【1日1文献】NESS H200Ⓡを併用した課題指向型訓練により 麻痺側上肢機能の改善を認めた中等度上肢機能障害を呈する 脳梗塞の一例#脳卒中#上肢機能#電気刺激

参考文献:NESS H200Ⓡを併用した課題指向型訓練により 麻痺側上肢機能の改善を認めた中等度上肢機能障害を呈する 脳梗塞の一例
筆者:寺内 万弥(OT)1),清水 完(OT)1),堀田 旭(PT)1),久堀 洋平(PT)1)
発行日:2019年
掲載元:第39回近畿作業療法学会
検索方法:インターネット
キーワード:脳卒中,上肢機能,電気刺激

【はじめに】
・脳卒中患者における麻痺側上肢機能障害 に対し課題指向型訓練は強く推奨されており,上肢機 能の改善のみならず操作性や日常生活における麻痺側 上肢の使用頻度の向上にも有効と報告がある.
・しかし, その適応の多くは軽度の上肢機能障害であり対象が限 定される.
・一方,電気刺激療法は上肢機能障害に対し 機能改善や亜脱臼の改善,痙縮抑制などの効果がある と報告されており,適応は軽度から重度上肢機能障害 とされている.
・近年,5つの表面電極により指伸筋, 長・短母指伸筋,母指球筋,浅指屈筋,長母指屈筋へ 同時に電気刺激が可能となった NESS H200Ⓡが開発 され,電気刺激療法による日常生活における把持動作 の改善も期待されている.
・NESS H200Ⓡの特徴を踏 まえると,補助療法として併用することにより課題指 向型訓練の適用は広がる可能性がある.
・今回,中等度 の上肢機能障害を呈した脳卒中患者に対し,NESS H200Ⓡを併用した結果,課題指向型訓練の実施が可 能となり FMA 上肢項目のみならず操作性や日常生活での使用頻度の改善を認めたため,その経過を報告する

メモ
・本症例は,中等度の上肢機能障害,特に手関 節・手指の機能低下により物品の把握・つまみが困難 であったため,課題指向型訓練のみの実施では機能改 善に至らなかった.
・しかし,課題指向型訓練に NESS H200Ⓡを併用した結果,FMA 上肢項目のみでなく ARAT や MAL においても改善を認めた.
・NESS H200Ⓡは鉤型握りや円筒握りなどの母指対立運動を 含めた手指の把持動作の改善効果を得られることが特 徴とされていることから,本症例の FMA 上肢項目 における手関節・手指機能の改善に NESS H200Ⓡが 寄与した可能性が考えられる.
・課題指向型訓練の適応 に満たない症例に対し,補助療法として電気刺激療法 の併用が有効であったとの報告がある.
・本症例の経過 から,NESS H200Ⓡも適切に用いることで課題指向 型訓練の有効な補助療法となり,FMA 上肢項目の改 善のみでなく操作性や使用頻度の改善に繋がる可能性 があると考えられる.

参考URL:
http://kinot39.umin.jp/pdf/abstract/O2-5.pdf 

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