【懐ネタ】Vortex POK3R とCanvasキーキャップ
今回はダラダラと書いた長文です。
古いキーボードをレビューしてみる。
今回は手持ちの古いキーボードを紹介してみます。
あんまり古くてボロい物を見せられてもしょうがないと思いますが、比較的キレイなのでご容赦ください。
お題はVortex Keyboardの「POK3R」です。
タイプミスではなくこのような名前です。
本来は「POKER3」なのですが、ちょっと狙いすぎて空回りしていますよね。
noteでは最新ガジェットの紹介は多いのですが、キーボード界隈の歴史を振り返るという意味で、このPOK3Rもなかなか興味深い存在です。
GH60から続く60%キーボードの系譜に連なるキーボードで、特徴はアルミ製の高品質な筐体です。
(歴史的な経緯について、詳しくは以下のサイトで紹介されています。)
初代「Cherry Mini/POKER」が2011年、先代の「POKER2」が2013年、「POK3R」が2015年頃の発売だったようです。
私が購入したのは2016〜17年あたり、Mechanical Keyboardsから購入。
久しぶりに覗いたら今でも在庫有りで売ってましたが、流動しているのでしょうか?
私が買った時のお値段は167米ドルで、当時のレートで20,000円弱でした。
もう少し出せばHHKB のProfessionalモデルが買えましたし、RealForceであればTKLが15,000円程度で買えた時代です。
しかし当時の私は敢えてPOKERを買いました。
MassDropの記事やYoutubeのレビューを見て憧れていたのだと思います。
レビュー的なモノ
私が購入したのはLEDの無いホワイト色の物で、キーキャップはPBT、スイッチはCHERRY赤軸でした。(この投稿画像の物は、後述のキーキャップに交換した状態です)
本体はフレームレスデザインでシンプルです。フレームが無いというのも目新しい感じでした。
アルミ製のケースにホワイト塗装がしてあり、表面処理も高品質で非常に高級な感じでした。
PCとの接続がMiniUSBというのが時代を感じさせます。
子供にも「そのUSBケーブルは何?」と聞かれました…
特筆すべき機能として、キー配置がフルプログラマブルというのがありました。
ユーティリティソフトではなく、純粋にハードウェア側の機能として、基本レイヤーに加えて3つの追加レイヤーにキー配置やキーマクロを設定できました。
沢山のキーを変更するとなるとかなり面倒ですが、当時は付加価値が高い機能だったのでしょう。
実際に使った感想
実際に使用してみた感じですが、まずは60%キーボードそのものに慣れる必要があったので最初は少し戸惑いました。
Fn+各種キーで、カーソルやファンクションキーを操作するというだけなので、分割キーボードに慣れた今では大したこと無いのですが、最初は大変でした。
私見ですが、2024年現在では純粋な60%レイアウトは下火となっていて、コンパクトキーボードのジャンルでは、独立カーソルキーを備えた65%程度のモノが多いように感じます。
一般向けには、純粋な60%レイアウトはストイック過ぎるのでしょうか…
POK3Rのタイピング感
POK3Rのキータイピングは普通で、東プレみたいな差別化できる性能があったわけではありません。
Cherry MXスイッチを使った普通のメカニカルキーボードです。
むしろ一部のレビューなんかでは打鍵音やスタビライザーのショボさも指摘されておりました。
確かにタイピングしてみると、スタビライザーのある大きなキーの打鍵音は、品の無さみたいなモノが感じられ、とりわけエンターキーやスペースキーは、ガチャガチャ耳障りと言える音でした。
当時の私も打鍵感というよりかは、美白肌の様な綺麗な見た目やアルミ製のカッチりとした剛性感について、高級食器の様なものを所有するプレミアム感を期待していたのだろうと思います。
Canvasキーキャップセットのお話
私がPOK3Rを買いたくなったもう1つの要因が、当時MassDrop(今はDROP)で見かけた1つのキーキャップセットでした。
普段は、その手の高価なキーキャップには全く興味のない私ですが、Dieter Ramsのデザインにインスピレーションを得たというそのキーキャップは惹かれるものがありました。
POK3Rのような60%キーボードで使ってみたいと、当時はまだ業者からの試作品もできていない状態の共同購入だったのにもかかわらず、衝動的にオーダーしてしまいました。
案の定、このキーキャップはオーダーしてから実際に生産されてデリバリーされるまで11カ月もかかりました。
私が受け取った初期のロットは、当初のレンダリングデザイン案と結構イメージが違っているとかで、結構な批判も出た記憶があります。
とはいえ届いたキーキャップは概ね元のデザインを再現しており、POK3Rに取り付けた状態は、当初思い描いていた物でしたので満足でした。
その後のPOK3Rは…
その後、このキーボードが普段使いの主力キーボードになったのですが、キータッチの感じについては今に至るまでしっくり来ていません。
私は、元来は青軸のように明確にキーが押されたことがわかるキータッチが好みでした。
しかし、POKERを購入した時は何故か軽いキータッチの物が欲しくなり、赤軸をオーダーしてしまいました。
使っていると赤軸はとても軽い感じで、スイスイとタイプできますが、その反面で押したのか押してないのかよくわからない感じでタイプミスが多く、好みに合いませんでした。
現在は普段使いのキーボードから引退し、後発の自作キーボードに席を譲りましたが、時々はデスクに並べて使ってやりたくなるような存在です。
まさに高級な食器みたいな存在ですね。