【1日1事例】中学生男子サッカー選手の 足関節捻挫既往者における下肢筋力および, 足関節機能の特徴 #特関節捻挫 #中学生男子 #下肢筋力
参考文献:中学生男子サッカー選手の 足関節捻挫既往者における下肢筋力および, 足関節機能の特徴
筆者:楠原悠生 ,大賀寛人,坂口 顕 ,藤岡宏幸
発行日:2022年
掲載元:日本臨床スポーツ医学会誌第30巻第1号
検索方法:インターネット
キーワード:足関節捻挫,中学生男子,下肢筋力
【抄録】
・足関節捻挫は小・中学生年代から頻発するスポーツ外傷であるが,これら育成年代における足 関節捻挫既往者の身体能力について明らかにされていない.
・本研究では,中学生男子サッカー選手におけ る足関節捻挫既往者の下肢筋力とパフォーマンス能力を明らかにすることを目的とした.
・兵庫県サッ カー協会に所属する男子中学生 42 名のうち足関節捻挫既往のある者(S 群)19 名,足関節捻挫既往のな い者(NS 群)23 名を対象とした.
・方法は Web を用いたアンケート調査,下肢筋力(膝関節伸展・足関 節外返し・足関節内返しの等尺性収縮筋力),Side Hop Test を測定し,下肢筋力・Side Hop Test の患健 差及び,下肢筋力と Side Hop Test の関連を検証した.
・S 群の捻挫脚は非捻挫脚と比較し,膝関節伸展と 足関節外返し筋力が有意に低下していた.足関節外返しと Side Hop Test では,S 群で中程度の相関(r =-.477)を認め,NS 群で弱い相関(r=-.313)があった.
・中学生男子サッカー選手では足関節外返し筋力の低下に加えて,膝関節伸展筋力の低下が明らかとな り年代特異的なのか,より縦断的な検討が必要だと考えられた.また S 群は NS 群と比較してスポーツパ フォーマンスの発揮に足関節外返し筋力が重要だと示唆された.
結語
1.中学生の足関節捻挫既往者の患側は,健側と 比較して足関節外返し筋力・膝関節伸展筋力が低 下している.
2.足関節捻挫既往の有無でパフォーマンス能 力に差は認めないが,捻挫既往者は足関節外返し 筋力の低下がパフォーマンス能力の低下に比例す る傾向を示す. 3.足関節捻挫既往者の膝関節伸展筋力低下の 原因を示すことは縦断的な調査やオスグッド病や ジャンパー膝などの膝関節障害との影響について 調査する必要がある.
メモ
・足関節捻挫既往者は,足関節外返し・内返し, 股関節外転筋力の低下,動的安定性の低下,足関 節背屈可動域の低下,Leg Heel Angle の増加,パ フォーマンス能力の低下等,多くの報告があ る
・本研究の足関節捻挫既往者は,中学生年代よ り足関節外返し筋力の低下を認め,足関節捻挫の 再発リスクを抱えたまま競技をプレーしているこ とが分かる.このことから,足関節捻挫に対する 傷害発生・再発予防を小・中学生といった育成年 代から実施する必要性を示唆するものであると考 える.
調べた単語:「Leg Heel Angle」
・下腿長軸と踵骨軸のなす角
・正常では5°から10°外反(外側にくの字)と言われおり、それを越えると足部の外転が大きく捻挫し易い足とされている
参考URL:
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/30-1/70-76.pdf