見出し画像

ドーサの向こう側

画像1

美味しいとかそういうのじゃない(抜群に美味しいんだけど笑)
ドーサの向こう側にある景色、想いを感じてキュンとなってなんか切なくなっている。
昔どこかで嗅いだ懐かしい匂いが街の中で一瞬鼻腔を通り抜けた時みたいな感じ。ドーサ(ティファン)に出会い、恋焦がれる夜。


9/6(日) am2:00

食の感動が140文字におさまらないのでたまにはnoteでも書こうかなと。今日の夜、SUNVALLEY HOTELで念願のドーサをtake awayしてきた。
(HOTELはインドで食堂の意味。宿泊施設ではない)

画像2

Dosai ドーサ
Vadai ワダ
Idli イドゥリ
Sambar サンバル
Chutney チャトニー

のセット。

所謂、ティファンというやつ。
ティファン=南インドの軽食
なんて言われているやつ。
サンバレーのドーサもティファンもぼくは初なのだ。

今日のティファンのアイテムはどんな食べ物でどんな味か、どっかの店で単品で食べたりした事もあったけど、ティファンというセットでコイツらを食べるのは初めて。

しかもこのティファンのためにそれぞれのアイテムをシェフがしっかりチューニングを施したわけだ。

まずはドーサの生地だけをかじる。
折りたたんであるタイプ。

やはり美味い!
絶妙な酸味具合、生地の質感
朝からずっとドーサのこと考えてて期待値が上がりまくってたんだけど、サンバレーホテルはそんな上がりまくった期待値をいつも軽々と超えてきちゃう。
ドーサが持ち帰りでこんなに美味いって凄すぎる。

一つ一つの味を確認しながら、それぞれのアイテムを、様々な組み合わせで右手でもみくちゃにしながらテンポよく食べ進めていく

画像3

ミント全開なグリーンチャトニーに夏を感じたと同時に、今日でぼくの2020夏が終わった感じもしっかりと受け取った。

なんだろう…
美味しいだけじゃなく、
この食べ物、引き込まれ方が異様だった。

今、目の前にあるこのティファンという
定食が醸し出すムードというか雰囲気…

言葉にするのがめちゃくちゃ難しい。

食べてる最中は料理研究スイッチも入っちゃって、口の中にある物質の構成成分とかを考えてしまったり、五感のうちの特に味覚に全神経を集中させてしまいがちなんだけど、いつの間にか無我夢中であっという間に完食。
行ったこともない、想像でしかないインドにトリップして夢中で食べていたような

食べ終わってしばらくしてから、なぜか胸キュンしっぱなしに。
今日出会った女の子の事が何故か頭から離れないみたいな感覚。

おい、ティファン
おまえ、なんなん?何者や?


美味しいのは当たり前で、その先の何かが伝わってきた気がした。
シェフが南インドで何を見て何を感じてきたのか、日本でこの料理を出す意味、これを通してお客さんに伝えたいこと、とか
並々ならぬ想いがありそう。
南インドの土地、空気感、歴史、文化、なんかわからんけど

単純に美味しいものを作る人は尊敬するけど、言ってしまえば美味しいものなんてちょっと勉強すれば誰でも作れる。
そこから先、調理技術をもって相手に何を伝えたいか。

ああ、これもまた音楽と同じなのか。


美味しければいい!美味しいものは正義!
ってもんでもないなって改めて感じた。
ティファンの全アイテム、ハッキリ言ってどれも地味目な味。誰が食べてもわかりやすく美味しい!ってなるやつではないと思うのね。

サンバレーのシェフは誰もが一口目でブッ飛ぶような美味しいインドカレーも作るんだけど、美味しいだけじゃなく、いつもそこから先を想像させてくれる。
そしていつの間にかインドに想いを馳せている自分がいる。
間違いなく、ぼくがインド料理に没頭し始めたきっかけのお店である。
初めてティファンを食べた店がサンバレーでよかった。
他の店で食べてたら美味しかったご馳走様だけで終わっていたと思うんだな。

料理でそんな風に人の心を動かす事ができるなんてすごいよね。
かなりの熱い気持ちというか、執念というか、バイブスの塊みたいなのを感じる。笑

あっ、そういえば思い出した

20歳ぐらいの時に家族で西葛西の南インド料理の名店に行って初めてドーサ食べたんだけど、全然よくわかんなかったもんなあ。
インネパ系のよくあるバターチキンカレー&ナンの方が美味くね?って

ぼくも大人になったなぁ〜なんて笑

ドーサ食べて興奮が収まらず、シェフにメールしてしまった。
ティファンは南インドの象徴のようなものらしい。そしてティファン屋の近くにはだいたいお寺があって、清浄な空気感があるんだって。
蕎麦屋みたいな感じかねって。

もうそれを聞いてね、すっごく府に落ちたんですよね。
寺ですって!蕎麦屋ですって!
あぁ、なるほど!だからか!

答え合わせしたみたいな感覚。

ティファン屋さんのおっちゃんとか職人気質で、めちゃくちゃカッケーんだろうな。

ますますインドと言う国に魅力を感じてしまいました。

さっき、自分がインドの地に降り立つのを想像したらなんだか泣きそうな気持ちになりました。

近い夢はインドに行く事です。

早く、叶いますように。

でももし僕に南インド渡航経験があったら今日みたいな感動はなかったのかも知れない。
あー、インドで食べたあれだー!とか、あのお店に似てるーとか、懐かしい〜とか思っちゃって。
インド未経験だからこそロマンを感じて、恋焦がれる気持ちを持てている可能性だってある。

音楽、楽器を初めてプロになって音楽を楽しむのではなく、ただの音楽リスナーでいる時の方が余計なフィルター無しに楽しめる感覚みたいな。
もちろん音楽を勉強して理解したからこそ楽しめる領域もあるんだけど。

となると、インドに行かない方がいいのか…?

うーん、、


とにかく、おれの前世の血が騒いでるぜ

画像4

忘れたくない気持ちの書き綴りでした



いいなと思ったら応援しよう!

Ryuki Maeda
サポートして頂けたらとても嬉しいです! 日々の音楽活動費、機材費、キッチン前田の設備投資代として使わせていただきます。