自作キーボード Dactyl Manuformを評す
自作キーボードの時代
スイッチやキャップ、PCBが容易に入手可能となり、3Dプリンタの普及により樹脂部品の作製も個人ベースで可能となりました。
設計図や3Dデータもオープンソースの物が簡単にアクセスできます。
なんのことかと言うとキーボードの事です。
Dactyl Manuformについて
私の手元にはDactyl Manuformがあります。
いわゆるErgonomic Mechanical Keyboardsというカテゴリに分類されるキーボードです。
元々はMatthew Aderethさんという方がデザインしたDactyl Keyboardというキーボードがありました。それをもとにTom Shortさんという方が、Manuformという別のキーボードのデザインを融合させた物がDactyl Manuformとのことです。
自作キーボード界隈では結構ポピュラーな存在で、ネット上で公開されている作例も豊富です。
詳しくはこちらの方で記事にまとめられています。
DactylManuformの特徴(形状)
その形状は、有名なKinesis社のContoured Keyboardに似ていて、キーの部分が手のひらに合わせて窪んでいます。
Kinesisはその人間工学的に優れた形状・操作性で評価も高かったのですが、お値段の方も極めて高く、永らく庶民には手かない憧れの高級ガジェットでした。
なのでDactyl Manuformの事をネットで知った時には興味をそそられました。
憧れの「Kinesis(っぽいキーボード)」が自作できて、しかもそれほど(工作としては)難易度も高く無いのです。
Dactyl Manuformの使用感
ということで、窪んだキーという特異なポジションでのタイピング感覚を味わいたくて、1年くらい前に作ったものです。途中の写真等を残していませんので、いきなり出来上がりの紹介となります。
工作の難易度はそれほどではありません。素人には手が出せないファームウェア関連はQMKが解決してくれます。
3Dプリンタと根気があれば、キーボードの構造を資料通り作るだけです。
使用感ですが、指とキーの距離感が心地よいです。
無理な運指が無くなりスイスイとタッチできますので「寿司打」等で遊ぶと、タイピングの達人になったように錯覚できます。
エルゴノミクスへの拘りが具現化したようなDactyl Manuformですが、End gameなのかと言うとそうでもありません。実際に使うといろいろと不満も見えてきます。
タイピング以外での使い勝手が微妙
エルゴノミクスなので、タイピング時に無理に手を動かさなくても良い反面、手を動かす局面が生じると非常にストレスがたまります。
マウスと合わせてキーボードを使うケースですね。
外観イケてない問題※
ポリゴンで山と窪みを作ってキーキャップを乗せてみました、みたいな外見です。キーボードの周辺が太いのがダメで、この部分から下に続く多面体ラインの塊っぽさが、何とも言えない無骨な感じです。
これらの点を踏まえて、次なるキーボードの構想を考えていきます。(続く)
※あくまで個人の感想です。オリジナル作者の取組みや成果物を貶す意図はありません。
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