【1日1事例】高齢者の健康教育・ヘルスプロモーション #高齢者 #ヘルスプロモーション #健康教育
参考文献:高齢者の健康教育・ヘルスプロモーション
筆者:北畠 義典 , 相田 潤, 根本 裕太
発行日:2020年
掲載元:日本健康教育学会誌 28 巻 (2020) 2 号
検索方法:インターネット
キーワード:高齢者, 健康教育, ヘルスプロモーション
【抄録】
・わが国はこれまでに人類が経験したことのない早さで超高齢社会に突入し,今後も高齢者人口の割合がさらに増加することが予想される.このことは日本の社会保障制度を圧迫する要因である.このような状況を緩和するためにも,社会環境の改善と共に,高齢者の健康リスクを減らし,元気な高齢者を増やすことは重要な課題である.
・これまで高齢者の健康づくりは機能回復に主眼が置かれる傾向にあった.小さな集団を対象に機能改善のためのプログラムの有効性の検証は重要であり,このことは今後も必要な部分である.
・一方,日本においても所得や学歴が高いほど健康状態が良いといった健康格差や,幼少期の生育環境が高齢期の健康に影響を及ぼすことなど,個人の健康は,個人の努力だけで規定されているわけでは無いというエビデンスが報告されている.
・このようなことから,健康づくりを目指す際には社会環境の要因を考慮することも重要である.そして,現場で実施可能な健康づくりプログラムの開発のためにも,より大きい集団を対象とした健康づくりプログラムの実用性および有効性の高い科学的エビデンスの蓄積が引き続き必要である.
メモ
・近年、高齢者の健康問題はオーラルフレイル、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム、認知症などがある。それに加えて健康格差などの社会的要因が健康に影響を及ぼすことも注目すべきである。
・健康教育・ヘルスプロモーション分野では、社会環境の改善と共に、高齢者の健康リスクを減らし、元気な高齢者を増やすことは重要な課題である。
・今、高齢者の健康問題に対しては、国の新しい政策、研究の成果や現場の実践から様々な新しいアプローチ方法や考え方が次々と報告されている
・健康を自己責任として「個人の行動変容」を期待する健康教育だけでなく、住んでいる人が健康になりやすい社会環境を導く健康教育が求められている。
・身体活動ならびに社会参加による認知症予防効果は検討の余地が残されているものの、認知機能改善効果については、多くの研究成果によって明らかにされている。
・今後の認知症予防対策においては、通いの場などの社会参加の場を創出するとともに、地域全体での身体活動を促進することが将来の認知症患者数の抑制に貢献する可能性がある
・不眠症状は心血管疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧、肥満、うつ、および認知症のリスク要因であることが観察研究から示されている。
・また、眠れていないこと自体が日常の生活機能を不安定にさせQOLを低下させることも指摘されている。
・このようなことを踏まえると質の良い睡眠の獲得は介護予防の観点から重要である。
・高齢者の不眠改善に関する身体活動に関しては、低強度で毎日、身体を動かすことで不眠が改善されることが期待される。
参考URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/28/2/28_280219/_pdf/-char/ja