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一年前

一年前の今日は、婚約者と二度目の婚約指輪探しに出かけた日だった。

一度目の指輪探しと合わせて5〜6店舗ほど見て周り、この日に彼女の気に入ったデザインの指輪を見つけることができた。

その数日後、僕は一人で指輪を注文しに行った。丁度試着のときと同じスペックのダイヤモンドがお店の在庫にあったため、そのときと同じ指輪が完成する予定だった。

彼女からは「プロポーズはサプライズでしてほしい」と言われていたので、ある節目の日にする予定だった。
でも結局、指輪を渡す前に彼女は亡くなってしまった。

指輪選びに出かけたことを思い出すたびに、幸せだったことと悲しい気持ちが一緒に湧いてくる。

大切な人を失った悲しみが和らいでいくプロセスはまだ実感できていない。

いつか悲しみが和らぐとすれば、この悲しい気持ちの中に少しずつ「懐かしさ」が生まれ、徐々に悲しみの気持ちを外に追い出してくれるのだろうか。

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