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素敵なイギリスのおじさん
クリスマスの忙しい時期を終えて、年越しを共に過ごす友達のお土産用にと義母のショップに立ち寄った。ただでさえ忙しいお店をセールのこんな時期にさらに忙しくして申し訳なかったのだが。
ウエストウッドなど着そうにないイギリス人のおじさんが私の隣にいて、レジで返品をしたいのだけどとスタッフの女性とあれこれやり取りしている。私も自分のものを精算してもらうのを待っていた。ショップマネージャーと話をしていると、私の夫とレジにいたおじさんが話し出した。夫が「こちらジム。80年代にジムの工場がある北ロンドンでママの服は作られてたんだ。」とウエストウッドなど着そうにないイギリス人のおじさんジムを私に紹介してくれた。
ジムは私が日本人だと知ると、立て続けに日本語で「ワタシハジムデス。ベンノトモダチデス。オナマエワナンデスカ?」と言ってきた。
ボーイジョージも含め夫の友達で私に何語か日本語で話しかけてくれたイギリス人たちはいるのだが、ジムはその中でもずば抜けて日本が好きで日本語で話したいという気持ちが私に伝わった。
話し足りない夫とジムは、ショップを出てからさらに話し出した。(これイギリス人男性アルアル。話し出すと止まらないのだ。)ジムは日本に6週間滞在してみたら人の良さ丁寧さにとても感動し、あまりに好きでさらにまた別の機会に滞在して、その時はもっと日本の言葉や文化を学んでみたいと思い、東京の代々木公園でホームレスと一緒に一晩を共に過ごし、その時に日本語を教えてもらったのだと教えてくれた。
ジムは今ロンドン郊外の森の中でキャラバン生活をしているそうだ。
「これがいかにも僕らしくていいだろ!?」と、とてもハッピーそうだった。
素敵なイギリス人のおじさんと聞くと、大きなお屋敷に住む貴族出身の人なんかを想像する人たちが多いかもしれないが、夫の周りには、必要最低限の物だけをキャラバンに置いて生活する、そういうワイルドで素敵なおじさんたちが多い。そしてヒッピー世代の人たちのそういう逞しく自由なスピリットが私は好きでたまらない。