【1日1文献】地域づくりとリハビリテーション#地域づくり#地域リハビリテーション#地域包括ケアシステム

参考文献:地域づくりとリハビリテーション
筆者:吉永 勝訓
発行日:2020年
掲載元:リハビリテーション連携科学 21 巻 (2020) 2 号
検索方法:インターネット
キーワード:地域づくりリハビリテーション地域リハビリテーション地域包括ケアシステム地域共生社会

【抄録】
・わが国のリハビリテーションの変遷をみると, 介護保険制度が開始された2000年を契機に, その対象が障害者から高齢者へ大きく広がった.
・国は「地域包括ケアシステムの構築」を施策として打ち出し展開していたが, 2016年には「地域共生社会の実現」を提唱した. 
・地域包括ケアシステム構築における介護予防領域の展開においては, 「地域づくり」を重視した取り組みが全国各地で行われてきた. 
・地域共生社会の実現に向けても, その地域力の強化が謳われている.
・一方, WHO (国際保健機関) の Community-based rehabilitation (CBR) の展開においては, inclusive community がその目標に提示されており, わが国でもソーシャル ・ インクルージョン (社会的包摂) が “地域づくり” のためにも必要になると考えられる. 
・障害児 ・ 者リハビリテーションの関係者には, 他領域との交流や連携を深めて, 当事者も専門職も, 自らが生きがいをもって参加できる場を構築していくことが必要と考える.

メモ
・福岡県の小倉リハビリテーション病院では,職員 のプロボノ活動を推奨して,職員が「地域づくりの 重要性」と「地域での専門職の役割」を実感できる 経験を積んでおり,具体的には地域の高齢者サロン との共同でオレンジカフェを市民センターで開催し たり,認知症サポーター養成を行ったりしている. 
・またそれに加えて障害者の自助活動に対して,失語 症者の会,片麻痺体験者の会,若年中途障害者の 会,障害当事者グループのボランティア活動などを 支援している21) .
・このようなソーシャル・インクル ージョンの視点からの活動は大変興味深い.
・またこ の報告にもある個々の障害者に“役割”を感じて参 加していただくという視点の重要性は,障害者就労 に関する過去の報告や介護予防における地域づくり の報告でもたびたび指摘されており,“地域づく り”への重要なカギと考える.

・地域共生社会の実現に向けて,各分野のリハビリ テーション関係者には,他領域の専門職との交流や 連携を通して他分野のことをよく理解すること,人 的資源や医療福祉資源だけではなく企業や NPO な ども含めて,地域にある利用できそうな資源を活用 する姿勢や企画力が,今後はさらに求められるであ ろう.
・また,当事者も専門職も,自らが生きがいを もって参加できる場を構築していくことが,“地域 づくり”につながっていくと考える.

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/reharenkei/21/2/21_109/_pdf/-char/ja 


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