かき氷から「みぞれ」が消えた……ことを、嵐山で知る
まだまだ暑い日が続きますね。
暑い夏に食べて美味しいものの定番といえばアイスなわけですが、かねてから申しているように自分は甘いものが基本的に苦手なので、甘いアイスが基本的に苦手なのです。子供の頃は練乳いちごのアイスとか大好きだったのですが一体なぜこうなったのやら。
そんなわけで、こんな暑い今年でも、アイスを食べたのは一度だけ。それも自発的ではなく、法事に行った時に親がくれたのをもらっただけ……。
しかし、一生に一度しか経験できない令和最初の夏(あえて誰も言わなくなってきた今になって令和最初の○○とか言いまくるスタイル)、自分もせめて人並みに夏ならではの食を楽しみたい。
ならばアイスよりもかき氷だ。
アイスは冬でも売っているけども、かき氷は夏しか売っていませんから(もしかしたら売っているところもあるのかな?)。もちろん甘いのが受け付けない自分には、いちごやらメロンやらのシロップが付いた甘々なやつは無理。つまり、唯一あんまり甘くないかき氷、「みぞれ」一択なのです。
「みぞれ」……?
それ、ただの氷じゃねえの?プゲラw と内心で思っているあなたがたへ。自分も子供の頃は思っていました。心の底から「みぞれ」をバカにしていました。まさか自分が将来「みぞれ」しか認められない体質になるとは露とも考えていなかったのです。若さというやつですかね。自分は永遠のピーターパンなので今も若いけど。
というわけで、京都に来ました。
かき氷そのものは別に京都まで行かずとも自宅から徒歩2分のローソンで買えますが、まあ京都に来ました。 本当は京都で友達と遊ぶ予定だったのですがポシャったのです。
阪急電車の桂駅で、本来は河原町に行くはずだったところを乗り換え、何気に初めての嵐山にやって来ました。なぜ嵐山なのかというとノリと雰囲気です。ピーターパンだから仕方ありません。
写真は電車の乗客がほぼ全員おりたタイミングで撮りました。そうでないと人が多過ぎて撮れなかったのです。なんかもっとすごい山奥のイメージだったけど、桂駅から2駅しか離れていない。けっこう京都の繁華街から近いんだな。
渡月橋の周辺はこんな感じです。駅側はそうでもないけど対岸はいかにも京都なお土産物屋が数多くあり人力車もあるので観光客だらけ。桂川の縁にも裸足で歩いている人がたくさん見えます。いかにもな夏休みの景色だ。
みんな楽しそうだ。僕もいかにもな夏休みを満喫したい。そのためには、かき氷を食さなければならない。
幸い、嵐山公園の中にはたくさんの食べ物屋が軒を連ねていて、「かき氷」の文字が大きく書かれた旗も見えます。その旗を頼りに近づいてみると、メニュー表がありました。メニュー表に書かれているかき氷の種類は……。
いちご・メロン・バナナ・抹茶……。ん?
みぞれがない……。みぞれ、が、ない……だと?いや、この店がたまたま取り扱っていないに違いない。
そう思って別の店を探すも、そこにもみぞれはなし。メニューのトップにいちご味がありました。今の時代はかき氷界のカリスマといえばいちごなのでしょうか。
渡月橋を越えて、嵯峨野の方角へと向かいました。
橋の上ではピコ太郎ファッションの外国人とすれ違いました。あの金ラメ衣装は新京極の怪しいTシャツ屋で買ったのだろうか。残念ながら麦藁帽子をかぶっていらしたので髪型までピコ太郎さんと同じなのかは確認できませんでした。
嵐山電鉄の方の嵐山駅に来てしまいました。こっちの駅の方が観光地として定番かと。駅舎が全体的にお土産物屋でデパート状態なので、所見では駅だとわからないかも。
この辺りにもかき氷を売っているお店はそれはもうたくさんあり、中にはお高めなかき氷のお店なんかもあったりするのですが、見渡せど見渡せど、みぞれ味に辿り着けない。
千年の都と呼ばれた京都に、みぞれがないなんて……。日本人は、みぞれの心を忘れてしまったのか……。
ほてほてと歩いていくうちに、JR嵯峨嵐山駅まで来てしまいました。全鉄道路線の嵐山駅を制覇したぞ。
阪急嵐山駅からJR嵯峨嵐山駅は徒歩20分くらい(嵐山電鉄の嵐山駅はその道中にある)なので、嵐山に来られた際は制覇してみましょう。
そしてJR嵯峨嵐山駅はトロッコ嵯峨駅と繋がっているのです。トロッコの切符を買わなくても、駅構内のSL博物館に自由に入れます。ちいさな博物館ですが、ベンチがたくさんあり周囲に食べ物屋や自販機が建ち並んでいるので、休憩スポットとして利用できます。
ここで少し休憩して、もと来た道を引き返しました。何やってんだ。
せっかくだから京都の嵐山ならではのかき氷を食べたいから、と、行きでは道中のコンビニを総スルーしていましたが、もうここまでみぞれに出会えないとなると背に腹は変えられません。チェーン店のみぞれで構わない。とにかくみぞれが欲しい。
しかし……道中のコンビニ3軒が、まさかのすべて全滅。どこにもみぞれが置いていない。
おかしい。絶対におかしい。コンビニやスーパーでの、みぞれ味のかき氷の商品といえば、定番中の定番があったはずだ。
100円で買えるシリーズの……。あれ、名前なんて言ったっけ?そのシリーズのノーマル版みたいなのが大好きだったのですが……。
こういう時のグーグル先生だ。確か、森永か明治が出していたような気がする。おっ、……ヒットした。
ええええ?去年末に販売終了していた……だと?自分がこの10年間かき氷ばなれを起こしている間に、みぞれは経営危機に陥っていたらしい。すまなんだ。俺は無力だ。もう少し早く気づいていれば……。
ちなみにこの記事の画像にはありませんが、自分が求めていたのは最もノーマルな味付けの(要するにシロップのない普通のみぞれ)「100円みぞれ しろ」です。
他メーカーはみぞれを生産していないのだろうか?としばらくググってみましたがずっと見つからず。
みぞれは平成と一緒に去ってしまったのか……。さよなら平成、さよならみぞれ。
妥協に妥協を重ねた結果、比較的みぞれに近いと思われる「サクレ ソルティライチ」を選びました。スライスレモンは別にいらないんだけどなあ。台湾には申し訳ないけど、宮古島の塩だけでいい……。
そしてこれを食べたあとに、まだしつこく「みぞれ」をググっていたら、驚愕の事実が……いや、これもしかして常識なのかな?自分が知らなかっただけで……。
みぞれって砂糖の塊だったのか……じゃあ甘々ってことに……。それでもサクレの氷の部分はあんまり甘く感じなかったけどな。
みぞれって、比較的あんまり甘くなかった記憶があるんだけどな……。改めて、みぞれを食べて検証したい。まだ作っている地方メーカーとかないのかな……。
サウナはたのしい。