精神科に行こう⑪「にゅういん、その①」

どうも、8月の僕です。

どうやら僕の躁鬱の状態は気圧の変化にも左右されるみたいで、梅雨時期までだいぶ具合が悪かったんですが、夏のギンギン照りが始まったぐらいから急に躁が暴れ出してこのところ絶好調でした。

しかし溜まった仕事や夏の遊びにかまけて文章を書く欲が薄まってしまっていたのでお盆のど真ん中になってようやく筆をとる代わりにスマホのフリック入力を始めた次第であります。

突然だが夏の雨が好きだ。正確には夏の渇いた地面に降り始めた雨の匂いが好きだ。今年の夏は晴れすぎて、先日までその匂いを嗅ぐ機会も無かった。

あのホコリ臭いような匂いを嗅ぐ度に、懐かしい様な、泣きたい様な不思議な感じを覚える。覚えていないぐらい小さな頃の何かの記憶のスイッチになっているのか、不惑を迎えたこの歳になってもいまだにこの感覚は消えない。

そんな夏の雨が好きな僕も流石にこの大雨には参った。広島人なら覚えているであろう三年前の豪雨の時以来の自然の脅威だ。今のところ地元でそこまでの被害は出ていないので、遠方の友人の方、ご安心ください。

僕は消防団員で現在は班長なので、昨日の夕方から先ほどまで、29時間ほど出動してきた。しんどい時もあるけれど、消防団員としての活動は嫌いじゃない。どちらかと言えば好きだ。ライクではなくてラブの方の好きだ、消防団。

僕が失踪した時に大迷惑をかけてしまったが、それでもいつもと変わらぬ態度で迎えてくれて今日に至る甲奴町消防団第一分団の皆さん、不肖、福品博隆はこの身を賭して消防団活動に参加し続けますぞ!

仮に消防団で必要だと言われたらいつでもチンポ出せる覚悟は出来ている。しかし僕は羞恥心を母体に置いてきた男なので、知り合いから「チンポ見せて?」と聞かれたら五秒以内でいつでもチンポを出せる男だ。僕のチンポにそこまでの価値はないが、ウソかホントか確かめたい人は今度僕の耳元で囁いて欲しい。「チンポ見せて?」と。

消防団は職種、年齢、地区を越えて町内の様々なおっさんたちとの交流を持てるステキ団体だ。僕が所属している組織は色々あるが、一番大事な所属組織は消防団だと胸を張って言える。

僕がこの先ベヘリットを手に入れて全てに絶望した時に捧げるのは家族ではなく、第一分団のみんなかもしれない。三浦先生の訃報はすごいショックで完結まで読むことはもう出来ないけど、ベルセルクは超・名作なので、漫画好きな人は必ず一度は読んで欲しい。

今夜も一応自宅待機だし、明日も早朝から巡回だけど、それでも消防活動に参加出来るのは嬉しい。ご先祖様も不信心な僕に墓参りしてもらうより、町内の防災活動をしている僕を見て喜んでいて欲しいところだ。

ひさびさに雑文を書く興奮であれこれ書きたいことがあったはずだけど、消防の疲労で忘れてしまった。今年の夏は今のところ80点ぐらいの採点で過ぎていこうとしている。秋も赤点取らないぐらいで過ごしたい。


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入院のため病院に向かう。僕の病状は大人の事情でアル中の治療ということになっているらしい。躁鬱病だとなると病床が空いていないとのことだ。

まず入院病棟に入って荷物検査を受ける。そこまで大きくないカバンの底の底まで調べて、サイドポケットの中やズボンまでチェックを受ける。家に置いてくるのを忘れていたイヤホンか何かを発見され、送迎してくれた嫁さんに渡した。

幼少期からゲーマーな僕は携帯ゲーム機かスマホさえ持ち込めれば軽く500時間は潰せる自信があったが、電子機器・コード類は一切持ち込み禁止なため大量の文庫本を持って行った。

これから僕の記憶で人生二度目の入院生活が始まる。一度目は幼少期に家の前に飛び出して車に轢かれて足を骨折して入院した古い記憶があるだけだ。

当時同じ病室で隣のベッドだったお姉さんがくれたトラのぬいぐるみ、小学校低学年まで家にあったのにどこに行ってしまったのか。記憶の中のトラは今も僕の心の奥の方に住んでいる。

入院病棟は想像以上にキレイだった。診察外来スペースもキレイだが、明るく、白い壁が嬉しい。

入院前に少しだけ気になっていた他の患者さんの奇声なんかも聞こえてこない。ひょっとしてかなり住み心地が良いところなのではないだろうか。

簡単な入院中のルール説明を受けて病室に向かう。相部屋だけどパッと見る限り同室の人も大人しそうで安心した。

僕の約三週間の入院生活はここから始まる。

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