の余韻と少しの彩りがのこった。

結果を出せなかった選手は
この先少しの休養を得てまた再スタートを切ることと思うが、昔選手で今指導者の私が彼らに、また五輪を応援してくださった全ての方に一言声をかけるなら、頑張るくらいなら楽しんで欲しいと思う。
力んだって良い事はひとつもないし、水泳においては力むと沈む、頑張ると遅い。
陸上しかり水泳しかり、ガッチガチに力んでいる選手で上手い人など1人もいない。
彼らの動きを見た時に、バネのようにしなやかで逞しく素早く動いているがそれはなぜかと言えば必要な体幹で手足の動きを支え、手足は伸び伸び動いている。素早く動く練習で、力まずともその動作ができるよう、何万時間にも及ぶトレーニングをしてきているからだ。
だったら、気楽に彼らを真似してみて、力を抜いて楽しく動けば楽に泳げる。
そういうと、いやいやいやーと返ってくる。
何故だろうか…楽しむ事がそんなに難しいのかな…

運動指導で1番難しいのは脱力させること。
いいよーその調子!とか、
もう少し気持ち良く回してみましょうなど
力んでしまっていることに気が付いていない場合は、その生徒さんの心にどう向き合い、どう声をかけて、気分を盛り上げ、その気にさせるのか、指導者の腕の見せ所だ。またとても楽しいところでもある。

楽しいことがあった日は、わーい!となって身も心も軽やかで当然体もよく動く。毎日HAPPYなら有難いが、人生というのはそう甘くはない。あーあ、と結果が出なくなった時こそ、気楽に。
遊ぶように。
楽しくはラクと読む。
その言葉は後から必ず効いてくる。

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