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ひつじのアーク

群れを成していた。
随分前からずっと。ひつじだから。

時々違うな。。。
と思うことはあっても。

それはそれで
群れから外れることは怖いな、、と
群れを成していた。

だけど。
ある日。

自分と同じ形をしたひつじ?
だけど
群れを成していない
ひとぼっちのあのコと出逢った。

彼女の名前はミーナ。
とても可愛らしいひつじだった。

僕は一目惚れをした。

「どこから来たの?」
と聞いても
「分からない」
みたい。

だから。

僕は彼女としばらく遊ぶことにした。
一緒にいたかったから。

僕には群れがあるし
いつかその群れに戻ればいいし。

ミーナと毎日毎日毎日遊んだ。

森の中で出逢った虫たちの演奏。
星の奏でる景色。
川を泳いだり。

ミーナは
「星になりたい」と言った。

星になれば群れを成すだけでなく
星座として輝ける、、いつまでも。いつまでも。と。


「さよなら」

ある日、ミーナはそう告げ、姿を消してしまった。あの日から、ミーナはいなくなってしまった。会えなくなった。何故、別れを告げられたのか分からなかった。

悲しくて…寂しくて…

ミーナに会いたい。
会いたい。
会いたい。。

思いは募るばかり。。

ミーナどこにいるんだ。。

空を見上げると
きらめく星が瞬いていた。
まるでミーナのよう。

気がつくと、僕は群れから外れてしまっていた。

だけど。
あの星の光を見つめていると生きていける気がした。

ありがとうミーナ。

きっと。ぼくは。
ずっと前から。
こうなることを望んでいた。

君が導いてくれたんだね。

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