【1日1事例】健常者の階段降段動作における下肢のバイオメカニクス─降段速度による影響─#階段昇降#バイオメカニクス#降段速度

参考文献:健常者の階段降段動作における下肢のバイオメカニクス─降段速度による影響─
筆者:田邉 泰雅, 水上 昌文
発行日:2015年
掲載元:理学療法科学 30 巻 (2015) 2 号
検索方法:インターネット
キーワード:階段降段, バイオメカニクス, 降段速度

〔目的〕
・階段降段速度の違いが下肢のバイオメカニクスに与える影響について立脚相を前半と後半に区分して明らかにすることとした.
〔対象〕
・健常若年成人20名(男性12名,女性8名)とした.
〔方法〕
・動作計測に三次元動作解析装置と地面反力計を用い,地面反力,関節モーメント,関節角度を算出した.降段速度として3条件のケイデンスを規定した.
〔結果〕
・立脚相前半の膝関節伸展と足関節底屈モーメントピーク値は速度が高くなるほど大きくなり,その際の膝関節屈曲角度,足関節底屈角度も増加した.
・一方, 立脚相後半の膝関節伸展モーメントピーク値は速度が高くなるほど小さくなり,その際の膝関節屈曲角度も減少した.
〔結語〕
・降段速度が下肢のバイオメカニクスに与える影響は,立脚相前半と後半で異なる.

メモ
・日常的に経験する動作の一つである階段昇降は,自宅 内および屋外を移動するための重要な移動動作能力であ る.リハビリテーションを行う上で,疼痛なく安全な階 段昇降を行うことを目標とする場合には,この動作に関 する知識が必要である.

・階段昇降では平地歩行と比較して、幅広い関節角度と大きな関節モーメントが必要とされる .
・よって,この動作は高齢者や,下肢関節疾患あるいはバランス障害を持つ者にとって困難となりやすい

・降段速度変化による地面反 力鉛直成分への影響は,降段時のケイデンスが上がるほどに立脚相前半のピーク値が高くなり,立脚相後半のピーク値が低くなる傾向として 示された.
・このような傾向となる理由は,低いケイデン スと比較し高いケイデンスで降段する際には,高い速度 で落下してくる身体重心を立脚相前半において短時間で 減速させる必要があり,立脚相後半は重力加速度に従って身体重心を下方に加速させるためであると考えられる

参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/30/2/30_207/_pdf/-char/ja 

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