【1日1文献】活動・参加を促進する訪問作業療法の実践知 #訪問作業療法 #参加 #質的研究
参考文献:活動・参加を促進する訪問作業療法の実践知
筆者:岩田 祐美, 田島 明子
発行日:2021年
掲載元:作業療法 40 巻 (2021) 4 号
検索方法:インターネット
キーワード:訪問作業療法, 参加, 質的研究
【抄録】
・訪問作業療法(以下,訪問OT)での活動・参加の促進は,個々の作業療法士(以下,OTR)が経験から築きあげた実践知に基づいていることが多い.
・OTRの語りからその実践知を体系化することを目的とし,訪問OT経験5年以上のOTR 9名にそれぞれインタビューを行い,語りを質的に分析した.
・結果,テーマ1「訪問OTの介入指針を持つ」,テーマ2「介入指針を関係性の文脈に乗せる」,テーマ3「活動・参加に向けた作業を導入する」の3つのテーマが得られた.
・これらのテーマから訪問OTの実践においては特に,訪問OTの介入指針を持ち,事例とOTRの関係性の文脈を把握したうえで作業を導入する関わりが重要であると考えられた.
メモ
・リハビリテーションでは,単に高齢者の身体機 能の改善だけを目指すのではなく,「心身機能」「活動」 「参加」のそれぞれの要素にバランスよく働きかけ, 日常生活の活動性の向上,家庭や地域・社会での役割 の獲得が必要である.
・平成 27 年にまとめられた「高齢者の地域における新たなリハビリテーションの在り 方検討会」の報告のなかで,訪問リハビリテーショ ンでは身体機能に偏った介入がされており,そのため 「活動」や「参加」にかかわる個別性を重視した適時・ 適切なリハビリテーションが改めて推奨された.
・医学中央雑誌 Web にて「訪問作 業療法」を検索した結果,1986 年から 2015 年の間に 127 文献が該当した.
・そのうち,活動や参加を促進す るための訪問 OT についての研究は見当たらず,訪 問 OT に従事する OTR は事例を通して知識を蓄積し ていると考えられた.
・実践知とは明記していなくとも, その介入をインタビューや参与観察などから分析した研究では,重度認知症者への作業療法6),高齢障害者 への作業療法7),訪問 OT での家族支援8) での OTRの行動をまとめる研究があった.
参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/40/4/40_439/_pdf/-char/ja