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キーマップあれこれ。Miryokuとか。

週末に気ままに書いたキーマップの話です。
少し長め。

この投稿を書き始める前に「#キーマップ」のハッシュタグを検索したら、75件がヒットしました。
あまり需要の無さそうな話題ですか。ライトな層には込み入った話ですし、詳しい方には既知の内容ですし。

TAPとHOLD

自作キーボード、正確にはQMKなどのファームウェアで動作するキーボードを使い始めてから身近になる概念に「TAPとHOLD」がありますね。

既に利用されている方には説明不要ですが、知らない方に簡単に説明すると、「キーを短く押す操作(Tap)と長押しする操作(Hold)」の事です。

普通のキーボードでは、「a」とか普通のキーを1回叩いても、長押ししても同じaを返します。長押しはリピートになりますが。

先進的なファームウェアでは、キーの挙動をミリセカンドの単位で監視して、長押しの場合に別の結果を返すように設定可能です。
aキーを長押ししたらbが入力されるとか。
凄いですね。

一般的な例としては、親指が利用するキーにTapとHoldを割当して、Tapではスペースとかを、Hold時にシフトキーやCtrlの様なレイヤー切り替え機能を持たせますね。

最も典型的な利用例は、カーソル移動を別のレイヤーのwasdとかhjklとかijklに割当して、親指でレイヤー切り替えするといったケースです。


「小指、ククク…奴は四天王の中でも最弱…」

なぜ親指かというと、「強い」からとのことです。
最強は親指で、対照的に小指は「弱い」とされてます。
指の強さは親指、人差し指…と序列みたいなものがある感じで、小指は最弱とされてますね。

従って、エルゴキーボードの世界では小指を多用する事を忌避する傾向があるようです。

Miryokuについて

これらの概念を合理的に追求したキーマップで有名なのが、Manna Harbourさんという方が公開されているMiryokuですね。


  • レイヤーは強い親指で切り替えましょう。

  • 基本レイヤー以外は親指+反対側の指と組み合わせてタイピングしましょう。

  • 使用するキーは5列3行、弱い小指は絶対に伸ばさないぞ!

  • モディファイア、つまりシフトやCtrl、Alt等の修飾キーはホームポジションに置いて、「強い」指を動かさずに、TapとHoldを大活用するぞ!

初めて見た時はなんて合理的なキーマップだろうと感心しました。

ところがネットで検索しても日本語なページでMiryokuに言及しているのを殆ど見ません。

という事で、そのキーマップを自分のキーボードに割当して試してみました。

Miryokuは有用なのか?

結果、私にとっては、概ね受け入れられましたが、一部のマッピングはダメな点もありました。

1つ目は、左手テンキーです。何年も仕事でテンキーを右手で使って来たので、流石にこれを変えるのは厳しいです。

2つ目はカーソル移動です。ijklに変更して、Pgup/Pgdnはuとoに変更しました。

暫くの間、仕事で使ってみましたが、一長一短で業種を選ぶ感じですね。

エクセル使いには一長一短…

私はエクセルを長年使っていますので、必然的にキーボードでの操作が多くなります。
Ctrl+カーソルとかCtrl+Shift+カーソルとかAlt→h→o→iとか。

Miryokuでは、Mod-Tapつまり修飾キーは、ホームポジションのHoldに割当されています。
(一般的にHome Row Modsと言います。)

仮に、Ctrl+Shift+カーソルで広範囲のセルを一括選択する場合は…

  1. ホームポジションの二つの指で長押しして、CtrlとShiftを有効にする。

  2. 上記をキープしたまま、親指でカーソルキーのレイヤーに切り替える。

  3. 反対側の手でijkl押してカーソル操作をする。

と、複雑極まりない操作を一瞬で行う事が要求されます。

他にもエクセル使いの方ならイメージできると思います。
行選択(Sft+Spc)して1行挿入(Ctrl++)とか、修飾キーを多用する場面で、ことごとくキー操作が複雑化します。

一つ一つの操作では、普通に指が動きます。
しかしカーソルと組み合わせて連続入力する場合の指の動きは、複雑な事この上ないです。
それはピアノやギターの様な、楽器演奏の習得に近いものがあります。

一方でキー数が少ないキーボードでは、ホームポジションに修飾キーがある事のメリットはかなり大きいです。
どちらを取るか、非常に悩ましいです。

私の結論

現時点で仕事に使うキーボードは、Miryokuに手直しを加えたキーマップです。
4x6のキーボードを使う事で、修飾キーを周辺にも配置して、従来型のキー操作も出来るようにしています。

例えばエクセルのセルの書式設定は、
「Ctrl+1」です。

私の改変版Miryokuマッピングの場合は、
「左手中指でd長押し」+「左手親指でテンキーレイヤー切り替え」+「右手テンキーで1」
となります。

慣れればホームポジションを崩さずに、瞬時に指が動くようになるでしょう。
しかし、少しくらいホームポジションを崩して、左手の指2本でサッと押す方が楽です。

MiryokuやHome row modsが、日本語圏のキーボード使いに、どのくらい浸透しているか気になるところです。


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