【1日1事例】特別支援学校における教員と作業療法士の協働 ―色塗りが上手になった事例を通して― #特別支援学校 #作業療法士 #学校課題
要約
【目的】特別支援教育へのOTの関わりが増加する中、学校でのOTの役割や成果を明確にする
【対象】
・特別支援学校中学部2年、ダウン症で中度の知的障害を有する生徒
【方法】
・教員とOTが、COPMとスクールAMPSという評価尺度を用いて生徒の学校課題(色を塗る、はさみで切る、貼るなど)を評価。
・共通の目標と取り組みを話し合い、実行した
【結果】
・生徒の課題遂行力が向上し、目標に到達することができた
【考察】
・2つの評価を用いて生徒の課題遂行の問題を明確にしたこと、環境を調整し適切な教材で繰り返し練習したこと、教員とOTが共通の目標と取り組みを実行したことによる結果と推察された
・特別支援教育におけるOTの役割は、教員と協働して生徒の問題に取り組むことだと考えられた。
・OTがよりシステマティックに介入できる体制づくりの必要性も示唆された。
【メモ】
・作業療法士は、保険・医療・福祉に関わる専門職であり、人と作業と環境の相互作用に注目し、対象者にとって意味ある作業ができるように支援する役割を担っている
・作業とは、日々の生活で行われる一群の活動や課題であり、個人と文化によってその価値と意味が付与されたものをいい、自分のみの周りのことを自分で行うセルフケア、生活を楽しむレジャー、社会的、経済的に貢献する生産活動など、人が行う営みの全てが含まれる
・ゆえに、学校での作業療法の目的は、児童生徒が意味や目的のある活動を遂行する能力の課題をより効果的に行えるように支援する事である。
・米国やカナダでは、OTが基本的に常勤職員として学校に勤務し、児童生徒の教育ニーズに焦点をあてたアプローチを行なっており、その効果も報告されている
参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokkyou/53/3/53_205/_pdf/-char/ja